上 下
103 / 117
第10章、召喚された 幼女先輩

ダクネスの遺跡その3(*`Д´)ノ!!!

しおりを挟む
 アンジェリカを傷つけたのは誰?
 許さない!
 どんな手段をもってでもぶっ殺してやる!

「【 オメガブースト】!!」

 力任せの一撃。
 ダクネスにあっさりと回避されてしまう。

「 そんな単調な攻撃では我には当たらんぞ」
「【 ターゲット ライン】【 ボルテックインパクト】!!」
「 そんな攻撃どうということは・・・・・・なっ!?」

 必中攻撃化した 特大のマヒ攻撃。 ダークネスが 慌てたところで、私はさらに追撃をくり出す。

「【 ブラスターメテオウイング】!!」
「 馬鹿な!? 人間一人に 押されているだと!!」
「【 エンペラードラゴンショット】!!」
「【 ディスペル】・・・・・・ ぐはっ!?」

 ダクネスは麻痺の効果を打ち消そうとしたけど、 私の魔力の方が高いから不発に終わった。
 
 まだまだ!
 アンジェリカが味わった痛みはこんなものじゃないよ!

「【 ボルテックラインバースト】!!」
「 仕方がない。【 パーフェクトキャンセラー】【 エンペラードラゴンシールド】!!」

 ダクネスは今度はまひの効果を打ち消して、 全身に結界を生み出す。 そして、私に猛スピードで向かってくる。
 どうやら、体当たりを仕掛けてくるようだ。
 体格差頑丈さから言って私の方がどう的に不利。 この一撃を受ければ私は即死することだろう。

 知ったことか!

 私は全力を以て迎え撃つことにした。

「【 ブレイブバースト】【 エンペラーオメガインパクト】!!!」
「【 ドラゴインパクト】!!!」

 巨大なエネルギーのぶつかり合いにより、 激しい地震が起こる。
 力が拮抗しているかに見えたが、 やがて少しずつダクネスの 力が弱まり、 見事なまでに倒すことができた。
 でも、まだ生きている。
 私は剣を振りかぶった。

  その時。
 かんながなぜか私の前で両手を広げた。

「 師匠、駄目です」
「 どいて。私はそいつを殺さなきゃいけないの」
「 ダクネスの 闇を浄化しないとアンジェリカは元に戻らないんですよ」
「 じゃあ、浄化した後で殺してあげる」
「 どうしちゃったんですか。師匠らしくないですよ。 ダクネスはもう一体のパフェなんですよ?」
「 それなら、パフェも殺さないといけないよね」
「 ママ、怖いの!」

 私の顔を見てパフェが怯えている。
 無害そうに見えて可愛らしい姿だ。
 しかしその正体はダクネスで、 いずれは人間の外敵となる存在である。 ならば今この場で殺してしまった方が良いのではないだろうか。

「 師匠、しっかりしろよ!」

 パチンという音と共に私の頬に何かが当たった。
 アレクによる平手打ち。

 どうして私の邪魔をするの!
 アンジェリカを傷つけた憎き敵が 目の前にいるのに、 怒りのままに殺せないなんてあんまりだよ。

「 パフェは一度だって人を傷つけたことはないぞ。それでも殺そうって言うのか?」
「 だって・・・・・・それなら私はどうすればいいの?」
「 ママ悲しいの? 泣かないでほしいの」

 殺されそうになったというのに、パフェは私のことを心配してくれている。
 私は何て事をしようとしていたのだろう。
 アンジェリカだってこんなことは望んでいない。本当は分かっていた。
 感情のぶつけどころがなくて、子供のように喚いていたようなものだ。

「 パフェ、ごめんね」
「 ママが笑ってくれたらパフェも嬉しいの」

 癒されるよ。パフェ可愛すぎるよ。
 私はもう大丈夫。

「かんな、 ダクネスを浄化すればいいんだよね」
「はい。 ゲーム通りならそれで全てが解決するはずです。・・・・・・ ダクネスはパフェのような姿と性格になるから、その・・・・・・」
「 分かってる。もう殺そうとしたりしないよ」

 さっきまで荒んでいたのに、今は心が穏やかだ。
 さあ、すべてを終わらせよう。
 ダクネスに手をかざし、浄化の祈りを・・・・・・。

「 なんだこれは!?」
「 光に包まれて!」
「 俺たちの体が消えている!?」

 アルバート、ロイド、エルヴィンの体が 光に包まれて消滅した。

「 どうやら間に合ったようだな」

 ダクネスの仕業か!
 すぐに解除してーー。

「【 パーフェクトキャンセラー】!!」

 どういうことなの!?
 元に戻るところか 周囲すべてが光に包まれていく。
 光から逃れているのはダクネスとかんなだけだった。

 かんなは実は敵だったから、ダクネス へのとどめを 遮ったの?

 ううん、 信じてるからね。





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

公爵令嬢は薬師を目指す~悪役令嬢ってなんですの?~【短編版】

ゆうの
ファンタジー
 公爵令嬢、ミネルヴァ・メディシスは時折夢に見る。「治癒の神力を授かることができなかった落ちこぼれのミネルヴァ・メディシス」が、婚約者である第一王子殿下と恋に落ちた男爵令嬢に毒を盛り、断罪される夢を。  ――しかし、夢から覚めたミネルヴァは、そのたびに、思うのだ。「医者の家系《メディシス》に生まれた自分がよりによって誰かに毒を盛るなんて真似をするはずがないのに」と。  これは、「治癒の神力」を授かれなかったミネルヴァが、それでもメディシスの人間たろうと努力した、その先の話。 ※ 様子見で(一応)短編として投稿します。反響次第では長編化しようかと(「その後」を含めて書きたいエピソードは山ほどある)。

悪役令嬢によればこの世界は乙女ゲームの世界らしい

斯波
ファンタジー
ブラック企業を辞退した私が卒業後に手に入れたのは無職の称号だった。不服そうな親の目から逃れるべく、喫茶店でパート情報を探そうとしたが暴走トラックに轢かれて人生を終えた――かと思ったら村人達に恐れられ、軟禁されている10歳の少女に転生していた。どうやら少女の強大すぎる魔法は村人達の恐怖の対象となったらしい。村人の気持ちも分からなくはないが、二度目の人生を小屋での軟禁生活で終わらせるつもりは毛頭ないので、逃げることにした。だが私には強すぎるステータスと『ポイント交換システム』がある!拠点をテントに決め、日々魔物を狩りながら自由気ままな冒険者を続けてたのだが……。 ※1.恋愛要素を含みますが、出てくるのが遅いのでご注意ください。 ※2.『悪役令嬢に転生したので断罪エンドまでぐーたら過ごしたい 王子がスパルタとか聞いてないんですけど!?』と同じ世界観・時間軸のお話ですが、こちらだけでもお楽しみいただけます。

乙女ゲームの断罪イベントが終わった世界で転生したモブは何を思う

ひなクラゲ
ファンタジー
 ここは乙女ゲームの世界  悪役令嬢の断罪イベントも終わり、無事にエンディングを迎えたのだろう…  主人公と王子の幸せそうな笑顔で…  でも転生者であるモブは思う  きっとこのまま幸福なまま終わる筈がないと…

乙女ゲームの悪役令嬢は生れかわる

レラン
恋愛
 前世でプレーした。乙女ゲーム内に召喚転生させられた主人公。  すでに危機的状況の悪役令嬢に転生してしまい、ゲームに関わらないようにしていると、まさかのチート発覚!?  私は平穏な暮らしを求めただけだっだのに‥‥ふふふ‥‥‥チートがあるなら最大限活用してやる!!  そう意気込みのやりたい放題の、元悪役令嬢の日常。 ⚠︎語彙力崩壊してます⚠︎ ⚠︎誤字多発です⚠︎ ⚠︎話の内容が薄っぺらです⚠︎ ⚠︎ざまぁは、結構後になってしまいます⚠︎

悪役令嬢に転生したのですが、フラグが見えるのでとりま折らせていただきます

水無瀬流那
恋愛
 転生先は、未プレイの乙女ゲーの悪役令嬢だった。それもステータスによれば、死ぬ確率は100%というDEATHエンド確定令嬢らしい。  このままでは死んでしまう、と焦る私に与えられていたスキルは、『フラグ破壊レベル∞』…………?  使い方も詳細も何もわからないのですが、DEATHエンド回避を目指して、とりまフラグを折っていこうと思います! ※小説家になろうでも掲載しています

あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活

mio
ファンタジー
 なんやかんや、無理矢理あいつに異世界へと連れていかれました。  こうなったら仕方ない。とにかく、平和に楽しく暮らしていこう。  なぜ、少女は異世界へと連れてこられたのか。  自分の中に眠る力とは何なのか。  その答えを知った時少女は、ある決断をする。 長い間更新をさぼってしまってすいませんでした!

モブ系悪役令嬢は人助けに忙しい(完結)

優摘
ファンタジー
※プロローグ以降の各話に題名をつけて、加筆、減筆、修正をしています。(’23.9.11) <内容紹介> ある日目覚めた「私」は、自分が乙女ゲームの意地悪で傲慢な悪役令嬢アリアナになっている事に気付いて愕然とする。 しかもアリアナは第一部のモブ系悪役令嬢!。悪役なのに魔力がゼロの最弱キャラだ。 このままではゲームの第一部で婚約者のディーンに断罪され、学園卒業後にロリコン親父と結婚させられてしまう! 「私」はロリコン回避の為にヒロインや婚約者、乙女ゲームの他の攻略対象と関わらないようにするが、なぜかうまく行かない。 しかもこの乙女ゲームは、未知の第3部まであり、先が読めない事ばかり。 意地悪で傲慢な悪役令嬢から、お人よしで要領の悪い公爵令嬢になったアリアナは、頭脳だけを武器にロリコンから逃げる為に奮闘する。 だけど、アリアナの身体の中にはゲームの知識を持つ「私」以外に本物の「アリアナ」が存在するみたい。 さらに自分と同じ世界の前世を持つ、登場人物も現れる。 しかも超がつく鈍感な「私」は周りからのラブに全く気付かない。 そして「私」とその登場人物がゲーム通りの動きをしないせいか、どんどんストーリーが変化していって・・・。 一年以上かかりましたがようやく完結しました。 また番外編を書きたいと思ってます。 カクヨムさんで加筆修正したものを、少しずつアップしています。

乙女ゲームに悪役転生な無自覚チートの異世界譚

水魔沙希
ファンタジー
モブに徹していた少年がなくなり、転生したら乙女ゲームの悪役になっていた。しかも、王族に生まれながらも、1歳の頃に誘拐され、王族に恨みを持つ少年に転生してしまったのだ! そんな運命なんてクソくらえだ!前世ではモブに徹していたんだから、この悪役かなりの高いスペックを持っているから、それを活用して、なんとか生き残って、前世ではできなかった事をやってやるんだ!! 最近よくある乙女ゲームの悪役転生ものの話です。 だんだんチート(無自覚)になっていく主人公の冒険譚です(予定)です。 チートの成長率ってよく分からないです。 初めての投稿で、駄文ですが、どうぞよろしくお願いいたします。 会話文が多いので、本当に状況がうまく伝えられずにすみません!! あ、ちなみにこんな乙女ゲームないよ!!という感想はご遠慮ください。 あと、戦いの部分は得意ではございません。ご了承ください。

処理中です...