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第3章 追憶の詩を聴いてみました
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「まずは地図で棲息区域を調べて・・・・・・」
「 どこにいるのかは【神の眼】でわかります。 アイアンタートルは 湖で、トレントはその少し先の 森の中にいますよ」
ガルヴァスが 言い終わる前に、私は 狙いの魔物がいる場所を 地図で指差しました。
「・・・・・・ ルナマリアがいると、 俺の経験が全く役に立たないな」
「 そんなことないですよ。ガルヴァスさんのこと、 頼りにしてますからね」
「だといいんだが」
ガルヴァスは 冒険者としてそつなく こなしているのに、 どうしてここまで自信がないのでしょうか。
きっと、 マチルダのせいですね。 許せません。 罰として、ガルヴァスの 魅力に気付くまで 異性にモテなくしてあげましょう。
ガルヴァスが 自信を持てるように接してあげなければいけませんね。
「ガルヴァスさん、 これからはリーダーとして指示を出してください」
「俺がか? 俺はルナマリアに同行しているだけだぞ」
「いえ、 私はまだまだ未熟者です。 ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」
「 そういうことなら、 俺が臨時のリーダーをしてやる」
「 臨時ですか?」
「 いつかはルナマリアがリーダーをしろよ」
確かに、 エリーゼを追っているのは私のわがままですからね。 いつかは責任をとらなければいけません。
「はい、 わかりました」
「 元気の良い返事だな。・・・・・・では、 早速指示を出していくぞ。まずは それぞれの持ち物の確認だな」
ガルヴァスは、 テキパキと 準備を進めていきます。 フレアリーゼでもやりましたね。 大切なことなのでメモしておきましょう。
「 セクハラですぅ!」
ユメリアは、 なぜか訴えました。ガルヴァスは いやらしい発言など全くしなかったと思うのですが、ユメリアは 何をそんなに騒いでいるのでしょうか。 私には全く分かりませんでした。 思い切って 彼女に聞いてみることにしましょう。
「 セクハラって何ですか?」
「 セクシャルハラスメントの略ですぅ」
「いえ、 そういうことではなくて、 具体的にどういったところが セクハラだというのですか?」
「だって・・・・・・」
ユメリアは、俯き加減に瞳を潤ませています。 一見たいしたことではなくても、人によっては傷つくということがありますからね。 彼女にとっては重要なことがあったのでしょう。
仲間としてやっていくために、これは是非とも確認しなければいけません。
「 何でしたら、ガルヴァスさんは 席を外してもらいます。 同性の私に正直に打ち明けてもらえませんか?」
果たして私の言葉は、ユメリアに届いたのでしょうか。 彼女は迷うように私の方に視線を向けてきます。
「 ルナマリアさん、耳を貸してくださいですぅ」
「はい、 これでいいですか」
私は言われたように耳を傾けました。ユメリアは、ガルヴァスに 聞こえないようにぼそりとつぶやきます。
「 下着を見せるのが恥ずかしいですぅ」
「ほえっ?」
私は思わず間抜けな声を漏らしてしまいました。
いやいや!? どうしてそうなるのですか。 下着を晒す必要はありませんよ。
ユメリア、 素敵な勘違いすぎますよ。 私は苦笑いを浮かべました。
「 見せるのは冒険に必要なものだけですよ」
「 ルナマリアさんは冒険の時は下着を履かないのですぅ!?」
「履くに 決まってるじゃないですか!」
ガルヴァスは、まだ 目と鼻の先にいるのですよ。 絶対に話を聞かれています。 恥ずかしくて顔から火が出そうですよ。
なんとか軌道修正しなければいけませんね。
「 そうではなくて、見せるのは装備品やポーション類なのですよ」
「異性にポーションを見せるなんて、破廉恥すぎるですぅ」
ユメリアは、 何をのたまっているのでしょうか。 ポーションは回復効果や補助効果のある、 薬のような飲み物ですよね。 別に恥ずかしいところは何もありませんよ。
「 ポーションは冒険の必需品のはずですよね?」
私は 無限の魔力があるから、ガルヴァスにそう 教わらなければ、 ポーションの必要性は全く わからなかったのですけどね。 冒険者なら普通持っているものです。
ユメリアは、 壮大な勘違いをしているのではないでしょうか。
「はいですぅ。でも、 私のポーションは女の子専用ですから、 女の子の日の物を 男性に見られるくらい恥ずかしいですぅ!」
えっ!? 女の子専用のポーションなんてあるのですか。 私は今まで持っていなかったからその辺の基準がわからないので、ガルヴァスの方を 見つめてみました。
「ガルヴァスさん、 本当にそんなポーションが存在するのですか?」
「いや、 俺は聞いたことないぞ」
「つまり、ユメリアの 妄言ですか」
「 違いますぅ。 私の作ったポーションだから、他人に 知られていないだけですぅ」
オリジナルのものなら発表しない限り、 本人しか知らないものです。
だからといって、わざわざ 女の子専用にする必要があったのでしょうか。
「 女の子が求める甘さを追求した究極のポーションですぅ」
「 それは味の分からない男の人に渡すわけにはいきませんね!」
私はユメリアとガッチリと握手を交わしました。
究極の甘さを追い求めるのは女の子の性です。
しかし、ユメリアが 恥ずかしがっている理由は 未だに分かりません。
「 女の子がポーションを飲んでいるだけで、 男性は興奮してしまえる生き物なのですぅ」
そういうものなんですか。 私が小首を 傾げると、ガルヴァスは 俺に聞くなオーラを発しました。
ユメリアの 理論だと、 男の人の前でポーションを飲むことも恥ずかしいことだと思うのですが、 その辺はどうなっているのでしょうか。
「 馬鹿なことを言ってないで、さっさと行くぞ」
ガルヴァスに 叱られてしまいました。
遊び半分のガールズトークとしか思えないような会話でしたからね。
これ以上彼に怒られないように、身支度を手早く済ませましょう。
ユメリアは もたもたしすぎていたから、ガルヴァスから 大目玉を食らっていました。
・・・・・・ 今頃はとっくに冒険に出かけていたはずですけどね。ユメリアがいると なんだか調子が狂ってしまいます。
ーーーーーー
今日は魔物との戦闘シーンにまで進めませんでした。 待ってた人がいたならごめんなさい。
「 どこにいるのかは【神の眼】でわかります。 アイアンタートルは 湖で、トレントはその少し先の 森の中にいますよ」
ガルヴァスが 言い終わる前に、私は 狙いの魔物がいる場所を 地図で指差しました。
「・・・・・・ ルナマリアがいると、 俺の経験が全く役に立たないな」
「 そんなことないですよ。ガルヴァスさんのこと、 頼りにしてますからね」
「だといいんだが」
ガルヴァスは 冒険者としてそつなく こなしているのに、 どうしてここまで自信がないのでしょうか。
きっと、 マチルダのせいですね。 許せません。 罰として、ガルヴァスの 魅力に気付くまで 異性にモテなくしてあげましょう。
ガルヴァスが 自信を持てるように接してあげなければいけませんね。
「ガルヴァスさん、 これからはリーダーとして指示を出してください」
「俺がか? 俺はルナマリアに同行しているだけだぞ」
「いえ、 私はまだまだ未熟者です。 ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」
「 そういうことなら、 俺が臨時のリーダーをしてやる」
「 臨時ですか?」
「 いつかはルナマリアがリーダーをしろよ」
確かに、 エリーゼを追っているのは私のわがままですからね。 いつかは責任をとらなければいけません。
「はい、 わかりました」
「 元気の良い返事だな。・・・・・・では、 早速指示を出していくぞ。まずは それぞれの持ち物の確認だな」
ガルヴァスは、 テキパキと 準備を進めていきます。 フレアリーゼでもやりましたね。 大切なことなのでメモしておきましょう。
「 セクハラですぅ!」
ユメリアは、 なぜか訴えました。ガルヴァスは いやらしい発言など全くしなかったと思うのですが、ユメリアは 何をそんなに騒いでいるのでしょうか。 私には全く分かりませんでした。 思い切って 彼女に聞いてみることにしましょう。
「 セクハラって何ですか?」
「 セクシャルハラスメントの略ですぅ」
「いえ、 そういうことではなくて、 具体的にどういったところが セクハラだというのですか?」
「だって・・・・・・」
ユメリアは、俯き加減に瞳を潤ませています。 一見たいしたことではなくても、人によっては傷つくということがありますからね。 彼女にとっては重要なことがあったのでしょう。
仲間としてやっていくために、これは是非とも確認しなければいけません。
「 何でしたら、ガルヴァスさんは 席を外してもらいます。 同性の私に正直に打ち明けてもらえませんか?」
果たして私の言葉は、ユメリアに届いたのでしょうか。 彼女は迷うように私の方に視線を向けてきます。
「 ルナマリアさん、耳を貸してくださいですぅ」
「はい、 これでいいですか」
私は言われたように耳を傾けました。ユメリアは、ガルヴァスに 聞こえないようにぼそりとつぶやきます。
「 下着を見せるのが恥ずかしいですぅ」
「ほえっ?」
私は思わず間抜けな声を漏らしてしまいました。
いやいや!? どうしてそうなるのですか。 下着を晒す必要はありませんよ。
ユメリア、 素敵な勘違いすぎますよ。 私は苦笑いを浮かべました。
「 見せるのは冒険に必要なものだけですよ」
「 ルナマリアさんは冒険の時は下着を履かないのですぅ!?」
「履くに 決まってるじゃないですか!」
ガルヴァスは、まだ 目と鼻の先にいるのですよ。 絶対に話を聞かれています。 恥ずかしくて顔から火が出そうですよ。
なんとか軌道修正しなければいけませんね。
「 そうではなくて、見せるのは装備品やポーション類なのですよ」
「異性にポーションを見せるなんて、破廉恥すぎるですぅ」
ユメリアは、 何をのたまっているのでしょうか。 ポーションは回復効果や補助効果のある、 薬のような飲み物ですよね。 別に恥ずかしいところは何もありませんよ。
「 ポーションは冒険の必需品のはずですよね?」
私は 無限の魔力があるから、ガルヴァスにそう 教わらなければ、 ポーションの必要性は全く わからなかったのですけどね。 冒険者なら普通持っているものです。
ユメリアは、 壮大な勘違いをしているのではないでしょうか。
「はいですぅ。でも、 私のポーションは女の子専用ですから、 女の子の日の物を 男性に見られるくらい恥ずかしいですぅ!」
えっ!? 女の子専用のポーションなんてあるのですか。 私は今まで持っていなかったからその辺の基準がわからないので、ガルヴァスの方を 見つめてみました。
「ガルヴァスさん、 本当にそんなポーションが存在するのですか?」
「いや、 俺は聞いたことないぞ」
「つまり、ユメリアの 妄言ですか」
「 違いますぅ。 私の作ったポーションだから、他人に 知られていないだけですぅ」
オリジナルのものなら発表しない限り、 本人しか知らないものです。
だからといって、わざわざ 女の子専用にする必要があったのでしょうか。
「 女の子が求める甘さを追求した究極のポーションですぅ」
「 それは味の分からない男の人に渡すわけにはいきませんね!」
私はユメリアとガッチリと握手を交わしました。
究極の甘さを追い求めるのは女の子の性です。
しかし、ユメリアが 恥ずかしがっている理由は 未だに分かりません。
「 女の子がポーションを飲んでいるだけで、 男性は興奮してしまえる生き物なのですぅ」
そういうものなんですか。 私が小首を 傾げると、ガルヴァスは 俺に聞くなオーラを発しました。
ユメリアの 理論だと、 男の人の前でポーションを飲むことも恥ずかしいことだと思うのですが、 その辺はどうなっているのでしょうか。
「 馬鹿なことを言ってないで、さっさと行くぞ」
ガルヴァスに 叱られてしまいました。
遊び半分のガールズトークとしか思えないような会話でしたからね。
これ以上彼に怒られないように、身支度を手早く済ませましょう。
ユメリアは もたもたしすぎていたから、ガルヴァスから 大目玉を食らっていました。
・・・・・・ 今頃はとっくに冒険に出かけていたはずですけどね。ユメリアがいると なんだか調子が狂ってしまいます。
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今日は魔物との戦闘シーンにまで進めませんでした。 待ってた人がいたならごめんなさい。
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