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第6 ばってん
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なんだかんだありつつも通行証は無事に発行されることになりました。
......泣いてもいいですか。
瞬間。
光に包まれ。
いずみちゃんとりょうちゃんが笑ってくれました。
「 魔法少女あほまほだね」
「 ロリータっぽい衣装だな」
「 猫耳がでこちゃんらしいね」
「 語尾が『にゃ』だからな」
「 なんで知っとっとにゃ!?
......にゃぅぅっ」
大爆笑。
恥ずかしすぎますよ。
まさかにゃーまで知られとったとにゃ。
にゃっ!?
モノローグまで!?
...... こほん。
私は今、東京にいます。
福岡の片田舎ではありません。
お年寄りに人気があって、すっかりと方言が移ってしまいました。
福岡の友達と比べても方言丸出しです。
親の世代でも使わない『にゃ』を付けるのは私くらいだったのですにゃ。
福岡にいた頃でも隠していたほどです。
それを知られていたなんて......。
油断しすぎでしょう!私!!
私が頭を抱えていると、いずみちゃんが手鏡を差し出してきました。
「 とりあえず今の自分の姿を見てみるといいよ」
「 今の姿......?
って。
どげんなっとっとにゃ!?」
ピンク色のフリフリのドレスのような衣装に変化しています。
制服はどこに消えてしまったのでしょうか。
心なしか髪の毛も 二割増しで伸びているような気がします。
頭にはピンク色のとんがり帽子が乗っています。
拳ほどの大きさでかぶれそうにありません。
なのに、なぜか固定されています。
なぜかはさっぱりわかりません。
魔法の力なのでしょうね。
そのとんがり帽子が2つ。
猫耳のようなデザインです。
なるほど。
それで私らしいということですか。
語尾の話になるのも納得......。
できるわけなかやろ!
これではただのコスプレじゃないですか。
いや、普通の戦士や魔法使いの格好もコスプレと言えなくもないのですが、異世界では当たり前の格好です。
でも、魔法少女はあり得ません!
異世界でも......。
異世界だからこそ、異質 と言える格好なのです。
「 かわいいからいいじゃない」
いずみちゃんはフォローしてくれます。
けど、余計に傷つきますよ。
だって、
りょうちゃんはからかいの目付きをしていました。
「 ああ、 でこちゃんにピッタリ似合ってるな」
にやにや。
「 どうせ私は子供っぽいですよ!」
むうっ。
私が幼児体型だから魔法少女の格好が似合ってしまうんですよね 。
いえ、私は成長期なんです。
いずみちゃんは百五十六センチで、 私は百五十四センチ。
りょうちゃんは A カップで、私は AAカップ。
あまり変わらないじゃないですか。
......なんて。
思えるわけなかやろ!
いずみちゃんは C カップですよ!
りょうちゃんは百六十五センチの モデル体型。
毎日。
圧倒的な戦力の差を見せつけられています。
泣けてきますよ。
しくしく。
いずみちゃんとりょうちゃんは、変身シーンの話題で盛り上がっていました。
「 変身の時の決め台詞は何て言うのかな」
「 まだ決めてないならあたしたちが決めてやるからな」
「『あほまほ』に なあれ」
「『 私のおでこが光っている限り、どんな悪も許さない!魔法少女あほまほここに見参にゃ』 猫のポーズ」
「『 でこでこでこりん、でこでこでこりん☆』」
「 しかも、おでこに両手を押し当てるわけだな」
「 それいいね」
「ああ、 いいだろ」
「 よくなかやろ!」
このまま続けさせると本当に採用されそうなので、私は二人の暴走を止めます。すると。
ぷりんちゃんが正解を教えてくれました。
「 でこちゃんが変身する時は、『 どげんかせんといけんにゃ』と 言うのじゃ」
「えっ......?」
「 聞こえんかったかの。
『どげんかせんといけんにゃ』がでこちゃんが変身するときの決め台詞じゃよ」
「えぇーっ!!?」
その台詞こそ、どげんかせんといけんにゃ!?
まともな決め台詞じゃないですよ!
それは絶対、みんなの笑いものじゃないですか!
「 予想以上のインパクトだね」
「ああ、 最高の面白さだなw」
友達からも爆笑されているくらいですからね。しくしく。
きゅーと君は、 こうならないように罪まで犯したというのに。
私はすっかりピエロです。
こんなことできゅーと君を助けられるとは思えません。
「 まさかだましたわけじゃありませんよね!?学園長!!」
ぎろり。
私が睨みつけても、ぷりんちゃんは 涼しい顔をしていました。
「 いつものように、ぷりんちゃんと 呼んで欲しいのじゃ。
もちろん、友達の期待には応えようぞ」
「 じゃあ、きゅーと君に合わせてよ。ぷりんちゃん」
「 よろしい、あわせてあげようぞ。
ただし、でこちゃんが知っている姿ではないがの」
「えっ?」
ぷりんちゃんが 指をパチンと鳴らします。
すると。
一匹の白猫が現れました。
えっ。
えっ?
きゅーと君の ペットでしょうか。
でも。
ぷりんちゃんは 本人に合わせてくれると約束してくれました。
えーっと......。
つまり。
白猫がきゅーと君ということでしょうか常識ではありえません。
ぷりんちゃんは 剣と魔法の世界の出身者です。
人間を猫に変身させるぐらい朝飯前なのでしょう。
わざわざそうする理由がわからないのですが、やってやれないことはないのでしょう。
私は白猫に声をかけました。
「 あなたはきゅーと君 ですか?」
「 そうだよ」
間違いありません。きゅーと君です。
私は嬉しさのあまり、きゅーと君に抱きつきました。
「きゅーと君!」
「 苦しい!それにみんなに見られてるよ」
「にゃあ!?」
「よかったね」
「 よかったな」
にやにや。
いずみちゃんとりょうちゃんがからかうように祝福してくれます。
赤面。
「 その目、やめてくださいよ!」
「 方言が出ないなんて意外と余裕だね」
「 つまり、本気でいじっていってことだな?」
きらーん!
りょうちゃんの瞳が怪しげに光ました。
「 これ以上はいじめですよ!?」
そう伝えても、りょうちゃんが止まるはずがありません。
いずみちゃんとぷりんちゃんも、フォローしてくれる所が一緒になって楽しんでいました。
きゅーと君は......。
ガールズトーク特有の雰囲気の前では無力のようです。
あっ。
きゅーと君も、 からかいの対象になっていますね。
でも、元はといえば......。
いえ、私の力のなさのせいです。
ごめんなさい。
2人仲良くピエロですね。
はははのは。
はあっ。
きゅーと君を 助けることはできるのでしょうか?
......泣いてもいいですか。
瞬間。
光に包まれ。
いずみちゃんとりょうちゃんが笑ってくれました。
「 魔法少女あほまほだね」
「 ロリータっぽい衣装だな」
「 猫耳がでこちゃんらしいね」
「 語尾が『にゃ』だからな」
「 なんで知っとっとにゃ!?
......にゃぅぅっ」
大爆笑。
恥ずかしすぎますよ。
まさかにゃーまで知られとったとにゃ。
にゃっ!?
モノローグまで!?
...... こほん。
私は今、東京にいます。
福岡の片田舎ではありません。
お年寄りに人気があって、すっかりと方言が移ってしまいました。
福岡の友達と比べても方言丸出しです。
親の世代でも使わない『にゃ』を付けるのは私くらいだったのですにゃ。
福岡にいた頃でも隠していたほどです。
それを知られていたなんて......。
油断しすぎでしょう!私!!
私が頭を抱えていると、いずみちゃんが手鏡を差し出してきました。
「 とりあえず今の自分の姿を見てみるといいよ」
「 今の姿......?
って。
どげんなっとっとにゃ!?」
ピンク色のフリフリのドレスのような衣装に変化しています。
制服はどこに消えてしまったのでしょうか。
心なしか髪の毛も 二割増しで伸びているような気がします。
頭にはピンク色のとんがり帽子が乗っています。
拳ほどの大きさでかぶれそうにありません。
なのに、なぜか固定されています。
なぜかはさっぱりわかりません。
魔法の力なのでしょうね。
そのとんがり帽子が2つ。
猫耳のようなデザインです。
なるほど。
それで私らしいということですか。
語尾の話になるのも納得......。
できるわけなかやろ!
これではただのコスプレじゃないですか。
いや、普通の戦士や魔法使いの格好もコスプレと言えなくもないのですが、異世界では当たり前の格好です。
でも、魔法少女はあり得ません!
異世界でも......。
異世界だからこそ、異質 と言える格好なのです。
「 かわいいからいいじゃない」
いずみちゃんはフォローしてくれます。
けど、余計に傷つきますよ。
だって、
りょうちゃんはからかいの目付きをしていました。
「 ああ、 でこちゃんにピッタリ似合ってるな」
にやにや。
「 どうせ私は子供っぽいですよ!」
むうっ。
私が幼児体型だから魔法少女の格好が似合ってしまうんですよね 。
いえ、私は成長期なんです。
いずみちゃんは百五十六センチで、 私は百五十四センチ。
りょうちゃんは A カップで、私は AAカップ。
あまり変わらないじゃないですか。
......なんて。
思えるわけなかやろ!
いずみちゃんは C カップですよ!
りょうちゃんは百六十五センチの モデル体型。
毎日。
圧倒的な戦力の差を見せつけられています。
泣けてきますよ。
しくしく。
いずみちゃんとりょうちゃんは、変身シーンの話題で盛り上がっていました。
「 変身の時の決め台詞は何て言うのかな」
「 まだ決めてないならあたしたちが決めてやるからな」
「『あほまほ』に なあれ」
「『 私のおでこが光っている限り、どんな悪も許さない!魔法少女あほまほここに見参にゃ』 猫のポーズ」
「『 でこでこでこりん、でこでこでこりん☆』」
「 しかも、おでこに両手を押し当てるわけだな」
「 それいいね」
「ああ、 いいだろ」
「 よくなかやろ!」
このまま続けさせると本当に採用されそうなので、私は二人の暴走を止めます。すると。
ぷりんちゃんが正解を教えてくれました。
「 でこちゃんが変身する時は、『 どげんかせんといけんにゃ』と 言うのじゃ」
「えっ......?」
「 聞こえんかったかの。
『どげんかせんといけんにゃ』がでこちゃんが変身するときの決め台詞じゃよ」
「えぇーっ!!?」
その台詞こそ、どげんかせんといけんにゃ!?
まともな決め台詞じゃないですよ!
それは絶対、みんなの笑いものじゃないですか!
「 予想以上のインパクトだね」
「ああ、 最高の面白さだなw」
友達からも爆笑されているくらいですからね。しくしく。
きゅーと君は、 こうならないように罪まで犯したというのに。
私はすっかりピエロです。
こんなことできゅーと君を助けられるとは思えません。
「 まさかだましたわけじゃありませんよね!?学園長!!」
ぎろり。
私が睨みつけても、ぷりんちゃんは 涼しい顔をしていました。
「 いつものように、ぷりんちゃんと 呼んで欲しいのじゃ。
もちろん、友達の期待には応えようぞ」
「 じゃあ、きゅーと君に合わせてよ。ぷりんちゃん」
「 よろしい、あわせてあげようぞ。
ただし、でこちゃんが知っている姿ではないがの」
「えっ?」
ぷりんちゃんが 指をパチンと鳴らします。
すると。
一匹の白猫が現れました。
えっ。
えっ?
きゅーと君の ペットでしょうか。
でも。
ぷりんちゃんは 本人に合わせてくれると約束してくれました。
えーっと......。
つまり。
白猫がきゅーと君ということでしょうか常識ではありえません。
ぷりんちゃんは 剣と魔法の世界の出身者です。
人間を猫に変身させるぐらい朝飯前なのでしょう。
わざわざそうする理由がわからないのですが、やってやれないことはないのでしょう。
私は白猫に声をかけました。
「 あなたはきゅーと君 ですか?」
「 そうだよ」
間違いありません。きゅーと君です。
私は嬉しさのあまり、きゅーと君に抱きつきました。
「きゅーと君!」
「 苦しい!それにみんなに見られてるよ」
「にゃあ!?」
「よかったね」
「 よかったな」
にやにや。
いずみちゃんとりょうちゃんがからかうように祝福してくれます。
赤面。
「 その目、やめてくださいよ!」
「 方言が出ないなんて意外と余裕だね」
「 つまり、本気でいじっていってことだな?」
きらーん!
りょうちゃんの瞳が怪しげに光ました。
「 これ以上はいじめですよ!?」
そう伝えても、りょうちゃんが止まるはずがありません。
いずみちゃんとぷりんちゃんも、フォローしてくれる所が一緒になって楽しんでいました。
きゅーと君は......。
ガールズトーク特有の雰囲気の前では無力のようです。
あっ。
きゅーと君も、 からかいの対象になっていますね。
でも、元はといえば......。
いえ、私の力のなさのせいです。
ごめんなさい。
2人仲良くピエロですね。
はははのは。
はあっ。
きゅーと君を 助けることはできるのでしょうか?
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