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冠位大楯 アルムハーン
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「ゲームオーバー……ね?」
ポタリ……と垂れたのは汗ではなく赤色の鮮血。
「ぐっ……ごふっ」
そしてそれに続くように口からは大量の赤いものが零れ落ちる。
「どう? 確かにあなたは理想かもしれない……だけど、理想じゃ世界は救えないし、どうしようもないことだっ
てあるのよ……あんただってあの召喚師の子供を守りたいんでしょ? だったら私と手を組みなさい。そうすれば
面倒は何もないのよ」
呆れたようにため息を漏らしながらミコトはそういうが。
「いいや、断る」
ナイト=サンは頑なにミコトの提案を拒む。
「負けてもまだ分からないの? それとも死にたいのかしら?」
呆れたようなミコトの問いに、ナイト=サンは口元を緩める。
「確かに俺は死ぬことなど怖くはない……なぜなら俺は生まれた時からこの世界の全ての理想だからな」
「理想の騎士は死を恐れない?」
「いいや違う。この世界に、俺に恐怖を感じさせるほどの者は存在しないからだ」
「強がりを……」
片手をあげ、ミコトはナイト=サンにとどめを刺そうと身構えるが。
その瞬間、ミコトの背後に強大な魔力があふれ出す。
「来たか」
それは、蜻蛉切とアッガスが戦っている場所……。
そして同時に、ミコトに蜻蛉切が敗北したことが伝わる。
「そんな……蜻蛉切が……どうして」
「簡単なことだ。もともとキングフェンリルは数万人以上のプレイヤーで討伐するように作られたモンスター。そ
れをたった数百人で討伐したんだ。もともと転生者に近い力を持っていたアッガスが、蜻蛉切に対抗しうるレベル
まで達するのも不思議じゃない」
「まさか、あんたキングフェンリルをけしかけたのは!?」
「当然、このアルムハーンの人々のレベルを上げるためだ。もはやこのアルムハーン、並みの転生者には落とせま
い」
「私でさえも、利用したっていうの……」
「答えを示せと言ったのはお前の方だ。本来はもっと地道にやるつもりだったが手間が省けた」
「何もかもあんたの手のひらの上ってわけね……気に入らないわ、そのすかした顔も! みんなを危険にさらして
平然としていられる根性もね!!」
振り下ろし、風の刃により首を撥ねようとするミコト。
しかし。
「無駄だ。マスターはこの盾を思い出した」
瞬間、ナイト=サンは剣を捨て、盾を構える。
「なっ!」
大楯により風の刃はかき消され、大楯は元の輝きを思い出したかのように光を放つ。
「一つ、お前が知らないことを教えてやろう」
「えっ?」
「世界大会優勝後、ワールドチャンピオン夜の太陽はアウグスティヌスを去った。与えられた優勝賞品を一度も使
用することなくな」
「っ!? まさか、それは!」
白く輝く白銀の大楯……公式記録に残りこそすれど、決してゲームの歴史の表舞台に立つことのなかったその
盾。
しかし、この世界にやってきた初代勇者が間違いなく使用し……この世界を救った伝説の盾を、ナイト=サンは
間違いなく受け継いでいる。
現実世界の誰もが知らなくても、この世界の人間ならば誰もが知っているその盾は、古の邪竜の爪を受けても傷
一つ残らず、魔王の一撃すらも容易に跳ね飛ばす。
「冠位大楯……アルムハーン!」
紛れもなく、この世界の伝説から生まれた理想は太陽よりも大きく光り輝き、ナイト=サンの状態異常を難なく消し去る。
「な……なによその力! ありえないわ! 状態異常の回復は行えないはずなのに!」
「ああ、回復はしていないさ。回復の代わりに封印をしただけだ」
「封印? そんな特殊効果、聞いたことも……」
「ああ、この冠位大楯アルムハーンにのみ許された特殊効果だ。この大楯は封印の名の通り一日に一度好きなもの
を封印することができる。たとえそれが世界のシステムだろうがな」
「封印ってまさか」
「そのまさかだ、俺にかかった【スリップダメージ】を封印させてもらった……封印の時間は最大で千年。この大
楯の持ち主が解除をするまで、封印は解けない」
状態異常を封印するのではなく、スリップダメージという概念そのものを封印したナイト=サン。
この力により、先代勇者は倒すことのできないイワンコフや、魔王を封印してのけたその力は紛れもなく本物で
あり、ミコトは苦虫をかみつぶすような表情をこぼす。
「私たちの世界の理想だけじゃなく、あなたはこの世界の理想すらも取り込んだ存在だったというの? だけど、
あくまで【多相の戦士】がまねできるのは……姿と能力だけのはずなのに……まさか」
ミコトは思い出す。
取るに足らないと思っていた、ナイト=サンがマスターと呼ぶ少女。
「あの子の力……」
スキルの名は【嘘は真に】サクヤの思い描くものに形を与えるユニークスキル。
そのスキルによって、ナイト=サンはミコトたちの世界にて語り継がれたナイトさんとそしてこの世界に語り継がれた先代勇者、夜の太陽の双方の伝説が混ぜ合わされた存在となった。
「今度はこちらから行かせてもらおう」
驚愕により呆けるミコトに対し ナイト=サンは冠位剣グランドを引き抜くと、転移の魔法かと勘違いをするほどの速力でミコトへと踏み込む。
「あっ!」
杖を構え、防御魔法陣を全出力で展開するも……それは焼け石に水だ。
「そして冠位剣グランドの効果は知っての通り、およそほかの剣とは比べ物にならないほどの圧倒的攻撃力」
「っくぅ! まだよ! まだ終わっちゃいない!」
一閃と同時に破壊される魔法障壁。
しかし破壊された魔法障壁はかろうじてミコトの身を守り、その隙を狙いミコトはありったけの魔力を注ぎ込み
ナイトさんへと叩き込む。
「そして……これがナイトの必殺技だ」
放たれた至近距離での【核撃】それにナイトさんは真っ向から突進をする。
「……あっ」
ミコトは思い出す……自分を救った世界大会決勝戦。
放たれた魔法に対し、ナイトさんが提唱した必殺技。
【ターゲッティング‼︎】
敵の攻撃を自らに集中させる騎士のスキル・ターゲット集中。
このスキルは盾を装備した騎士にしか発動が出来ない盾のスキルであり。
効果はプレイヤーではなくスキルを発動した盾へと集中させる技。
つまり、オートで敵を狙い発動する魔法や遠距離攻撃は。
盾を放り投げるとそちらに攻撃が飛ぶと言うシステム上の穴が存在した……。
結果、そんなあほみたいな戦術によって初代ワールドチャンピオンは誕生をした。
その必殺技の名前は、掲示板の書き込みからこう呼ばれる。
「……有頂天」
なお、名前の由来はサービス終了まで明言されることはなかった。
【核撃】は上空高く放り投げられた盾を貫き消滅する。
「勝負ありだ」
ナイト=サンは眼前に刃を突きつけ短く呟き、ミコトはその場に崩れ落ち頭を垂れる。
「そうね……殺しなさい」
その瞳に光はなく、絶望のまま死を願う。
だがナイト=サンはそんな彼女の前で剣を納めた。
「命まで取る必要はないだろう」
「もうそれしかないのよ!」
「!」
あふれだすような叫びが、ナイト=サンにたたきつけられる。
「私にはそれしか残されてない。結局変われなかった……みじめで意気地なしでクズの私は、転生をしたって誰も
救えない。頑張ったのよ? 私今までで一番頑張ったの……守りたかったのに、全部全部無駄だった」
自分の腕をかきむしるミコト。
痛みに耐えるように、涙を流す。
救えなかった人たちに謝罪をするように。
だが。
「確かにお前は転生者の狂刃から、守りたい人たちを守れなかったかもしれない……だけど、少なくとも最後の時までお前は人々の希望だった。お前のやさしさ……ありがとうという感謝の気持ちは、紛れもない本物だったはず
だ。もし償いが必要なのだとしたら、仇を打った時点で償いは終了している」
「まだよ、まだ終わってない」
「もう十分苦しんだだろう? ならばもういい加減、自分を許してやれ……誰かのためじゃない、そろそろ自分の
物語を綴ってもいいころじゃないか?」
「上から目線で知ったような口を聞かないで」
「あぁ……何もわからない。だけど今のお前は放っておけない」
「なんでよ……」
「お前が助けを求めたからだ……全身傷だらけじゃないか」
傷一つない白い肌。
だけど、心の傷はいつまでもついて回る。
傷つき、ぼろぼろになった体のまま、ないはずの痛みに耐えながら……ずっと彼女は誰かを守ろうとしていた。
自分が痛くて痛くて泣きそうなのに。
それでも誰かを救おうとあがき……救ったものを自慢することなく。
失った数だけ涙を流す。
自分のせいじゃないのに、自分のせいだと決めつけてずっと自分を痛めつけてきた。
理解をしていても……失ったものを忘れないように。
こんな思いはもうしたくないと、助けを求めながら。
「痛いよ……痛いわよ……痛くないわけないじゃない」
うつむきながらミコトは呟く、それは間違いなく彼女が投げかけてほしかった言葉。
その言葉は彼女が願ったものなのか、それとも彼女を思う人たちの願いであったのか。
それはわからないが、彼女はその言葉に再び救われたのは確かであった。
治すことは出来ない痛み。きっと彼女はこの痛みを背負い続ける。
だけどその時だけわずかだが……彼女の痛みは和らいだのであった。
◇
ポタリ……と垂れたのは汗ではなく赤色の鮮血。
「ぐっ……ごふっ」
そしてそれに続くように口からは大量の赤いものが零れ落ちる。
「どう? 確かにあなたは理想かもしれない……だけど、理想じゃ世界は救えないし、どうしようもないことだっ
てあるのよ……あんただってあの召喚師の子供を守りたいんでしょ? だったら私と手を組みなさい。そうすれば
面倒は何もないのよ」
呆れたようにため息を漏らしながらミコトはそういうが。
「いいや、断る」
ナイト=サンは頑なにミコトの提案を拒む。
「負けてもまだ分からないの? それとも死にたいのかしら?」
呆れたようなミコトの問いに、ナイト=サンは口元を緩める。
「確かに俺は死ぬことなど怖くはない……なぜなら俺は生まれた時からこの世界の全ての理想だからな」
「理想の騎士は死を恐れない?」
「いいや違う。この世界に、俺に恐怖を感じさせるほどの者は存在しないからだ」
「強がりを……」
片手をあげ、ミコトはナイト=サンにとどめを刺そうと身構えるが。
その瞬間、ミコトの背後に強大な魔力があふれ出す。
「来たか」
それは、蜻蛉切とアッガスが戦っている場所……。
そして同時に、ミコトに蜻蛉切が敗北したことが伝わる。
「そんな……蜻蛉切が……どうして」
「簡単なことだ。もともとキングフェンリルは数万人以上のプレイヤーで討伐するように作られたモンスター。そ
れをたった数百人で討伐したんだ。もともと転生者に近い力を持っていたアッガスが、蜻蛉切に対抗しうるレベル
まで達するのも不思議じゃない」
「まさか、あんたキングフェンリルをけしかけたのは!?」
「当然、このアルムハーンの人々のレベルを上げるためだ。もはやこのアルムハーン、並みの転生者には落とせま
い」
「私でさえも、利用したっていうの……」
「答えを示せと言ったのはお前の方だ。本来はもっと地道にやるつもりだったが手間が省けた」
「何もかもあんたの手のひらの上ってわけね……気に入らないわ、そのすかした顔も! みんなを危険にさらして
平然としていられる根性もね!!」
振り下ろし、風の刃により首を撥ねようとするミコト。
しかし。
「無駄だ。マスターはこの盾を思い出した」
瞬間、ナイト=サンは剣を捨て、盾を構える。
「なっ!」
大楯により風の刃はかき消され、大楯は元の輝きを思い出したかのように光を放つ。
「一つ、お前が知らないことを教えてやろう」
「えっ?」
「世界大会優勝後、ワールドチャンピオン夜の太陽はアウグスティヌスを去った。与えられた優勝賞品を一度も使
用することなくな」
「っ!? まさか、それは!」
白く輝く白銀の大楯……公式記録に残りこそすれど、決してゲームの歴史の表舞台に立つことのなかったその
盾。
しかし、この世界にやってきた初代勇者が間違いなく使用し……この世界を救った伝説の盾を、ナイト=サンは
間違いなく受け継いでいる。
現実世界の誰もが知らなくても、この世界の人間ならば誰もが知っているその盾は、古の邪竜の爪を受けても傷
一つ残らず、魔王の一撃すらも容易に跳ね飛ばす。
「冠位大楯……アルムハーン!」
紛れもなく、この世界の伝説から生まれた理想は太陽よりも大きく光り輝き、ナイト=サンの状態異常を難なく消し去る。
「な……なによその力! ありえないわ! 状態異常の回復は行えないはずなのに!」
「ああ、回復はしていないさ。回復の代わりに封印をしただけだ」
「封印? そんな特殊効果、聞いたことも……」
「ああ、この冠位大楯アルムハーンにのみ許された特殊効果だ。この大楯は封印の名の通り一日に一度好きなもの
を封印することができる。たとえそれが世界のシステムだろうがな」
「封印ってまさか」
「そのまさかだ、俺にかかった【スリップダメージ】を封印させてもらった……封印の時間は最大で千年。この大
楯の持ち主が解除をするまで、封印は解けない」
状態異常を封印するのではなく、スリップダメージという概念そのものを封印したナイト=サン。
この力により、先代勇者は倒すことのできないイワンコフや、魔王を封印してのけたその力は紛れもなく本物で
あり、ミコトは苦虫をかみつぶすような表情をこぼす。
「私たちの世界の理想だけじゃなく、あなたはこの世界の理想すらも取り込んだ存在だったというの? だけど、
あくまで【多相の戦士】がまねできるのは……姿と能力だけのはずなのに……まさか」
ミコトは思い出す。
取るに足らないと思っていた、ナイト=サンがマスターと呼ぶ少女。
「あの子の力……」
スキルの名は【嘘は真に】サクヤの思い描くものに形を与えるユニークスキル。
そのスキルによって、ナイト=サンはミコトたちの世界にて語り継がれたナイトさんとそしてこの世界に語り継がれた先代勇者、夜の太陽の双方の伝説が混ぜ合わされた存在となった。
「今度はこちらから行かせてもらおう」
驚愕により呆けるミコトに対し ナイト=サンは冠位剣グランドを引き抜くと、転移の魔法かと勘違いをするほどの速力でミコトへと踏み込む。
「あっ!」
杖を構え、防御魔法陣を全出力で展開するも……それは焼け石に水だ。
「そして冠位剣グランドの効果は知っての通り、およそほかの剣とは比べ物にならないほどの圧倒的攻撃力」
「っくぅ! まだよ! まだ終わっちゃいない!」
一閃と同時に破壊される魔法障壁。
しかし破壊された魔法障壁はかろうじてミコトの身を守り、その隙を狙いミコトはありったけの魔力を注ぎ込み
ナイトさんへと叩き込む。
「そして……これがナイトの必殺技だ」
放たれた至近距離での【核撃】それにナイトさんは真っ向から突進をする。
「……あっ」
ミコトは思い出す……自分を救った世界大会決勝戦。
放たれた魔法に対し、ナイトさんが提唱した必殺技。
【ターゲッティング‼︎】
敵の攻撃を自らに集中させる騎士のスキル・ターゲット集中。
このスキルは盾を装備した騎士にしか発動が出来ない盾のスキルであり。
効果はプレイヤーではなくスキルを発動した盾へと集中させる技。
つまり、オートで敵を狙い発動する魔法や遠距離攻撃は。
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その必殺技の名前は、掲示板の書き込みからこう呼ばれる。
「……有頂天」
なお、名前の由来はサービス終了まで明言されることはなかった。
【核撃】は上空高く放り投げられた盾を貫き消滅する。
「勝負ありだ」
ナイト=サンは眼前に刃を突きつけ短く呟き、ミコトはその場に崩れ落ち頭を垂れる。
「そうね……殺しなさい」
その瞳に光はなく、絶望のまま死を願う。
だがナイト=サンはそんな彼女の前で剣を納めた。
「命まで取る必要はないだろう」
「もうそれしかないのよ!」
「!」
あふれだすような叫びが、ナイト=サンにたたきつけられる。
「私にはそれしか残されてない。結局変われなかった……みじめで意気地なしでクズの私は、転生をしたって誰も
救えない。頑張ったのよ? 私今までで一番頑張ったの……守りたかったのに、全部全部無駄だった」
自分の腕をかきむしるミコト。
痛みに耐えるように、涙を流す。
救えなかった人たちに謝罪をするように。
だが。
「確かにお前は転生者の狂刃から、守りたい人たちを守れなかったかもしれない……だけど、少なくとも最後の時までお前は人々の希望だった。お前のやさしさ……ありがとうという感謝の気持ちは、紛れもない本物だったはず
だ。もし償いが必要なのだとしたら、仇を打った時点で償いは終了している」
「まだよ、まだ終わってない」
「もう十分苦しんだだろう? ならばもういい加減、自分を許してやれ……誰かのためじゃない、そろそろ自分の
物語を綴ってもいいころじゃないか?」
「上から目線で知ったような口を聞かないで」
「あぁ……何もわからない。だけど今のお前は放っておけない」
「なんでよ……」
「お前が助けを求めたからだ……全身傷だらけじゃないか」
傷一つない白い肌。
だけど、心の傷はいつまでもついて回る。
傷つき、ぼろぼろになった体のまま、ないはずの痛みに耐えながら……ずっと彼女は誰かを守ろうとしていた。
自分が痛くて痛くて泣きそうなのに。
それでも誰かを救おうとあがき……救ったものを自慢することなく。
失った数だけ涙を流す。
自分のせいじゃないのに、自分のせいだと決めつけてずっと自分を痛めつけてきた。
理解をしていても……失ったものを忘れないように。
こんな思いはもうしたくないと、助けを求めながら。
「痛いよ……痛いわよ……痛くないわけないじゃない」
うつむきながらミコトは呟く、それは間違いなく彼女が投げかけてほしかった言葉。
その言葉は彼女が願ったものなのか、それとも彼女を思う人たちの願いであったのか。
それはわからないが、彼女はその言葉に再び救われたのは確かであった。
治すことは出来ない痛み。きっと彼女はこの痛みを背負い続ける。
だけどその時だけわずかだが……彼女の痛みは和らいだのであった。
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