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関白への道
材木集め
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「恐れながら、三介様との講和を締結してからの殿下は、まさに、電光石火の早業でございますな。紀州をあっという間に平らげてしまわれるとは。」
「戦も政治よ。何度も申しておろう。三介殿と講和を結ぶ前と後では、余の立場が違う。敵方が小競り合いで優位に立とうが、余に歯向かうものは全て朝敵となるのじゃ。この意味は重いぞ。」
「これで、殿下に靡かぬものと言えば、土佐の長曾我部家、薩摩の島津家、関東の北条家、あとは陸奥の諸将といったところですな。釈迦に説法は重々承知の上で申し上げますが、気を付けるべきは、彼らが同盟を結ばないよう仕向けることでございますな。あとは、彼らに上洛を命じ、従わぬ場合に個別に攻め寄せていけばよいというご算段でございましょう。」
「施薬院、おぬしもいっぱしの大将が務まるではないか。そのとおりじゃよ。そのとおりじゃが、やはり戦は下の下の策じゃ。やらぬに越したことはない。もそっといいやり方があるのじゃが分かるか?」
「ということは、朝廷工作でございますな。有体に申せば、さらなる叙任を狙うおつもりですな。さりながら、その手段が分かりませぬ。」
「朝廷工作とは人聞きが悪い。余には、今まで蔑ろにされてきた朝廷の権威を高める義務がある。そこで、仙洞御所の改修を朝議に図ったのじゃ。」
「仙洞御所のご改修!?殿下の策には、驚かされるばかりでございます。つまり殿下は、朝廷を悉く“乗っ取る”おつもりですな?」
「天下静謐も間近に迫っている。そして、天下静謐が果たされた暁には、この日本には“権威”がいる。その“権威”は兵力や金で贖えるものではない。畢竟、それは今上を頂点とする朝廷が担うべきものじゃ。朝議の一翼を担うものとして、捨て置くわけにはいかぬまでじゃ。」
「恐れながら、非の打ちどころがありませぬ。もはや、殿下は、武家の棟梁を超えることを思召されているというわけですな。」
「戦乱の世を終える。それだけじゃよ。ともあれ、仙洞御所の改修には、何はともあれ材木がいる。それを調達せねばならぬ。そこで、材木集めを脇坂甚内(脇坂安治)に命じた。」
「材木集めを脇坂様にでございますか。恐れながら、何故脇坂様にお命じ遊ばされたので?」
「奴は、器用でな。お主も知っておろう、奴が賤ヶ岳の七本槍の一人であったことを。戦に出れば、常に前線で戦う猛者じゃ。ところがじゃ、奴は奉行もそつなくこなすのじゃよ。その気になれば、佐吉(石田三成)の如く、奉行に専念できるくらいじゃ。じゃが、なんせ血気盛んじゃからの。とにかく、戦に出たがる。今までは、それもよい。槍働きで褒賞がもらえるわけじゃからのう。お主に問うことでもないが、敢えて尋ねる。槍働きの猛者は、敵がいなくなったらどうするのであろうな?」
「むむ。そのように問われれば、答えに窮しますな。殿下のご尽力により、殿下の敵になるべきは数えるほどしかありませぬ。…ということは、“狡兎死して走狗煮らる”ということでございますか!?」
「随分恐ろしいことを申すではないか。これまで余に忠誠を誓ってきた者どもは、簡単には切れぬ。かといって、敵がいない以上、槍働きの褒賞は無い。では、どうする?」
「なるほど。故に“政治”が問われるのでございますな。つまり、領主として領国を上手く治められるか。それが出来る方々に殿下は報いられる。」
「さすがじゃの。甚内が器用といったのはそこよ。奴は、領地を実によく治める。一口に材木集めといっても、案外、考えることは多いものじゃ。一本、二本切り出してくるのではない。仙洞御所の改修には、何百という材木が要る。その材木を全て切り出して、山から仙洞御所まで運ばねばならぬ。人の差配はもちろんのこと、仙洞御所に運ぶにあたって、どこの山から切り出すかも重要じゃ。まさか担いでもって行くわけにはいくまいから、上手く水路を使わねばならぬ。考えることは山ほどあるのじゃ。こういったことをやりおおせる者こそ、天下静謐を確かなものとするためには必要なのじゃ。」
「つまり、材木集めの成否に、脇坂様の将来がかかっているというわけでございますな。」
「そのとおりじゃ。先に言ってしまえば、甚内はようやったわ。じゃからこそ、仙洞御所の改修の後、摂津能勢一万石から大和高取二万石に領地替えしてやったのよ。」
「何と!?戦功がなくとも一万石のご加増でございますか!?恐れながら、さぞかし脇坂様はお喜びになられたのではありませぬか?」
「それがじゃ、きょとんとした顔をしておったわ。今でこそ、甚内も余の真意は分かっておるが、あの頃は、愚痴だらけじゃ。挙句の果てには、下知に従わなかったのじゃ。」
「下知に従わぬとは、一体?」
「知っておろう。奴は近江の生まれじゃ。それゆえ、幼少のころから舟に親しんでおった。じゃから、水運を使うのが実に巧みじゃ。それを生かして、そつなく材木集めもこなせるのじゃ。ところがじゃ、奴はなんせ槍働きがしたい。そこで、やつはあろうことか材木集めを“懈怠”するようになるのじゃ。」
「殿下のご命令に背いたのでございますか!?脇坂様は、自ら材木集めは、荷が重いと訴え、何とか戦場でのご活躍を図ったわけでございますか!?」
「大方そうであろう。もちろん、材木集めも生半可なことではできぬから、槍働きと大して違わないのじゃがな。ただ、槍働きと違って、材木を集めたからといって、何も手に入らぬと思い込んでいたのは間違いない。槍働きであれば、功が見えるからのう。じゃから、事あるごとに甚内には言って聞かせたわい。槍働きも結構じゃが、敵が皆、余に臣従したらその方らは、何を頼みに生きていくのじゃ、とな。そこで、漸く甚内も気づいたのじゃ。」
「つまり、今後、殿下がお認め遊ばすのは、戦功ではない。殿下の統治を盤石なものとするために内政に力を入れることである、そう脇坂様もお悟りになられたわけですな。」
「そういうことじゃ。さすがにそれからは、懈怠するようなことはなくなったわ。元来、目端の利く奴じゃからな。なんせ奴の真骨頂は、どんな些細なことでも余への注進を忘れぬことじゃからな。奴は分かっておるのじゃ。余が気にしているのは、事の出来、不出来ではない、ということを。余が最も欲しているのは、断を下すための注進であることを、な。」
「さればこそ、それがお出来になる脇坂様をご信任遊ばしたわけですな。そして、一見地味な材木集めもお任せしたと。」
「そのとおりじゃ。もうじき戦は終わる。諸将に伝えたかったのは何よりこのことじゃ。そして、これを踏まえて己の働きを変えられる者こそ、余の膝下にいるべき者たちなのじゃ。」
「戦も政治よ。何度も申しておろう。三介殿と講和を結ぶ前と後では、余の立場が違う。敵方が小競り合いで優位に立とうが、余に歯向かうものは全て朝敵となるのじゃ。この意味は重いぞ。」
「これで、殿下に靡かぬものと言えば、土佐の長曾我部家、薩摩の島津家、関東の北条家、あとは陸奥の諸将といったところですな。釈迦に説法は重々承知の上で申し上げますが、気を付けるべきは、彼らが同盟を結ばないよう仕向けることでございますな。あとは、彼らに上洛を命じ、従わぬ場合に個別に攻め寄せていけばよいというご算段でございましょう。」
「施薬院、おぬしもいっぱしの大将が務まるではないか。そのとおりじゃよ。そのとおりじゃが、やはり戦は下の下の策じゃ。やらぬに越したことはない。もそっといいやり方があるのじゃが分かるか?」
「ということは、朝廷工作でございますな。有体に申せば、さらなる叙任を狙うおつもりですな。さりながら、その手段が分かりませぬ。」
「朝廷工作とは人聞きが悪い。余には、今まで蔑ろにされてきた朝廷の権威を高める義務がある。そこで、仙洞御所の改修を朝議に図ったのじゃ。」
「仙洞御所のご改修!?殿下の策には、驚かされるばかりでございます。つまり殿下は、朝廷を悉く“乗っ取る”おつもりですな?」
「天下静謐も間近に迫っている。そして、天下静謐が果たされた暁には、この日本には“権威”がいる。その“権威”は兵力や金で贖えるものではない。畢竟、それは今上を頂点とする朝廷が担うべきものじゃ。朝議の一翼を担うものとして、捨て置くわけにはいかぬまでじゃ。」
「恐れながら、非の打ちどころがありませぬ。もはや、殿下は、武家の棟梁を超えることを思召されているというわけですな。」
「戦乱の世を終える。それだけじゃよ。ともあれ、仙洞御所の改修には、何はともあれ材木がいる。それを調達せねばならぬ。そこで、材木集めを脇坂甚内(脇坂安治)に命じた。」
「材木集めを脇坂様にでございますか。恐れながら、何故脇坂様にお命じ遊ばされたので?」
「奴は、器用でな。お主も知っておろう、奴が賤ヶ岳の七本槍の一人であったことを。戦に出れば、常に前線で戦う猛者じゃ。ところがじゃ、奴は奉行もそつなくこなすのじゃよ。その気になれば、佐吉(石田三成)の如く、奉行に専念できるくらいじゃ。じゃが、なんせ血気盛んじゃからの。とにかく、戦に出たがる。今までは、それもよい。槍働きで褒賞がもらえるわけじゃからのう。お主に問うことでもないが、敢えて尋ねる。槍働きの猛者は、敵がいなくなったらどうするのであろうな?」
「むむ。そのように問われれば、答えに窮しますな。殿下のご尽力により、殿下の敵になるべきは数えるほどしかありませぬ。…ということは、“狡兎死して走狗煮らる”ということでございますか!?」
「随分恐ろしいことを申すではないか。これまで余に忠誠を誓ってきた者どもは、簡単には切れぬ。かといって、敵がいない以上、槍働きの褒賞は無い。では、どうする?」
「なるほど。故に“政治”が問われるのでございますな。つまり、領主として領国を上手く治められるか。それが出来る方々に殿下は報いられる。」
「さすがじゃの。甚内が器用といったのはそこよ。奴は、領地を実によく治める。一口に材木集めといっても、案外、考えることは多いものじゃ。一本、二本切り出してくるのではない。仙洞御所の改修には、何百という材木が要る。その材木を全て切り出して、山から仙洞御所まで運ばねばならぬ。人の差配はもちろんのこと、仙洞御所に運ぶにあたって、どこの山から切り出すかも重要じゃ。まさか担いでもって行くわけにはいくまいから、上手く水路を使わねばならぬ。考えることは山ほどあるのじゃ。こういったことをやりおおせる者こそ、天下静謐を確かなものとするためには必要なのじゃ。」
「つまり、材木集めの成否に、脇坂様の将来がかかっているというわけでございますな。」
「そのとおりじゃ。先に言ってしまえば、甚内はようやったわ。じゃからこそ、仙洞御所の改修の後、摂津能勢一万石から大和高取二万石に領地替えしてやったのよ。」
「何と!?戦功がなくとも一万石のご加増でございますか!?恐れながら、さぞかし脇坂様はお喜びになられたのではありませぬか?」
「それがじゃ、きょとんとした顔をしておったわ。今でこそ、甚内も余の真意は分かっておるが、あの頃は、愚痴だらけじゃ。挙句の果てには、下知に従わなかったのじゃ。」
「下知に従わぬとは、一体?」
「知っておろう。奴は近江の生まれじゃ。それゆえ、幼少のころから舟に親しんでおった。じゃから、水運を使うのが実に巧みじゃ。それを生かして、そつなく材木集めもこなせるのじゃ。ところがじゃ、奴はなんせ槍働きがしたい。そこで、やつはあろうことか材木集めを“懈怠”するようになるのじゃ。」
「殿下のご命令に背いたのでございますか!?脇坂様は、自ら材木集めは、荷が重いと訴え、何とか戦場でのご活躍を図ったわけでございますか!?」
「大方そうであろう。もちろん、材木集めも生半可なことではできぬから、槍働きと大して違わないのじゃがな。ただ、槍働きと違って、材木を集めたからといって、何も手に入らぬと思い込んでいたのは間違いない。槍働きであれば、功が見えるからのう。じゃから、事あるごとに甚内には言って聞かせたわい。槍働きも結構じゃが、敵が皆、余に臣従したらその方らは、何を頼みに生きていくのじゃ、とな。そこで、漸く甚内も気づいたのじゃ。」
「つまり、今後、殿下がお認め遊ばすのは、戦功ではない。殿下の統治を盤石なものとするために内政に力を入れることである、そう脇坂様もお悟りになられたわけですな。」
「そういうことじゃ。さすがにそれからは、懈怠するようなことはなくなったわ。元来、目端の利く奴じゃからな。なんせ奴の真骨頂は、どんな些細なことでも余への注進を忘れぬことじゃからな。奴は分かっておるのじゃ。余が気にしているのは、事の出来、不出来ではない、ということを。余が最も欲しているのは、断を下すための注進であることを、な。」
「さればこそ、それがお出来になる脇坂様をご信任遊ばしたわけですな。そして、一見地味な材木集めもお任せしたと。」
「そのとおりじゃ。もうじき戦は終わる。諸将に伝えたかったのは何よりこのことじゃ。そして、これを踏まえて己の働きを変えられる者こそ、余の膝下にいるべき者たちなのじゃ。」
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