25 / 31
2023年10月31日
第二十五話 4:53
しおりを挟む
し、信じられない! 私、一晩で離婚を突きつけられて、プロポーズ受けちゃった!
こんな事ある?
私はもう幸せの絶頂! もう有頂天!
でもルースヴェンさんはそうでもなさそう。やっぱりこの後が心配な様子……というか、素顔の時はいつも心配そうな顔になってしまうみたい。ちょっと残念。
「ルースヴェンさん。やっぱりこの後が心配ですか?」
ちなみに私はまだルースヴェンさんに抱きついています♪
「あ、い、い、いや、あの……、べべべベリアルのこ、言葉をか、考えると……や、やっぱり……」
「ルースヴェンさん、仮面つける?」
「うん。つける」
その時です。「ニャ~……」部屋の奥から猫のミナの声が。
あ、ミナにゴハンあげるの忘れてたっっ。
ぐるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる~~~~~~~~。
「あ」
「あ」
今度は私のお腹の虫がめっちゃ鳴いたっっ。
私とルースヴェンさんは顔を見合わせて笑いあいました。
素顔のルースヴェンさんの笑顔、すっごいかわいい~~♪
「エエ、エレンさん。し、しょ、食事をととととってください。え、え~……と……な、な何でしたっけ?」
「冷凍食品」
「そ、そう。それ」
私はゆっくり立ち上がると、キッチンに向かいました。するとルースヴェンさんも冷凍食品に興味があったのか、ついてきました。
そして冷蔵庫を開けると「おお~」とルースヴェンさん感動。
「こちらの世界は私の世界より、数段も進んでいます。このような箱は、私の世界にはありませんっっ。これは素晴らしい」
仮面をしっかりつけたルースヴェンさんは感動で冷蔵庫を隅から隅まで開けては閉め、観察を始めました。
何となく分かってたけど……魔界って冷蔵庫ないのね……。電気がそもそもないのかな……。
ちょっと不安にかられる私。
そして満を持して冷凍食品を取り出します。「おお!それですか!」ルースヴェンさんの感動は止まりません。
「これは『チキンのクリーム煮』です♪」
私はちょっと得意げに箱から『チキンのクリーム煮』を取り出して、レンジでチン。
当然、この過程もルースヴェンさんには衝撃だったようで、
「このような物が作り出せたこの世界の人たちはすごい! 尊敬と同時に恐怖を感じます。なぜなら、この世界の人たちが本気を出して私たちの魔界に攻めてきた時、魔界の住人が勝てるとは到底思えません」
そんなかなり大きな話題に変わってしまいました。やっぱり一国の城主となると、そういった事が頭によぎるのでしょうね。
こうしてようやく私の食事が出来上がりました♪
するとルースヴェンさんがいるにも関わらず、猫のミナがキッチンの入り口に顔を覗かせてきました。
「あ、ミナ!」
「え!」
仮面をつけていてもやはり猫には少しビビるルースヴェンさん。でもミナは私とルースヴェンさんがとても仲良くしていたのを観察していたのか、ルースヴェンさんに敵意を出していなさそうです。
ミナは恐る恐る近づいてきます。
ルースヴェンさんは困惑し、私の後ろに回ろうか迷っている様子。
「ルースヴェンさん。きっと大丈夫。そのままそのまま」
「猫……わ、分かりました……」
ミナはさらに近づいてきます。
そしてルースヴェンさんの目の前までやって来ると、そこでちょこんとお座りをしました。
「ミャ~~~~」
「!」
「大丈夫」
ルースヴェンさんはこの声に驚いて逃げようとしました。でも私は逃しません♪ だってきっと大丈夫だから♪
ミナはさらにルースヴェンさんを観察し、とりあえずルースヴェンさんをよけて私の足元に来ると、前足をあげて「ゴハン早くちょうだい」とねだってきました。
「ほらね。大丈夫だったでしょ?」
「は、はい……」
ルースヴェンさんは今日一疲れた顔をしました。
こうして私はミナにゴハンをあげて、『チキンのクリーム煮』をテーブルに運びました♪
あ~、よかった~~♪ ようやく食事にありつける~~♪♪
ピンポーン♪
「え? お客さん?」
「この世界では、こんな夜更けにお客様がいらっしゃるのですか?」
「来ないですっっ! え?」
私はインターホンで画像を確認すると、誰も立っていません。
「ルースヴェンさん。誰もいなかった」
ピンポーン♪
「ゲゲゲっっ! またなったっっ!」
再度インターホンの画像を見ます。でも誰もいない……
こ、怖いっっ!
するとルースヴェンさんが、また左手を口元へ持っていくと、
「吸血鬼という事はありませんか?」
そう言うのです。私は(ええ?)と思いながらも、吸血鬼は鏡に映らない原理を思いだし、インターホンのボタンを押して確認をする事に。
「あ、あの~……誰かいます?」
「あ! 出てくれたっスね~♪ ほら、さっき病院の上であった吸血鬼っス。なんか、自体が悪い方向に向かってるからって、テスラから『あなた方を連れてくるように』って、言われちゃったんスよ~。そっち行っていいスか?」
ゲゲゲっっ! あの軽い感じの吸血鬼? 大事になってるみたいっっ! ……あれ? でもよく考えたら変だわ……
「ル、ルースヴェンさん! この部屋、電気ついてるのに警察が来ない!」
「分かっています。もうこちらの吸血鬼たちに包囲されているのでしょう」
「え?」
「さすが同じ吸血鬼。よくお分かりっスね~。警察はこちらで退かせてもらったっス。いろいろ説明したいんでお二人にお会いしたいんスけどね~」
ゲゲゲっっ! 何か悪い予感しかしないっっ!
こんな事ある?
私はもう幸せの絶頂! もう有頂天!
でもルースヴェンさんはそうでもなさそう。やっぱりこの後が心配な様子……というか、素顔の時はいつも心配そうな顔になってしまうみたい。ちょっと残念。
「ルースヴェンさん。やっぱりこの後が心配ですか?」
ちなみに私はまだルースヴェンさんに抱きついています♪
「あ、い、い、いや、あの……、べべべベリアルのこ、言葉をか、考えると……や、やっぱり……」
「ルースヴェンさん、仮面つける?」
「うん。つける」
その時です。「ニャ~……」部屋の奥から猫のミナの声が。
あ、ミナにゴハンあげるの忘れてたっっ。
ぐるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる~~~~~~~~。
「あ」
「あ」
今度は私のお腹の虫がめっちゃ鳴いたっっ。
私とルースヴェンさんは顔を見合わせて笑いあいました。
素顔のルースヴェンさんの笑顔、すっごいかわいい~~♪
「エエ、エレンさん。し、しょ、食事をととととってください。え、え~……と……な、な何でしたっけ?」
「冷凍食品」
「そ、そう。それ」
私はゆっくり立ち上がると、キッチンに向かいました。するとルースヴェンさんも冷凍食品に興味があったのか、ついてきました。
そして冷蔵庫を開けると「おお~」とルースヴェンさん感動。
「こちらの世界は私の世界より、数段も進んでいます。このような箱は、私の世界にはありませんっっ。これは素晴らしい」
仮面をしっかりつけたルースヴェンさんは感動で冷蔵庫を隅から隅まで開けては閉め、観察を始めました。
何となく分かってたけど……魔界って冷蔵庫ないのね……。電気がそもそもないのかな……。
ちょっと不安にかられる私。
そして満を持して冷凍食品を取り出します。「おお!それですか!」ルースヴェンさんの感動は止まりません。
「これは『チキンのクリーム煮』です♪」
私はちょっと得意げに箱から『チキンのクリーム煮』を取り出して、レンジでチン。
当然、この過程もルースヴェンさんには衝撃だったようで、
「このような物が作り出せたこの世界の人たちはすごい! 尊敬と同時に恐怖を感じます。なぜなら、この世界の人たちが本気を出して私たちの魔界に攻めてきた時、魔界の住人が勝てるとは到底思えません」
そんなかなり大きな話題に変わってしまいました。やっぱり一国の城主となると、そういった事が頭によぎるのでしょうね。
こうしてようやく私の食事が出来上がりました♪
するとルースヴェンさんがいるにも関わらず、猫のミナがキッチンの入り口に顔を覗かせてきました。
「あ、ミナ!」
「え!」
仮面をつけていてもやはり猫には少しビビるルースヴェンさん。でもミナは私とルースヴェンさんがとても仲良くしていたのを観察していたのか、ルースヴェンさんに敵意を出していなさそうです。
ミナは恐る恐る近づいてきます。
ルースヴェンさんは困惑し、私の後ろに回ろうか迷っている様子。
「ルースヴェンさん。きっと大丈夫。そのままそのまま」
「猫……わ、分かりました……」
ミナはさらに近づいてきます。
そしてルースヴェンさんの目の前までやって来ると、そこでちょこんとお座りをしました。
「ミャ~~~~」
「!」
「大丈夫」
ルースヴェンさんはこの声に驚いて逃げようとしました。でも私は逃しません♪ だってきっと大丈夫だから♪
ミナはさらにルースヴェンさんを観察し、とりあえずルースヴェンさんをよけて私の足元に来ると、前足をあげて「ゴハン早くちょうだい」とねだってきました。
「ほらね。大丈夫だったでしょ?」
「は、はい……」
ルースヴェンさんは今日一疲れた顔をしました。
こうして私はミナにゴハンをあげて、『チキンのクリーム煮』をテーブルに運びました♪
あ~、よかった~~♪ ようやく食事にありつける~~♪♪
ピンポーン♪
「え? お客さん?」
「この世界では、こんな夜更けにお客様がいらっしゃるのですか?」
「来ないですっっ! え?」
私はインターホンで画像を確認すると、誰も立っていません。
「ルースヴェンさん。誰もいなかった」
ピンポーン♪
「ゲゲゲっっ! またなったっっ!」
再度インターホンの画像を見ます。でも誰もいない……
こ、怖いっっ!
するとルースヴェンさんが、また左手を口元へ持っていくと、
「吸血鬼という事はありませんか?」
そう言うのです。私は(ええ?)と思いながらも、吸血鬼は鏡に映らない原理を思いだし、インターホンのボタンを押して確認をする事に。
「あ、あの~……誰かいます?」
「あ! 出てくれたっスね~♪ ほら、さっき病院の上であった吸血鬼っス。なんか、自体が悪い方向に向かってるからって、テスラから『あなた方を連れてくるように』って、言われちゃったんスよ~。そっち行っていいスか?」
ゲゲゲっっ! あの軽い感じの吸血鬼? 大事になってるみたいっっ! ……あれ? でもよく考えたら変だわ……
「ル、ルースヴェンさん! この部屋、電気ついてるのに警察が来ない!」
「分かっています。もうこちらの吸血鬼たちに包囲されているのでしょう」
「え?」
「さすが同じ吸血鬼。よくお分かりっスね~。警察はこちらで退かせてもらったっス。いろいろ説明したいんでお二人にお会いしたいんスけどね~」
ゲゲゲっっ! 何か悪い予感しかしないっっ!
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
偏食の吸血鬼は人狼の血を好む
琥狗ハヤテ
BL
人類が未曽有の大災害により絶滅に瀕したとき救済の手を差し伸べたのは、不老不死として人間の文明の影で生きていた吸血鬼の一族だった。その現筆頭である吸血鬼の真祖・レオニス。彼は生き残った人類と協力し、長い時間をかけて文明の再建を果たした。
そして新たな世界を築き上げた頃、レオニスにはひとつ大きな悩みが生まれていた。
【吸血鬼であるのに、人の血にアレルギー反応を引き起こすということ】
そんな彼の前に、とても「美味しそうな」男が現れて―――…?!
【孤独でニヒルな(絶滅一歩手前)の人狼×紳士でちょっと天然(?)な吸血鬼】
◆閲覧ありがとうございます。小説投稿は初めてですがのんびりと完結まで書いてゆけたらと思います。「pixiv」にも同時連載中。
◆ダブル主人公・人狼と吸血鬼の一人称視点で交互に物語が進んでゆきます。
◆現在・毎日17時頃更新。
◆年齢制限の話数には(R)がつきます。ご注意ください。
◆未来、部分的に挿絵や漫画で描けたらなと考えています☺
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる