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第三章 思惑
第四十話 ブカレストの屋敷で
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オクタヴィアンが縛りあげて風呂敷の包みのようになった屍食鬼は、口だけをキシキシと動かしている。
そんな屍食鬼を左手でまさに風呂敷のように持ったオクタヴィアンは、城の外、門の前でグリゴアを待っていた。
「よし! じゃあ門を開けろ~!」
門の内側にいるグリゴアの掛け声とともに、城の大きな門が左右に開いた。
すると中から馬車が一台、トコトコとゆっくり歩いてきた。
その馬車の御者席にはヤコブとアンドレアスが乗っており、後ろの座席にグリゴアが乗っていた。
「オクタヴィアン、待たせたな! じゃあ行こう!」
「グリゴア、ちゃんと屍食鬼の説明はしてきたよな?」
「ああ、おまえの言うとおり、地下には今、誰も行けない状態にしてきた。これであの怪物に近づく者はよほどいないと思うぞ!」
「よし! じゃあ宮廷に行こう」
こうしてオクタヴィアン達が行こうとした時だった。
ヒュン! ドス!
オクタヴィアンは左手に何か衝撃が走った気がした。
「え?」
左手に持っている屍食鬼の身体に矢が一本刺さっており、しかも炎を上げ始めている!
「な? え!」
オクタヴィアンは慌てて屍食鬼から手を離した。
地面に置いた屍食鬼は、声にならない声をあげながらみるみる燃えている。
その炎の広がりはかなり速く、オクタヴィアンは何が起こったのか分からなかった。
しかし矢の先に何かがくくりつけてある。
そしてそれはオクタヴィアンにとっても眩しく、痛いものだった。
え? 十字架?
オクタヴィアンはその矢を取ろうとしたが、眩しいし、屍食鬼を囲む炎が一段とすごくなり、手が出せない。
結局、オクタヴィアンのなすすべがないまま、屍食鬼は燃え尽きてしまった。
それを見ていたグリゴア、ヤコブ、アンドレアスの三人も、あまりの唐突な出来事に何も出来なかった。
オクタヴィアンは屍食鬼の燃えかすをじっくり見て、飛んできた矢を探した。しかし矢はあの炎で燃え尽きてしまったようだ。それに十字架らしき物も……
オクタヴィアンは何とも言えない悔しい気持ちになった。
「オクタヴィアン……ど、どうする?」
馬車に乗っているグリゴアが声をかけてきた。
「そ、そうだなグリゴア……一回、城に戻ろうかっっ」
こうしてオクタヴィアンとグリゴア達を乗せた馬車は仕方なくUターンして城に戻った。
この一部始終を見つめる目があった。その目は夜空に高く飛び立つと、まっすぐにブカレストに向かって飛んで行った。
「ラドゥちゃん、オレ様ちゃんはねえ、ウソは嫌いだよ? そんな簡単にねえ、公の座が取り戻せるなんてっっ。もう冗談もいい加減にしてよねえ~~」
「いえいえバサラブ殿。今のヴラドに力はありません。後数ヶ月も持たないでしょう」
「ホントかい? オレ様ちゃん、もう撤退なんてカッコ悪いのコリゴリだからさあ~~~っっ」
ワラキア公国の南の方角に位置する街、ブカレスト。
ここにオスマントルコに逃亡したはずの前ワラキア公バサラブが現れた。
バサラブはオスマントルコの援軍を従えてこの街を制圧したのだ。
と、いうよりも、元々が国境よりの街という事もあり、たいした抵抗もなく、街はあっさりバサラブに降伏したのが本当のところであった。
バサラブ三世。この頃すでに五十過ぎ。
ラドゥがワラキア公国を支配している時に、キリスト教国家のモルダヴィアからの支援を受けてラドゥを追い出し、ワラキアの公になった男。
しかしそのラドゥにそそのかされてオスマントルコに鞍替えした調子のいい男。
つまり信念などなく、その時に良さそうな話があればすぐにそちらになびき、政治、経済などの国政も全て人任せ、自身は酒と女に明け暮れるどうしようもない男である。
信念などないので、ヴラドがワラキアを取り戻しに攻めて来た際も、あっさりとオスマントルコに逃げてしまった。
しかしさすがにそのままではオスマントルコからもそっぽを向かれて自身の立場が危ういので、オスマントルコに援軍を頼み、またワラキアを取り戻しにきたのだった。
こんなバサラブはブカレストに来て以来、街の地主貴族の屋敷の客間を、拠点という面目で滞在していた。
そこに死んだと聞いていたラドゥが現れたのだ。
しかも自分は吸血鬼だと言う。
バサラブはにわかにそれを信じなかった。
目の前でラドゥが空を飛ぶまでは。
「いいですか、バサラブ殿。僕の言うとおり、まだしばらくはここに軍を滞在させたまま、待機させましょう。出撃するのは、あくまでヴラド公が向かって来てからです」
「そう。それなんだけどねえ。ラドゥちゃんっ、そんなに上手く事が進むかねえ?」
「大丈夫です。なので今日はもう飲み明かしましょう」
「おほほほほ! じゃあラドゥちゃんの言うとおりにワインのおかわりを頼もうかねえ。ワラキアのワインは美味しいからねえ~♪ あ、でもオレ様ちゃんを酔わしてまさか血を飲もうって魂胆じゃないよねえ~っっ」
「フフ。まさか。私は適度に血をたしなめればそれ以上、血は求めません。それにまたバサラブ殿にワラキアを支配してほしいのです」
「おほほほほほほほ! もうラドゥちゃんには敵わないなあ~~~~♪」
こんな感じで、バサラブとラドゥはまた組んだ。
かなり頭の悪いバサラブだったが、ラドゥの言う事にこれまで悪い事がなかったし、吸血鬼のその『力』があれば、ワラキアをまた自分の手にできると思ったのだ。
こうして夜遅くまで宴は続いていたのだが、ラドゥは外の物音にすぐに気がついた。
「何かが、空から降りましたね。見てきましょう」
ラドゥは酔っ払っていい気分になっているバサラブを部屋に残し、一人屋敷の中庭に出た。
そこには親衛隊の一人が片ひざをついて、ラドゥが出てくるのを待っていた。
ラドゥは親衛隊の一人に顔を近づけると、ヒソヒソ話をじっくり聞いた。
「……そうか、ありがとう。今日は頑張ってくれたね。他のみんなの元に戻るといいよ」
ラドゥは親衛隊の一人に労いの言葉を言うと、顔にキスをした。
親衛隊は少し照れくさそうな動きを見せると、走って他の四人のいる部屋に向かった。
ラドゥはそれを見守ると、少しその場で考えたが、すぐにバサラブのいる部屋に戻った。
「よい知らせですバサラブ殿! ヴラドの一番の家来と思われるグリゴアが戦いから離脱しそうです」
「んん~? 誰? グリゴア? なんかよく分かんないけど、そいつがいないと、ヴラドの戦力はだいぶ衰えるの?」
「それはもう。現在の戦力で、彼が抜けた場合、戦力は半減と言っても過言ではないかと思われます」
「おほほほほほ♪ そ♪ それはいいねえ~♪ ラドゥちゃん、オレ様ちゃん達に風が吹いてんじゃないのおおおお~♪」
バサラブは上機嫌で酒を煽っている。そんなバサラブを見ながら、ラドゥも微笑んだ。
「明日、モゴシュ殿に話を伝えます。今日のところはもう遅いので」
「うんうん♪ ラドゥちゃん、任せたよ♪」
ラドゥは近くにいた使用人に、羽根ペンと紙を頼み、持ってきてもらうと、早速その場で書き始めた。
そしてそのメモを明日モゴシュに渡すように使用人に伝えた。
モゴシュとは、この屋敷の主人、このブカレスト一帯の実質的な支配者、そしてエリザベタの父で、オクタヴィアンの義理の父でもある。
そんなモゴシュはラドゥからエリザベタと孫のヨアナの訃報を聞き、あまりのショックに一人、書斎で途方に暮れていた。
「オクタヴィアンの手によってエリザベタとヨアナは命を落とした」
ラドゥからその話を聞いた時、モゴシュはその場で足から崩れ落ちた。
何故! 何故私はオロロックなどのバカ息子の嫁に、娘を嫁がせてしまったのだ!
何であんなバカ男と親戚同士になってしまったのだ!
私のかわいいエリザベタはもう戻ってこない。孫のヨアナまでも……何故だ! 何故だ!
モゴシュは最愛の娘を失ったショックから、その日一睡も出来なかった。
そしてたどり着いた答えは、
オクタヴィアンは生きていると聞く……ヤツだけは……ヤツだけは私の手で殺す!
だった。
モゴシュは元々オスマントルコと商談をよくしていた事もあり、バサラブとラドゥとは仲がよかった。
なので、今回もバサラブに屋敷を提供するのも何の迷いもなかったのだ。
そしてオスマントルコとの商談を許さないヴラドを倒すのなら、何の迷いもなかった。
こうしてモゴシュもバサラブとラドゥに協力する事になった。
そんな屍食鬼を左手でまさに風呂敷のように持ったオクタヴィアンは、城の外、門の前でグリゴアを待っていた。
「よし! じゃあ門を開けろ~!」
門の内側にいるグリゴアの掛け声とともに、城の大きな門が左右に開いた。
すると中から馬車が一台、トコトコとゆっくり歩いてきた。
その馬車の御者席にはヤコブとアンドレアスが乗っており、後ろの座席にグリゴアが乗っていた。
「オクタヴィアン、待たせたな! じゃあ行こう!」
「グリゴア、ちゃんと屍食鬼の説明はしてきたよな?」
「ああ、おまえの言うとおり、地下には今、誰も行けない状態にしてきた。これであの怪物に近づく者はよほどいないと思うぞ!」
「よし! じゃあ宮廷に行こう」
こうしてオクタヴィアン達が行こうとした時だった。
ヒュン! ドス!
オクタヴィアンは左手に何か衝撃が走った気がした。
「え?」
左手に持っている屍食鬼の身体に矢が一本刺さっており、しかも炎を上げ始めている!
「な? え!」
オクタヴィアンは慌てて屍食鬼から手を離した。
地面に置いた屍食鬼は、声にならない声をあげながらみるみる燃えている。
その炎の広がりはかなり速く、オクタヴィアンは何が起こったのか分からなかった。
しかし矢の先に何かがくくりつけてある。
そしてそれはオクタヴィアンにとっても眩しく、痛いものだった。
え? 十字架?
オクタヴィアンはその矢を取ろうとしたが、眩しいし、屍食鬼を囲む炎が一段とすごくなり、手が出せない。
結局、オクタヴィアンのなすすべがないまま、屍食鬼は燃え尽きてしまった。
それを見ていたグリゴア、ヤコブ、アンドレアスの三人も、あまりの唐突な出来事に何も出来なかった。
オクタヴィアンは屍食鬼の燃えかすをじっくり見て、飛んできた矢を探した。しかし矢はあの炎で燃え尽きてしまったようだ。それに十字架らしき物も……
オクタヴィアンは何とも言えない悔しい気持ちになった。
「オクタヴィアン……ど、どうする?」
馬車に乗っているグリゴアが声をかけてきた。
「そ、そうだなグリゴア……一回、城に戻ろうかっっ」
こうしてオクタヴィアンとグリゴア達を乗せた馬車は仕方なくUターンして城に戻った。
この一部始終を見つめる目があった。その目は夜空に高く飛び立つと、まっすぐにブカレストに向かって飛んで行った。
「ラドゥちゃん、オレ様ちゃんはねえ、ウソは嫌いだよ? そんな簡単にねえ、公の座が取り戻せるなんてっっ。もう冗談もいい加減にしてよねえ~~」
「いえいえバサラブ殿。今のヴラドに力はありません。後数ヶ月も持たないでしょう」
「ホントかい? オレ様ちゃん、もう撤退なんてカッコ悪いのコリゴリだからさあ~~~っっ」
ワラキア公国の南の方角に位置する街、ブカレスト。
ここにオスマントルコに逃亡したはずの前ワラキア公バサラブが現れた。
バサラブはオスマントルコの援軍を従えてこの街を制圧したのだ。
と、いうよりも、元々が国境よりの街という事もあり、たいした抵抗もなく、街はあっさりバサラブに降伏したのが本当のところであった。
バサラブ三世。この頃すでに五十過ぎ。
ラドゥがワラキア公国を支配している時に、キリスト教国家のモルダヴィアからの支援を受けてラドゥを追い出し、ワラキアの公になった男。
しかしそのラドゥにそそのかされてオスマントルコに鞍替えした調子のいい男。
つまり信念などなく、その時に良さそうな話があればすぐにそちらになびき、政治、経済などの国政も全て人任せ、自身は酒と女に明け暮れるどうしようもない男である。
信念などないので、ヴラドがワラキアを取り戻しに攻めて来た際も、あっさりとオスマントルコに逃げてしまった。
しかしさすがにそのままではオスマントルコからもそっぽを向かれて自身の立場が危ういので、オスマントルコに援軍を頼み、またワラキアを取り戻しにきたのだった。
こんなバサラブはブカレストに来て以来、街の地主貴族の屋敷の客間を、拠点という面目で滞在していた。
そこに死んだと聞いていたラドゥが現れたのだ。
しかも自分は吸血鬼だと言う。
バサラブはにわかにそれを信じなかった。
目の前でラドゥが空を飛ぶまでは。
「いいですか、バサラブ殿。僕の言うとおり、まだしばらくはここに軍を滞在させたまま、待機させましょう。出撃するのは、あくまでヴラド公が向かって来てからです」
「そう。それなんだけどねえ。ラドゥちゃんっ、そんなに上手く事が進むかねえ?」
「大丈夫です。なので今日はもう飲み明かしましょう」
「おほほほほ! じゃあラドゥちゃんの言うとおりにワインのおかわりを頼もうかねえ。ワラキアのワインは美味しいからねえ~♪ あ、でもオレ様ちゃんを酔わしてまさか血を飲もうって魂胆じゃないよねえ~っっ」
「フフ。まさか。私は適度に血をたしなめればそれ以上、血は求めません。それにまたバサラブ殿にワラキアを支配してほしいのです」
「おほほほほほほほ! もうラドゥちゃんには敵わないなあ~~~~♪」
こんな感じで、バサラブとラドゥはまた組んだ。
かなり頭の悪いバサラブだったが、ラドゥの言う事にこれまで悪い事がなかったし、吸血鬼のその『力』があれば、ワラキアをまた自分の手にできると思ったのだ。
こうして夜遅くまで宴は続いていたのだが、ラドゥは外の物音にすぐに気がついた。
「何かが、空から降りましたね。見てきましょう」
ラドゥは酔っ払っていい気分になっているバサラブを部屋に残し、一人屋敷の中庭に出た。
そこには親衛隊の一人が片ひざをついて、ラドゥが出てくるのを待っていた。
ラドゥは親衛隊の一人に顔を近づけると、ヒソヒソ話をじっくり聞いた。
「……そうか、ありがとう。今日は頑張ってくれたね。他のみんなの元に戻るといいよ」
ラドゥは親衛隊の一人に労いの言葉を言うと、顔にキスをした。
親衛隊は少し照れくさそうな動きを見せると、走って他の四人のいる部屋に向かった。
ラドゥはそれを見守ると、少しその場で考えたが、すぐにバサラブのいる部屋に戻った。
「よい知らせですバサラブ殿! ヴラドの一番の家来と思われるグリゴアが戦いから離脱しそうです」
「んん~? 誰? グリゴア? なんかよく分かんないけど、そいつがいないと、ヴラドの戦力はだいぶ衰えるの?」
「それはもう。現在の戦力で、彼が抜けた場合、戦力は半減と言っても過言ではないかと思われます」
「おほほほほほ♪ そ♪ それはいいねえ~♪ ラドゥちゃん、オレ様ちゃん達に風が吹いてんじゃないのおおおお~♪」
バサラブは上機嫌で酒を煽っている。そんなバサラブを見ながら、ラドゥも微笑んだ。
「明日、モゴシュ殿に話を伝えます。今日のところはもう遅いので」
「うんうん♪ ラドゥちゃん、任せたよ♪」
ラドゥは近くにいた使用人に、羽根ペンと紙を頼み、持ってきてもらうと、早速その場で書き始めた。
そしてそのメモを明日モゴシュに渡すように使用人に伝えた。
モゴシュとは、この屋敷の主人、このブカレスト一帯の実質的な支配者、そしてエリザベタの父で、オクタヴィアンの義理の父でもある。
そんなモゴシュはラドゥからエリザベタと孫のヨアナの訃報を聞き、あまりのショックに一人、書斎で途方に暮れていた。
「オクタヴィアンの手によってエリザベタとヨアナは命を落とした」
ラドゥからその話を聞いた時、モゴシュはその場で足から崩れ落ちた。
何故! 何故私はオロロックなどのバカ息子の嫁に、娘を嫁がせてしまったのだ!
何であんなバカ男と親戚同士になってしまったのだ!
私のかわいいエリザベタはもう戻ってこない。孫のヨアナまでも……何故だ! 何故だ!
モゴシュは最愛の娘を失ったショックから、その日一睡も出来なかった。
そしてたどり着いた答えは、
オクタヴィアンは生きていると聞く……ヤツだけは……ヤツだけは私の手で殺す!
だった。
モゴシュは元々オスマントルコと商談をよくしていた事もあり、バサラブとラドゥとは仲がよかった。
なので、今回もバサラブに屋敷を提供するのも何の迷いもなかったのだ。
そしてオスマントルコとの商談を許さないヴラドを倒すのなら、何の迷いもなかった。
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