窓側の指定席

アヒルネコ

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平成30年1月17日 坂本かえで

記憶

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プルプルプル・・・

 かえでは、元夫に電話をかけた。

『お留守番サービスに接続します。合図の音が・・』

 なんてやつだ!あれだけ散々電話してきて、こっちが電話かけたら留守番だと!かえでは腹がたっていた。
 ・・・とは言いつつも、すでに0時近い。もう寝たのだろう。こちらも配慮がなかった。
 明日は10時頃まで寝て、それから電話をかけよう。その前に、一夫からの電話で起こされるかもしれないけど。


 かえでは、ゆっくりと眠りについた。



・・・ここはどこだろう。

「ねえお母さん、ひかりのお父さんは?」
「長期の出張にいったんだよ」
「いつ帰ってくるの」
「ひかりが良い子にしてたら、すぐ帰ってくるよ」
「わかった!良い子にする!」
「よしよし、良い子だね」

・・・ひかりは、良い子だね。

「お母さん、嘘つき」
「突然どうしたの?」
「ひかり、良い子にしてるのに・・・お父さん帰って来ないよ?」

「・・・・・」

「ねえ、何か言ってよ!!ひかりのお父さんは?どこにいるの?」

「ひかり・・ごめんね」

「ごめんねじゃなくて、本当のこと言ってよ!」


・・・はっ!!
かえでは目を覚ました。布団が汗でびっしょりである。絞れば汗を採取できそうである。

・・・思い出したくないことばかり。少しでも、未来は明るくなって欲しい。


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