窓側の指定席

アヒルネコ

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平成30年1月17日 坂本かえで

余韻

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 辛いことや悲しいことなんて、いっぱいあったし数え切れない。でも本当に、あいつときたら・・本当に 大事なことを忘れてる。だから『やり直さないか?』なんて言葉が平気で出てくるんだ。
 かえでは、電話のことなど忘れ、近所のスーパーへ向かった。雪が深い砂川に、長靴は必須である。

 かえでは挽肉を手にとった。
「高いな・・・」ボソッと声に出た。挽肉カレーには牛挽肉が合うと思うが、仕方なく豚肉との合い挽肉をカゴに入れた。

 買い物かごを持ち、レジに並んでいるときだった。


プルプルプル・・・


 電話がなっている。またあいつだろうか?チラッと画面を見ると、『元夫』と表示されている。さっき名前登録しておいて良かった。かえでは、電話を切った。
 家に戻り、昼食を作った。予定通りカレーを作った。残りは、店が始まる前に食べよう。

・・・カランカラン

「こんにちわ~」

 絵美が仕事場にやってきた。ここ最近、絵美がいてくれるお陰で店が明るい雰囲気になっている気がする。

「絵美ちゃん!今日は来てくれてありがとう!金曜日だし、色んな人来るからお父さんと遭遇したりして!」

「私が出る日は、父に来るなと言っているので大丈夫です!」

「それって営業妨害だよ?」かえでが笑いながら言った。



 今日の来店は、大体10人くらいだったか。久々の黒字決済である。みんな絵美ちゃんにメロメロであった。これが若者の力なのだろうか。

 「今日は有難う!絶対リピーターになった人いるよ!」
「そうですかね?私、スナックが天職かも!」
「ハハハ、おじさん得意なら良いかもね」


・・・プルプルプル

 かえでの電話が鳴った。また『元夫』である。もう、着信拒否しようかな。かえでは電話を切った。

「かえでさん、電話取らなくて良いんですか?」

「あー大丈夫。後でかけ直すから」
「そうですか、そしたら私仕事あがりますね!お疲れ様でした!」
「今日はありがとね!お疲れ様!」
 絵美は店を出ていった。


 かえでは、元夫の番号を拒否設定しようとしたが、悩んでいた。

・・・伝えたいことはあるし、一言言っておくか。

 かえでは、元夫に折り返しの電話をした。


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