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平成30年1月15日 坂本かえで
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楽しかった帯広旅行だったが、今日は帰らなくてはならない。
さすがに帰りは2人とも電車で帰ることとした。
やっぱり帯広は最高だった。また行きたいなと思うが、 やっぱり遠いな。砂川からは片道で180kmはあるし。
かえでは、この3日間の帯広の思い出をひとつずつ思い出してみた。
まずは、朝起きて2日酔いで始まったこと。砂川駅から札幌駅まで行って、謎の男に出会い、それがまさかのひかりの彼氏であったこと。
・・・その時点では彼氏ではなかったけどね。
でも、かえでは思った。
その男が私と同じような夜の仕事をしていた人、金使いの荒いひかりが付き合うなんて、その類の人しかいないと。
今回の旅はよくよく考えれば現実逃避の旅だったのかもしれない。
最近はお客様もこないし、営業成績が本当に悪い。可愛い女の子でも来てくれれば、うちの店も繁盛するのだろうか。でも、そんなツテは私にはないし、どうしたら良いんだろう。あのホストクラブの男が斡旋してくれないかな。でも、娘の彼氏に斡旋してもらうってちょっと道徳的によろしくないよね。というか、砂川だし。
『次は~芽室(めむろ)~芽室~』
ようやく芽室まできた。芽室は、特に有名なものといえばこれ!というモノが思いつかないものの、実は『コーン炒飯』が有名である。 一度食べてみたいと思うが、実行に移せていない。
プルプルプル・・・
電話が鳴っている。多分ひかりからだろう。
昨日、一方的に話を進めて一方的に電話を切ったから気持ちが動揺しているのだろう。
かえで、はちょっとひどいことをしたかもと反省した。
・・・まあ酔っ払っていたし、仕方ないさ。
かえでは電話を切った。
砂川についたらかけなおそう。
2人は札幌に到着した。ここで陽子と別れなければならない。かえでは改札まで見送り、大きく手を振った。
砂川までは電車で1時間もかからないので、帯広~札幌に比べたら短く感じる。さて、到着したら今日の営業が準備をしよう。
夜6時、営業開始。かえではお店のシャッターを開けた。今日は何人来てくれるだろうか。
夜7時・・8時・・
無残にも時間は過ぎていく。
・・・カランコロンカラン
お客様が来たようだ。
どうやら、この前来てくれた部下思いの立花さんみたいだ。
「いらっしゃいませ~!」
「お!元気そうだね!」立花は左手を肩の高さまで上げて、小さく手を振った。
かえではいつも通り、世間話をしつつ、お酒をカウンターからそそぎ続けた。
立花は、酔いが回ってきたところで、少し表情が変わった。
「この前ね、急遽帯広に行ってもらった社員がいてね。後々噂で聞いたんだけど、先週も家族で帯広に行ったばかりだったらしいんだ。本当に申し訳ないことをしたなって思って、色々諸事情もあったから致し方ないんだけどさ・・」
本当にこの人は良い人だ。
かえでは関心していた。
立花は、焼酎を飲み干し、かえでを見つめた。
「ちょっとご相談があるんだよねえ・・・」
「何でしょうか?」
「実はね、うちの娘受験に失敗して浪人しちゃってね。せっかくだから、入学金は自分で稼ぎたいって言うこと聞かないんだ。だから、勉強しながら夜はコンビニとかで働けば良いと思ったんだけど、いかんせん、こんな田舎だから求人なくてね。かえでさんこの前言ってたよね?若い子でも入ってくれたらなーって」
え、私そんなこと言ってたの?ホントに恥ずかしいんだけど。お酒って怖いですね。かえでは穴に隠れたい気持ちでいっぱいである。
「まあ、酔いが回っていたし、かえでさんの本心かどうかわからないけどさ、ここだったら別に夜の仕事とはいえど安心して預けられるなって。だからさ、ここで雇ってくんないかな?」
「本当にいいんですか?確かに若い子が欲しくてね、ちょうど今悩んでたんですよ。ハハハ!」かえでは少し引き攣った顔をした。
かえでは話を続けた。
「でもね立花さん、すごく嬉しいんだけど、お客さんすごい来るとは限らないし、正直給料だってちゃんと払えるかわかんないですよ?」
「いや、いいんだよ最低賃金だけでも保証してくれれば。ちょっとだけ働いて、他の時間は勉強にあてさせたいんだ」
「わかりました!短時間なら払えます!いいですよ!今度面接しましょう。まあ、立花さんの娘さんなら面接もいらないですね」
「ありがとう!本当に助かるよ!さすが、かえでさんだね」立花は上機嫌である。
「ちなみに名前聞いてもいいですか?」
「『立花絵美』だよ、よろしく!」
「承知しましたよ!」
かえでは、立花の見えないところでガッツポーズをした。
・・・あ、ひかりに折り返し電話するの忘れてた。
さすがに帰りは2人とも電車で帰ることとした。
やっぱり帯広は最高だった。また行きたいなと思うが、 やっぱり遠いな。砂川からは片道で180kmはあるし。
かえでは、この3日間の帯広の思い出をひとつずつ思い出してみた。
まずは、朝起きて2日酔いで始まったこと。砂川駅から札幌駅まで行って、謎の男に出会い、それがまさかのひかりの彼氏であったこと。
・・・その時点では彼氏ではなかったけどね。
でも、かえでは思った。
その男が私と同じような夜の仕事をしていた人、金使いの荒いひかりが付き合うなんて、その類の人しかいないと。
今回の旅はよくよく考えれば現実逃避の旅だったのかもしれない。
最近はお客様もこないし、営業成績が本当に悪い。可愛い女の子でも来てくれれば、うちの店も繁盛するのだろうか。でも、そんなツテは私にはないし、どうしたら良いんだろう。あのホストクラブの男が斡旋してくれないかな。でも、娘の彼氏に斡旋してもらうってちょっと道徳的によろしくないよね。というか、砂川だし。
『次は~芽室(めむろ)~芽室~』
ようやく芽室まできた。芽室は、特に有名なものといえばこれ!というモノが思いつかないものの、実は『コーン炒飯』が有名である。 一度食べてみたいと思うが、実行に移せていない。
プルプルプル・・・
電話が鳴っている。多分ひかりからだろう。
昨日、一方的に話を進めて一方的に電話を切ったから気持ちが動揺しているのだろう。
かえで、はちょっとひどいことをしたかもと反省した。
・・・まあ酔っ払っていたし、仕方ないさ。
かえでは電話を切った。
砂川についたらかけなおそう。
2人は札幌に到着した。ここで陽子と別れなければならない。かえでは改札まで見送り、大きく手を振った。
砂川までは電車で1時間もかからないので、帯広~札幌に比べたら短く感じる。さて、到着したら今日の営業が準備をしよう。
夜6時、営業開始。かえではお店のシャッターを開けた。今日は何人来てくれるだろうか。
夜7時・・8時・・
無残にも時間は過ぎていく。
・・・カランコロンカラン
お客様が来たようだ。
どうやら、この前来てくれた部下思いの立花さんみたいだ。
「いらっしゃいませ~!」
「お!元気そうだね!」立花は左手を肩の高さまで上げて、小さく手を振った。
かえではいつも通り、世間話をしつつ、お酒をカウンターからそそぎ続けた。
立花は、酔いが回ってきたところで、少し表情が変わった。
「この前ね、急遽帯広に行ってもらった社員がいてね。後々噂で聞いたんだけど、先週も家族で帯広に行ったばかりだったらしいんだ。本当に申し訳ないことをしたなって思って、色々諸事情もあったから致し方ないんだけどさ・・」
本当にこの人は良い人だ。
かえでは関心していた。
立花は、焼酎を飲み干し、かえでを見つめた。
「ちょっとご相談があるんだよねえ・・・」
「何でしょうか?」
「実はね、うちの娘受験に失敗して浪人しちゃってね。せっかくだから、入学金は自分で稼ぎたいって言うこと聞かないんだ。だから、勉強しながら夜はコンビニとかで働けば良いと思ったんだけど、いかんせん、こんな田舎だから求人なくてね。かえでさんこの前言ってたよね?若い子でも入ってくれたらなーって」
え、私そんなこと言ってたの?ホントに恥ずかしいんだけど。お酒って怖いですね。かえでは穴に隠れたい気持ちでいっぱいである。
「まあ、酔いが回っていたし、かえでさんの本心かどうかわからないけどさ、ここだったら別に夜の仕事とはいえど安心して預けられるなって。だからさ、ここで雇ってくんないかな?」
「本当にいいんですか?確かに若い子が欲しくてね、ちょうど今悩んでたんですよ。ハハハ!」かえでは少し引き攣った顔をした。
かえでは話を続けた。
「でもね立花さん、すごく嬉しいんだけど、お客さんすごい来るとは限らないし、正直給料だってちゃんと払えるかわかんないですよ?」
「いや、いいんだよ最低賃金だけでも保証してくれれば。ちょっとだけ働いて、他の時間は勉強にあてさせたいんだ」
「わかりました!短時間なら払えます!いいですよ!今度面接しましょう。まあ、立花さんの娘さんなら面接もいらないですね」
「ありがとう!本当に助かるよ!さすが、かえでさんだね」立花は上機嫌である。
「ちなみに名前聞いてもいいですか?」
「『立花絵美』だよ、よろしく!」
「承知しましたよ!」
かえでは、立花の見えないところでガッツポーズをした。
・・・あ、ひかりに折り返し電話するの忘れてた。
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