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平成30年1月13日 坂本かえで
遭遇
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砂川駅に着いた。相変わらず寂れているが、空いていて丁度よいのかもしれない。かえではチケットを購入した。砂川から札幌までは短距離であるが、札幌から帯広までは少々長旅になるため、ゆっくり座って行けるよう札幌から帯広までの指定席を購入した。
スマートフォンの画面を見て、集合時間と場所を再確認した。昼食を札幌駅で食べたのち、帯広へ向けて出発する。宿泊地は、真っ黒い温泉で美肌効果が望める『モール温泉』がある十勝第一ホテルである。とても楽しみである。
今日も雪が深々と降っている。そんな寒い中、ホームで電車を待っていた。
今日は人がまばらだ。若い夫婦が1組、あと3人程度だろうか。
この程度であれば、自由席でも悠々と座れそうだ。
電車に乗り込むと、予定通り席を確保した。
普段なら窓側の席に座るが、待ち合わせの時間を考えると、今回はあえて通路側に座った。また、昨日の飲みすぎが影響して、頻繁にトイレに行きたくなりそうなのも理由の1つである。
かえでは、キャリーケースを窓側に寄せることで、転がって通路に行かないように自分自身の身体で止めていた。
ガタンゴトン・・ガタンゴトン・・
揺れが気持ち良い。でも、2日酔は気持ち悪い。
ガタンゴトン・・ガタンゴトン・・
胸焼けがする。
かえでは、反射的に座席を倒した。
すると、後ろの男性から「なんだよ、断りくらいいれろよ」と文句を言われてしまった。
これはイケない。謝罪しようと座席から顔を出した。
どうやらこの男性は、先ほど砂川駅のホームで見かけた若い夫婦のようだ。
チラッと奥さん側を見ると、雑誌を読んでいる。しかも帯広特集である。もしや行先が一緒なのでは?
かえでは、謝罪ついでに話しのネタとして、行先をきいてみた
「あら、ごめんなさい。起こしちゃったのね。あなたたちはどこまで行くの?」
すると男性は、少し怪訝そうな顔で
「帯広です」と答えた。
「あら!わたしもなのよ?奇遇ね、お名前は?」
かえでは職業癖で、つい名前を尋ねてしまった。お客さんのボトルキープをするとき、酔いが回る前に聞き出すためである。
「『キリシマ』です」
『キリシマ』かなかなか珍しい名字である。
「へー、珍しい名字なのね。どういう漢字書くの?桐タンスの桐?それとも天気の霧?」
また職業癖が・・
「天気の霧です。島は普通の島です。ヤマドリじゃない方の」
男性はめんどくさそうに答えた。
ここまで来たら、もう少し話してみよう。携帯で名前の由来を調べた。
「霧島って名字はね、鹿児島とかに多いみたいよ。両親、九州の人?」
「いいえ違います。北海道生まれですよ」
そういうと、男性は携帯をいじり始めた。
流石に嫌がっているのだろうか。とりあえず話を切ろう。
「そうなのね、珍しいわね」
そう言い残し、前を向いた。
絶対、私のこと『不思議なおばさん』って思ってるだろうな・・
スマートフォンの画面を見て、集合時間と場所を再確認した。昼食を札幌駅で食べたのち、帯広へ向けて出発する。宿泊地は、真っ黒い温泉で美肌効果が望める『モール温泉』がある十勝第一ホテルである。とても楽しみである。
今日も雪が深々と降っている。そんな寒い中、ホームで電車を待っていた。
今日は人がまばらだ。若い夫婦が1組、あと3人程度だろうか。
この程度であれば、自由席でも悠々と座れそうだ。
電車に乗り込むと、予定通り席を確保した。
普段なら窓側の席に座るが、待ち合わせの時間を考えると、今回はあえて通路側に座った。また、昨日の飲みすぎが影響して、頻繁にトイレに行きたくなりそうなのも理由の1つである。
かえでは、キャリーケースを窓側に寄せることで、転がって通路に行かないように自分自身の身体で止めていた。
ガタンゴトン・・ガタンゴトン・・
揺れが気持ち良い。でも、2日酔は気持ち悪い。
ガタンゴトン・・ガタンゴトン・・
胸焼けがする。
かえでは、反射的に座席を倒した。
すると、後ろの男性から「なんだよ、断りくらいいれろよ」と文句を言われてしまった。
これはイケない。謝罪しようと座席から顔を出した。
どうやらこの男性は、先ほど砂川駅のホームで見かけた若い夫婦のようだ。
チラッと奥さん側を見ると、雑誌を読んでいる。しかも帯広特集である。もしや行先が一緒なのでは?
かえでは、謝罪ついでに話しのネタとして、行先をきいてみた
「あら、ごめんなさい。起こしちゃったのね。あなたたちはどこまで行くの?」
すると男性は、少し怪訝そうな顔で
「帯広です」と答えた。
「あら!わたしもなのよ?奇遇ね、お名前は?」
かえでは職業癖で、つい名前を尋ねてしまった。お客さんのボトルキープをするとき、酔いが回る前に聞き出すためである。
「『キリシマ』です」
『キリシマ』かなかなか珍しい名字である。
「へー、珍しい名字なのね。どういう漢字書くの?桐タンスの桐?それとも天気の霧?」
また職業癖が・・
「天気の霧です。島は普通の島です。ヤマドリじゃない方の」
男性はめんどくさそうに答えた。
ここまで来たら、もう少し話してみよう。携帯で名前の由来を調べた。
「霧島って名字はね、鹿児島とかに多いみたいよ。両親、九州の人?」
「いいえ違います。北海道生まれですよ」
そういうと、男性は携帯をいじり始めた。
流石に嫌がっているのだろうか。とりあえず話を切ろう。
「そうなのね、珍しいわね」
そう言い残し、前を向いた。
絶対、私のこと『不思議なおばさん』って思ってるだろうな・・
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