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平成30年2月19日
告白
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ガチャ・・
会議室のドアが閉まった。
1度、深呼吸をして悠一は口を開いた。
「大久保くん、どうしたんだい?」
「実は・・僕、立花主任が辞めた理由を知ってるんです」
「・・・え、本当に?」
とりあえずは、秀人が辞める話じゃなくて良かった。
しかし何故、理由を知っているのだろう。
「霧島さん、僕と飲みに行ったの憶えてます?」
「えっと・・」
・・悠一は記憶を巡らせた。
「あの時かな?日帰り帯広出張の帰り、札幌で飲んだときかな?」
「そうです、あの時立花主任、僕のこと連れていけって言いましたよね?」
「確かに言ってたね。教育的観点かなって思ってたけど」
「実はあれ、急遽そうなった訳じゃないんです。計画されてたんです」
「え、そうなの?じゃあ、大久保くんは前日から知ってたの?」
「そうです、そしてその出張の目的は取引先への挨拶がメインじゃなくて、僕と霧島さんを2人にして、本音を聞き出してこいと」
「え・・じゃあもしかして飲み会来てくれたのも・・」
「そうです、もともとは僕から誘おうと思ってたんですが、都合よくって言ったら言葉悪いですけど、霧島さんから誘いが来て・・」
大久保が申し訳なさそうにしている。
「まあ、ここまでは了解したよ。でも、俺の本音を引出すのと、立花主任が辞めるのが、どうにも繋がらないんだけど」悠一が大久保を問い詰めた。
「もともと、会社辞めて独立しようって思ってたらしいです。霧島さんもご存知のことですけど昔の職場でイジメにあってたので、転職先では絶対にイジメられたくなくて必死だったみたいです」
「それなら、あの性格を治したほうが良くないか?」
悠一がひきつった笑顔で言った。
「あれ、わざとなんです」
「え?」
「主任という立場になってから、あえて自分が嫌われ者になることで、社員同士の結束力を高めようとしたらしいんです。そしたら、社員同士のイジメも起きないだろうって。立花主任が思う『理想郷』に近づくだろうって」
大久保は話を続けた。
「あの時、霧島さんが言った言葉をそのまま伝えたんです。『理想郷をつくりたいのなら、独立でもして会社建てちゃえばいいのに。』って言ってたこと」
「・・・まさかだけど、それを本気にしちゃったの?あの人」
「そうです、決め手になったんです・・最後の望みだったみたいです。必要と言ってくれたら、転職辞めようとしてたらしいんです」
・・2人の間に沈黙が流れた。
悠一が沈黙を破った。
「なら、その理想郷をこの会社で作ろうとせず、道半ばで辞めてしまったのは何故かな?」
「道半ばで諦めてしまった理由は、ちょうど『タイミング』が合ったそうなんです。詳しくは教えてもらえなかったです」
何のタイミングだろう、でもわからないことを追求しても仕方ない。
「総括すると、結果的には・・俺がトドメ刺したことになるのか・・」
「すいません、僕も立花主任へ正直に言い過ぎました」
「気にしなくていい、仕事しただけなんだから」
悠一は大久保を慰めた。
「質問だらけで申し訳ないけど最後にひとつだけ教えて」
「何でしょうか?」
「何故、立花主任は大久保くんに、自分が独立すること教えてくれたの?」
「その理由は・・僕も一緒に独立しないかと誘われたからです」
「・・なるほどね」
悠一は小さく頷いた。
「そして、僕は・・・・」
「・・え?」
会議室のドアが閉まった。
1度、深呼吸をして悠一は口を開いた。
「大久保くん、どうしたんだい?」
「実は・・僕、立花主任が辞めた理由を知ってるんです」
「・・・え、本当に?」
とりあえずは、秀人が辞める話じゃなくて良かった。
しかし何故、理由を知っているのだろう。
「霧島さん、僕と飲みに行ったの憶えてます?」
「えっと・・」
・・悠一は記憶を巡らせた。
「あの時かな?日帰り帯広出張の帰り、札幌で飲んだときかな?」
「そうです、あの時立花主任、僕のこと連れていけって言いましたよね?」
「確かに言ってたね。教育的観点かなって思ってたけど」
「実はあれ、急遽そうなった訳じゃないんです。計画されてたんです」
「え、そうなの?じゃあ、大久保くんは前日から知ってたの?」
「そうです、そしてその出張の目的は取引先への挨拶がメインじゃなくて、僕と霧島さんを2人にして、本音を聞き出してこいと」
「え・・じゃあもしかして飲み会来てくれたのも・・」
「そうです、もともとは僕から誘おうと思ってたんですが、都合よくって言ったら言葉悪いですけど、霧島さんから誘いが来て・・」
大久保が申し訳なさそうにしている。
「まあ、ここまでは了解したよ。でも、俺の本音を引出すのと、立花主任が辞めるのが、どうにも繋がらないんだけど」悠一が大久保を問い詰めた。
「もともと、会社辞めて独立しようって思ってたらしいです。霧島さんもご存知のことですけど昔の職場でイジメにあってたので、転職先では絶対にイジメられたくなくて必死だったみたいです」
「それなら、あの性格を治したほうが良くないか?」
悠一がひきつった笑顔で言った。
「あれ、わざとなんです」
「え?」
「主任という立場になってから、あえて自分が嫌われ者になることで、社員同士の結束力を高めようとしたらしいんです。そしたら、社員同士のイジメも起きないだろうって。立花主任が思う『理想郷』に近づくだろうって」
大久保は話を続けた。
「あの時、霧島さんが言った言葉をそのまま伝えたんです。『理想郷をつくりたいのなら、独立でもして会社建てちゃえばいいのに。』って言ってたこと」
「・・・まさかだけど、それを本気にしちゃったの?あの人」
「そうです、決め手になったんです・・最後の望みだったみたいです。必要と言ってくれたら、転職辞めようとしてたらしいんです」
・・2人の間に沈黙が流れた。
悠一が沈黙を破った。
「なら、その理想郷をこの会社で作ろうとせず、道半ばで辞めてしまったのは何故かな?」
「道半ばで諦めてしまった理由は、ちょうど『タイミング』が合ったそうなんです。詳しくは教えてもらえなかったです」
何のタイミングだろう、でもわからないことを追求しても仕方ない。
「総括すると、結果的には・・俺がトドメ刺したことになるのか・・」
「すいません、僕も立花主任へ正直に言い過ぎました」
「気にしなくていい、仕事しただけなんだから」
悠一は大久保を慰めた。
「質問だらけで申し訳ないけど最後にひとつだけ教えて」
「何でしょうか?」
「何故、立花主任は大久保くんに、自分が独立すること教えてくれたの?」
「その理由は・・僕も一緒に独立しないかと誘われたからです」
「・・なるほどね」
悠一は小さく頷いた。
「そして、僕は・・・・」
「・・え?」
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