窓側の指定席

アヒルネコ

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平成30年1月25日

抜けない刃

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 朝起きると、珍しく綾がまだ寝ている。スースーと寝息が聞こえる。悠一は綾を起こさないように静かにベットから出た。
 パンにチーズを乗せ、焼いていると綾が起きてきた。
「おはよう、今日も寒いね」悠一が優しく声をかけた。
「本当にね、今だけ沖縄行きたい」
「はは、北海道民なら誰しも一度は思うよね」


・・チーン

パンが焼けたようだ。

「ねえ、今日は帰り早い?」
「7時過ぎだと思うけど、何かあった?」
「いや、特に何も。最近疲れているみたいだし早く帰ってきた方がいいよ」
「・・そうだな、そうするよ」

 今日は雪が深い。長靴で行こう。
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
悠一はゆっくりと玄関を開けた。

 会社に着くと、大久保秀人がコーヒー豆をセットしている・・かと思いきや、いない。この雪のせいで、車が渋滞しているだろう。久々の1番乗りである。
 悠一がコーヒー豆をセットしていると、会社のドアが開いた。大久保くんかな?

・・と思いきや、立花主任だった。

「今日は雪が深いから渋滞するかと思って早く出てきたら、案外早くついたよ。あ、家がすぐ近くの悠一くんには関係ないかな」

 相変わらず1言多い。辞める直前もこうなのか。
でも、やっと2人になれた。

・・・きくなら今しかない。


「立花主任、教えて下さい。なぜ、突然辞めるんですか?」

・・沈黙が続いた。

「・・君には関係ない話だ」
「ならなぜ、私に相談を?」

「・・いつかわかる日が来るさ」
そう言うと、立花は席についた。

悠一も、質問しても無駄だと悟り、席についた。

・・いつかわかる?なぜ時間が必要なのだろう。悠一は立花に対する疑念がより深まった。
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