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平成30年1月20日
出会い
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『カチカチカチ・・・・』
ハザードの音が聞こえる。
家の前にタクシーが到着した。浩二は社内に乗り込んだ。今日のことを思い出しつつ、酒に浸りに行こうとしているのだ。
そもそも、高嶺の花だったのかも知れない。こんなお腹ポッコリくるくる天然パーマが、あんな可愛い子と結ばれることなどなかったのだ。落ち込むことではなく、自分をほめてやろう。浩二は思考が止まらなかった。
無事にタクシーが繁華街に到着した。ここはいつもどおり、騒がしい。でも浩二は独りでしっぽりと飲みたい。あるいは、話を聞いてくれそうな空いてるスナックでも入ろうか・・
歩き慣れている道のはずなのに、普段なら気にならない店の名前が目に入ってきた。
『スナック ひかり』か・・
なんで、こんな時に限ってこんな所を見つけてしまうのだろう。でも、浩二は何か惹かれるものを感じていた。
「行ってみるか」ボソッと独り言で呟くと、浩二の体は自然とお店に向かっていった。
「すいません、男1人だけど入れます?」と店の奥に聞こえるように言うと、中から恰幅の良い女性が出てきた。
「はい!どうぞー。こんな早い時間から飲みにくるなんて、悩みでもあるのかい?」
「え・・?」
浩二はドキッとした。なんだこのおばさん、人の心読めるのか?妙な感覚を覚えた。
「そのポッコリしたお腹、ビール党だね。生ビールでいいかい?」
「はい、頼むわ!」浩二は元気良く答えた。
浩二は、すでにこの店が気に入っていた。おばさんの愛想も良いし、ちょっと汚いくらいの店内が心地よい。
店の名前さえ違えばもっと良いのだが・・
飲み始めて1時間が過ぎただろうか。店のドアがあいた。
「いらっしゃ・・あ!絵美ちゃん!早めにきてくれたんだねありがとう!」おばさんの威勢の良い言葉が響き渡る。
「うん!今日は土曜日だからこむかなーって!」
「助かるわー、ホント良い子ね!」
・・ドカーーーン。
浩二の心に、雷が落ちた。
・・なんて美しい人なんだ。
もちろん、ひかりちゃんだって美しいけど、比にならない。スラッとしたモデル体型、屈託のない笑顔、どこか子供っぽさを感じる声質。
浩二は、『スナック ひかり』の『絵美』に虜になった。
数時間はたっただろうか、客1人来ない。でも、浩二と絵美は長いこと会話している。楽しすぎて、すでに横の席で飲んでいる。
出身地が遠い東の果てにある根室市であること。もともと、砂川市の近くにある滝川市へ、付き合っていた彼氏の転勤に伴いついていき、結婚しようとしていたが婚約直前に大喧嘩をしてしまい破局してしまったこと。見かけによらず、三度の飯よりラーメンが好きなこと。その他、沢山聞いたが酒のせいもありまったく覚えられていない。
「浩二さんと話してるととっても楽しい!」
「俺も、絵美ちゃんと話してるととっても楽しいよ!ねえ、連絡先とか聞いてもいい?それとも店にこなきゃダメかな?」
「ううん!教える!今度さラーメン食べに行こう?」
やったー!まさかの、絵美ちゃんからのデートのお誘い!
ラーメンデートとはいえど、興奮が覚めない。
「おばさん、ほんと運命の出会いだよ!ありがとう!」浩二はおばさんにお礼を言った。
「なんにも私はしてないよ!お店きてくれてありがとね!絵美ちゃんのことよろしくね!」スナックのおばさんがニヤニヤしている。
「お任せください!!」
浩二は、自信満々に言った。
こうして浩二は、ひかりちゃんと結ばれなかったことなどキレイさっぱり忘れているのであった。
ハザードの音が聞こえる。
家の前にタクシーが到着した。浩二は社内に乗り込んだ。今日のことを思い出しつつ、酒に浸りに行こうとしているのだ。
そもそも、高嶺の花だったのかも知れない。こんなお腹ポッコリくるくる天然パーマが、あんな可愛い子と結ばれることなどなかったのだ。落ち込むことではなく、自分をほめてやろう。浩二は思考が止まらなかった。
無事にタクシーが繁華街に到着した。ここはいつもどおり、騒がしい。でも浩二は独りでしっぽりと飲みたい。あるいは、話を聞いてくれそうな空いてるスナックでも入ろうか・・
歩き慣れている道のはずなのに、普段なら気にならない店の名前が目に入ってきた。
『スナック ひかり』か・・
なんで、こんな時に限ってこんな所を見つけてしまうのだろう。でも、浩二は何か惹かれるものを感じていた。
「行ってみるか」ボソッと独り言で呟くと、浩二の体は自然とお店に向かっていった。
「すいません、男1人だけど入れます?」と店の奥に聞こえるように言うと、中から恰幅の良い女性が出てきた。
「はい!どうぞー。こんな早い時間から飲みにくるなんて、悩みでもあるのかい?」
「え・・?」
浩二はドキッとした。なんだこのおばさん、人の心読めるのか?妙な感覚を覚えた。
「そのポッコリしたお腹、ビール党だね。生ビールでいいかい?」
「はい、頼むわ!」浩二は元気良く答えた。
浩二は、すでにこの店が気に入っていた。おばさんの愛想も良いし、ちょっと汚いくらいの店内が心地よい。
店の名前さえ違えばもっと良いのだが・・
飲み始めて1時間が過ぎただろうか。店のドアがあいた。
「いらっしゃ・・あ!絵美ちゃん!早めにきてくれたんだねありがとう!」おばさんの威勢の良い言葉が響き渡る。
「うん!今日は土曜日だからこむかなーって!」
「助かるわー、ホント良い子ね!」
・・ドカーーーン。
浩二の心に、雷が落ちた。
・・なんて美しい人なんだ。
もちろん、ひかりちゃんだって美しいけど、比にならない。スラッとしたモデル体型、屈託のない笑顔、どこか子供っぽさを感じる声質。
浩二は、『スナック ひかり』の『絵美』に虜になった。
数時間はたっただろうか、客1人来ない。でも、浩二と絵美は長いこと会話している。楽しすぎて、すでに横の席で飲んでいる。
出身地が遠い東の果てにある根室市であること。もともと、砂川市の近くにある滝川市へ、付き合っていた彼氏の転勤に伴いついていき、結婚しようとしていたが婚約直前に大喧嘩をしてしまい破局してしまったこと。見かけによらず、三度の飯よりラーメンが好きなこと。その他、沢山聞いたが酒のせいもありまったく覚えられていない。
「浩二さんと話してるととっても楽しい!」
「俺も、絵美ちゃんと話してるととっても楽しいよ!ねえ、連絡先とか聞いてもいい?それとも店にこなきゃダメかな?」
「ううん!教える!今度さラーメン食べに行こう?」
やったー!まさかの、絵美ちゃんからのデートのお誘い!
ラーメンデートとはいえど、興奮が覚めない。
「おばさん、ほんと運命の出会いだよ!ありがとう!」浩二はおばさんにお礼を言った。
「なんにも私はしてないよ!お店きてくれてありがとね!絵美ちゃんのことよろしくね!」スナックのおばさんがニヤニヤしている。
「お任せください!!」
浩二は、自信満々に言った。
こうして浩二は、ひかりちゃんと結ばれなかったことなどキレイさっぱり忘れているのであった。
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