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謎めくものたち
ヒトカラスが拘る理由
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留 王龍の提案に、ヒトカラスは渋々だけど承諾した。冋 花月たちはヒトカラスが待つ客間へと向かう。
けれど……
客間に入った瞬間、冋 花月はヒトカラスに抱きつかれてしまった。ギュウと抱きしめられ、これでもかというほどに顔を触られてしまう。
──なんでだろう……すごく嫌だ。気持ち悪い。留 王龍に触れられたときは嬉しくて、暖かい気持ちになれるのに。この男に触られただけで吐き気がする。
冋 花月は作り笑顔で対応した。
留 王龍の方が痺れを切らし、ヒトカラスから冋 花月を引き剥がしてくれる。そのまま胸に抱かれた瞬間、冋 花月はホッとしてしまった。
この気持ちはなんだろうかと考えていたら、頭上から舌打ちをするような声が聞こえる。見上げればそこには留 王龍がいた。どうやら彼の舌打ちだったよう。
普段の品のある姿からは想像がつかないようなガラの悪さだ。
──いや……大きな犬みたいなことをしてくるから、それはそれで間違ってはいないのかな?
などという、現実逃避をしてみた。
冋 花月の頭上で図体の大きな男が二人、火花を散らしている。そんな、誰の特にもならない光景を見せられている冋 花月にとって、ため息案件だった。
「……ねえ。もう僕、帰っていいかな?」
「そうはいかぬ。小兎の身を案じてのことだ。お前は、ここ……いや。私のそばを離れてはならぬ」
「えー? 僕、もう帰りたいよ」
どさくさに紛れて冋 花月の腰を掴んできた。冋 花月はジタバタとするけれど、まったく歯が立たず。
──何か、それはそれで腹が立つな。
冋 花月がむすーとしていると、突然彼の手が離れた。
「私は、小兎を失いたくない。君を失ってしまったら、國を束ねることなどできなくなる」
冋 花月の気持ち次第で留 王龍が皇帝のままでいられるのだと、遠回しな言い方をされてしまう。
そんな重たい気持ちを与えられても、冋 花月は痛くも痒くもなかった。気にしていないわけではないけれど、そこまで重い感情を受け入れるだけの自信がなかったのだ。
当たり障りのない受け答えで、彼の気持ちを交わす。
「……そう言ってくれるのは嬉しいけど」
「ふっ。いずれ私からではなく、小兎から言わせてみせるさ」
「えー? そういう問題? ……まあ、いいか」
胸の奥が少しだけ照れ臭くなる。そしてヒトカラスへと向き直り、軽く拱手した。
「ヒトカラス王、あなたのお気持ちは嬉しいです。ですが僕は、あなたの気持ちに応えることはできません。本当に、ごめんなさい!」
顔を上げる。
するとヒトカラスは予想しなかった表情になっていた。眉を潜めた小難しい……そうじゃないと言いたげな眼差しをする。
冋 花月と留 王龍は顔を見合せ、困惑した。どうやら、惚れた惚れないという言葉だけでは終わらない何かがあるよう。
「……小兎、君はどう考える?」
「わからない。何かあるような気はするんだけど……」
僕らは互いに頷きあった。そしてヒトカラスを直視する。
「ヒトカラス殿、どうにも貴殿からは、小兎への恋とは違う何かを感じる。もちろん、恋をしたという言葉は否定せぬ。ただ……それだけではないのでは?」
そう、彼が尋ねた。するとヒトカラスは真剣な面持ちで頷く。踵を返し、窓の外を眺めているようだった。
少しだけの沈黙が流れ……
「──気だ」
ヒトカラスから、そんな言葉が洩れた。
──き、とは、何だろうか?
冋 花月は首を傾げながら、飾り窓の外にある庭の木を指差した。
ヒトカラスは苦笑いしながら首を左右にふる。僕らへと振り向き、右手を前に出した。瞬間、ヒトカラスの右手から青白い焔が現れる。
「……っ!?」
冋 花月、そしてその場にいる留斗の民たちは驚愕した。それは留 王龍とて例外ではない。彼は目を見開き、言葉を失っていた。
「これが気だ。俺たちジパングの民には昔から、体内の生命力を力に変える能力を持っている。これで病気を治療する者もいれば、盗賊に投げつけて退治する者もいる」
飾り窓の外にある木を指差し、試してもいいかと問う。留 王龍が軽く頷くと同時に、飾り窓の隙間から気を投げた。
するとそれは、目にもとまらぬ速さで木に向かっていく。かと思えば木にぶつかり、そのまま上下真っ二つにしてしまう。
ドスンっていう衝撃とともに、冋 花月たちは息を飲んだ。
留 王龍は「ほう?」と感心しながら、飾り窓の隙間から庭をのぞく。腕を組んで飾り窓を背に、ヒトカラスへと不敵な笑みを送った。
「……なるほど。これが気か。そういえば、亡き父に聞いたことがある。不思議な術を使う民たちが、大陸の外にいると。そうか……ジパングのことだったのか」
「ジパングは海に囲まれた國だからな。外と交流自体がなかなか出来なくてな。それよりも……」
ヒトカラスは留 王龍……ではなく、冋 花月を見つめてくる。そして冋 花月を指差した。
「冋 花月、君はかなり不思議な気を纏っているようだ。人と同じようで、どこか違う。ただ……」
冋 花月の前まで進む。見下ろしながら、頬を触ってきた。
「見たこともないような、暖かさがある。淡く光り、それでいて、この世とは違う。どこか神にも似た……不思議で、言葉にするのが難しいような気だ」
これ以上は噛み砕いて話すのは難しい。そう、言われてしまった。
「気というのは、この國の言葉に変えるなら霊力だ。冋 花月はその力が異常なまでに強く、眩しいほどに輝いている」
──霊力。その言葉は覚えがある。
大陸にある留斗を含むたくさんの國には、遥か昔から妖怪という化物がいた。その化物は人ならざる者で、人知を越えた力を持っていたらしい。
それに対抗するのが霊力という、体内に潜む不思議な能力を持った人たちだった。彼ら、あるいは彼女たちは、存在そのものが幻と言われている。
現在でも、解明できない不思議な力を持つ者もチラホラいるという話だった。
──そういえば龍吮の中には、人並み外れた身体能力を持つ人たちがいる。もしかしたら、動物の遺伝子そのものが、霊力に関係しているのかもしれない。
「……うーん。あのね? ヒトカラスの話を聞いて思い出したことがあるんだ。子供の頃、町の本屋さんで、仙人と動物の遺伝子について書かれた本を読んだことがある」
そこに、ヒトカラスが説明してくれたことと似たような内容が書かれていた。
「……でも、僕は何でもない一市民だよ? そんなどこにでもいる市民が、強い霊力なんて持ってるのかな?」
自身を否定しつつ、実のところは内容そのものに興味を示す。沸き上がるわくわく感を隠しながら、霊力という言葉に反応し続けていた。
そのとき、うさぎの耳のようだと言われ続けている、頭部にある左右のコブ。これを覆う髪の毛がピコピコ揺れてしまった。
緊張したり驚いたりという、感情の高ぶりによってどうしても動いてしまうよう。
留 王龍やヒトカラス、そしてその場にいる数人の兵や宦官たちからは、かなり熱い視線を受けていた。特に二人の王からの視線は熱く、彼らは目で動きを追いかけている。
恥ずかしくなった冋 花月は、コブを両手で隠す。ぷうーと頬を膨らませ、彼らを睨んだ。
「ともかく! それと、僕を追いかけ回す意味が繋がらないと思うんだけど!?」
冋 花月の行く先々についてくるヒトカラスに、ハッキリと伝える。
すると、ヒトカラスはにやつく。
「いいや。ある! 俺の國では、王は強い霊力を持つ者を妻をしてきた。これは昔からの決まりだ!」
とどのつまり、膨大な霊力を持つ冋 花月を嫁に迎えたい。だった。
──だからといって、他國の王の婚約者を奪おうとするのはどうなんだろう? 最悪、戦争に発展してしまう気がする。
「……わっ!」
そのとき、留 王龍に腰を掴まれてしまった。グイッと引っぱられて、両脇に手を入れられる。そのまま持ち上げられて、お腹の辺りをすーはーされた。
やがて鬼の形相になり、ヒトカラスに圧をかける。
睨まれたヒトカラスは、それを諸ともしなかった。カラカラと笑っては、留 王龍と火花を散らしていく。
──ああ……これは、ひと波乱あるな。絶体に。
けれど……
客間に入った瞬間、冋 花月はヒトカラスに抱きつかれてしまった。ギュウと抱きしめられ、これでもかというほどに顔を触られてしまう。
──なんでだろう……すごく嫌だ。気持ち悪い。留 王龍に触れられたときは嬉しくて、暖かい気持ちになれるのに。この男に触られただけで吐き気がする。
冋 花月は作り笑顔で対応した。
留 王龍の方が痺れを切らし、ヒトカラスから冋 花月を引き剥がしてくれる。そのまま胸に抱かれた瞬間、冋 花月はホッとしてしまった。
この気持ちはなんだろうかと考えていたら、頭上から舌打ちをするような声が聞こえる。見上げればそこには留 王龍がいた。どうやら彼の舌打ちだったよう。
普段の品のある姿からは想像がつかないようなガラの悪さだ。
──いや……大きな犬みたいなことをしてくるから、それはそれで間違ってはいないのかな?
などという、現実逃避をしてみた。
冋 花月の頭上で図体の大きな男が二人、火花を散らしている。そんな、誰の特にもならない光景を見せられている冋 花月にとって、ため息案件だった。
「……ねえ。もう僕、帰っていいかな?」
「そうはいかぬ。小兎の身を案じてのことだ。お前は、ここ……いや。私のそばを離れてはならぬ」
「えー? 僕、もう帰りたいよ」
どさくさに紛れて冋 花月の腰を掴んできた。冋 花月はジタバタとするけれど、まったく歯が立たず。
──何か、それはそれで腹が立つな。
冋 花月がむすーとしていると、突然彼の手が離れた。
「私は、小兎を失いたくない。君を失ってしまったら、國を束ねることなどできなくなる」
冋 花月の気持ち次第で留 王龍が皇帝のままでいられるのだと、遠回しな言い方をされてしまう。
そんな重たい気持ちを与えられても、冋 花月は痛くも痒くもなかった。気にしていないわけではないけれど、そこまで重い感情を受け入れるだけの自信がなかったのだ。
当たり障りのない受け答えで、彼の気持ちを交わす。
「……そう言ってくれるのは嬉しいけど」
「ふっ。いずれ私からではなく、小兎から言わせてみせるさ」
「えー? そういう問題? ……まあ、いいか」
胸の奥が少しだけ照れ臭くなる。そしてヒトカラスへと向き直り、軽く拱手した。
「ヒトカラス王、あなたのお気持ちは嬉しいです。ですが僕は、あなたの気持ちに応えることはできません。本当に、ごめんなさい!」
顔を上げる。
するとヒトカラスは予想しなかった表情になっていた。眉を潜めた小難しい……そうじゃないと言いたげな眼差しをする。
冋 花月と留 王龍は顔を見合せ、困惑した。どうやら、惚れた惚れないという言葉だけでは終わらない何かがあるよう。
「……小兎、君はどう考える?」
「わからない。何かあるような気はするんだけど……」
僕らは互いに頷きあった。そしてヒトカラスを直視する。
「ヒトカラス殿、どうにも貴殿からは、小兎への恋とは違う何かを感じる。もちろん、恋をしたという言葉は否定せぬ。ただ……それだけではないのでは?」
そう、彼が尋ねた。するとヒトカラスは真剣な面持ちで頷く。踵を返し、窓の外を眺めているようだった。
少しだけの沈黙が流れ……
「──気だ」
ヒトカラスから、そんな言葉が洩れた。
──き、とは、何だろうか?
冋 花月は首を傾げながら、飾り窓の外にある庭の木を指差した。
ヒトカラスは苦笑いしながら首を左右にふる。僕らへと振り向き、右手を前に出した。瞬間、ヒトカラスの右手から青白い焔が現れる。
「……っ!?」
冋 花月、そしてその場にいる留斗の民たちは驚愕した。それは留 王龍とて例外ではない。彼は目を見開き、言葉を失っていた。
「これが気だ。俺たちジパングの民には昔から、体内の生命力を力に変える能力を持っている。これで病気を治療する者もいれば、盗賊に投げつけて退治する者もいる」
飾り窓の外にある木を指差し、試してもいいかと問う。留 王龍が軽く頷くと同時に、飾り窓の隙間から気を投げた。
するとそれは、目にもとまらぬ速さで木に向かっていく。かと思えば木にぶつかり、そのまま上下真っ二つにしてしまう。
ドスンっていう衝撃とともに、冋 花月たちは息を飲んだ。
留 王龍は「ほう?」と感心しながら、飾り窓の隙間から庭をのぞく。腕を組んで飾り窓を背に、ヒトカラスへと不敵な笑みを送った。
「……なるほど。これが気か。そういえば、亡き父に聞いたことがある。不思議な術を使う民たちが、大陸の外にいると。そうか……ジパングのことだったのか」
「ジパングは海に囲まれた國だからな。外と交流自体がなかなか出来なくてな。それよりも……」
ヒトカラスは留 王龍……ではなく、冋 花月を見つめてくる。そして冋 花月を指差した。
「冋 花月、君はかなり不思議な気を纏っているようだ。人と同じようで、どこか違う。ただ……」
冋 花月の前まで進む。見下ろしながら、頬を触ってきた。
「見たこともないような、暖かさがある。淡く光り、それでいて、この世とは違う。どこか神にも似た……不思議で、言葉にするのが難しいような気だ」
これ以上は噛み砕いて話すのは難しい。そう、言われてしまった。
「気というのは、この國の言葉に変えるなら霊力だ。冋 花月はその力が異常なまでに強く、眩しいほどに輝いている」
──霊力。その言葉は覚えがある。
大陸にある留斗を含むたくさんの國には、遥か昔から妖怪という化物がいた。その化物は人ならざる者で、人知を越えた力を持っていたらしい。
それに対抗するのが霊力という、体内に潜む不思議な能力を持った人たちだった。彼ら、あるいは彼女たちは、存在そのものが幻と言われている。
現在でも、解明できない不思議な力を持つ者もチラホラいるという話だった。
──そういえば龍吮の中には、人並み外れた身体能力を持つ人たちがいる。もしかしたら、動物の遺伝子そのものが、霊力に関係しているのかもしれない。
「……うーん。あのね? ヒトカラスの話を聞いて思い出したことがあるんだ。子供の頃、町の本屋さんで、仙人と動物の遺伝子について書かれた本を読んだことがある」
そこに、ヒトカラスが説明してくれたことと似たような内容が書かれていた。
「……でも、僕は何でもない一市民だよ? そんなどこにでもいる市民が、強い霊力なんて持ってるのかな?」
自身を否定しつつ、実のところは内容そのものに興味を示す。沸き上がるわくわく感を隠しながら、霊力という言葉に反応し続けていた。
そのとき、うさぎの耳のようだと言われ続けている、頭部にある左右のコブ。これを覆う髪の毛がピコピコ揺れてしまった。
緊張したり驚いたりという、感情の高ぶりによってどうしても動いてしまうよう。
留 王龍やヒトカラス、そしてその場にいる数人の兵や宦官たちからは、かなり熱い視線を受けていた。特に二人の王からの視線は熱く、彼らは目で動きを追いかけている。
恥ずかしくなった冋 花月は、コブを両手で隠す。ぷうーと頬を膨らませ、彼らを睨んだ。
「ともかく! それと、僕を追いかけ回す意味が繋がらないと思うんだけど!?」
冋 花月の行く先々についてくるヒトカラスに、ハッキリと伝える。
すると、ヒトカラスはにやつく。
「いいや。ある! 俺の國では、王は強い霊力を持つ者を妻をしてきた。これは昔からの決まりだ!」
とどのつまり、膨大な霊力を持つ冋 花月を嫁に迎えたい。だった。
──だからといって、他國の王の婚約者を奪おうとするのはどうなんだろう? 最悪、戦争に発展してしまう気がする。
「……わっ!」
そのとき、留 王龍に腰を掴まれてしまった。グイッと引っぱられて、両脇に手を入れられる。そのまま持ち上げられて、お腹の辺りをすーはーされた。
やがて鬼の形相になり、ヒトカラスに圧をかける。
睨まれたヒトカラスは、それを諸ともしなかった。カラカラと笑っては、留 王龍と火花を散らしていく。
──ああ……これは、ひと波乱あるな。絶体に。
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