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謎めくものたち
ジパング
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資料館の出入口で謎の仔猫に遭遇した。けれど仔猫は気まぐれにどこかへと行ってしまう。
冋 花月たちは仔猫の小さくなる姿をを見つめながら、調べものを再開させた。
番人がいるという噂があっても、資料館には人がたくさんいる。
ここはある意味では宝の宝庫だ。番人を怖がっていては、調べるこもできないのではないだろうか。ここに通う人たちは皆、恐怖を押し退けて来ているのかもしれないな。
そんなどうでもいいことを考えながら、案内された場所へ着いた。そこは他國資料室という場所で文字通り、異國についてが記された本ばかりがある。
よく見たら冋 花月の故郷、龍吮もあった。
「えっと、ジパング……あっ! あれだ!」
探し物のジパングについての本は、本棚の一番上にある。ただ冋 花月の身長では届かず、椅子を探した。
素 瑶容がちょうどいい高さの梯を見つけてくれたので、それに乗る。
「ぐっ! 届かな……うーー!」
梯に乗っても届かないことに、泣きそうになった。背伸びをしても届かず、冋 花月は絶望する。それでも知りたい欲求に負け、是が非でも読んでやると息巻いた。
「んーー! と、届けーー!」
「これが読みたいのか?」
「──え?」
背伸びしても無理だ。こうなったら、危ないけど飛びはねて……そう考えていた直後、聞き慣れた声とともに、大きな手が背後から生えてきた。
驚いた冋 花月は体勢を崩してしまう。
「うわっ!」
「小兎!?」
梯が床に落ち、ガシャンッという大きな音が響いた。同時に冋 花月の身体は、大きな手によって支えられる。
「大丈夫か!? 怪我はないか!?」
心配そうに僕を眺めているのは声と手の持ち主、留 王龍だった。彼は苦虫を噛み潰したように眉をよせ、深いため息をついている。
冋 花月を腕に抱えながら、そっと床に降ろした。
「……る、留然!? え!? どうしてここに!?」
まさか、大事な会合を抜け出してしまったのだろうか。もしそうならばジパングの王、ヒトカラスが怒るだろう。下手をすると、交渉決裂になってしまう可能背があった。
冋 花月は戻るべきだと考え、彼に怒涛混じりに睨む。
「だ、大事な会合を抜け出しちゃ駄目だじゃない! 留斗の未来が……」
國を案じた言葉を投げようとした矢先、留 王龍に頭を撫でられる。
「ふっ。心配するな。今日の会合はおしまいだ」
「え? そうなの!?」
「ああ。彼らは一ヶ月ほど、留斗に滞在するらしい。だから、慌てて会合する必要はないというわけだ。ちなみにヒトカラス殿たちは、観光を楽しんでいるぞ」
「……ああ、なるほどね」
冋 花月は、ホッと胸を撫で下ろした。
「それで? 小兎は、いったい何を調べようとしているのだ?」
悪戯っ子のような笑顔を向けてくる。その場にある椅子に腰かけ、冋 花月の腕を引っぱった。冋 花月は抵抗も虚しく、彼の膝上を椅子にしてしまう。
留 王龍に笑顔で、ギュッと抱きしめられた。そしてなぜか、すーはーされてしまう。
「はあー、やはり小兎の香りは落ち着くな。あんな、むさっ苦しい男ばかりの会合は地獄でしかない」
「いや……だからって何で僕を膝の上に乗せて、抱きしめることになるのさ!?」
「……? 小兎は、私の癒しだからに決まっておろう?」
──いや。そんな、あたり前のことを聞くな。みたいな顔されてもね。
抵抗しても無駄だと知り、彼の気が済むまで弄られた。結果、髪はボサボサになってしまう。それでも悪い気はしなかったので、彼の言葉と寄行を素直に受けとめた。
「それで小兎、君はいったい何を調べていたんだい?」
「あ、えっと。ジパングについて、かな?」
乱れた髪を手櫛で直しながら、軽く答えた。好奇心に負けたからの行動であることも、アッサリと口にする。
「なるほど。あの國のことか」
留 王龍は高い位置にある本を軽々と手にする。
──あ、身長が高いって羨ましいな。
嫉妬から、少しだけ頬を膨らませた。すると彼が微笑みながら、冋 花月の膨らんだ頬をつついてくる。それが終わると椅子に座り、机の上に本を置いてれた。
冋 花月は彼の隣に座って、頁を捲っていく。
ジパングは留斗や龍吮がある大陸にはない。海に囲まれた小さな島國で、独特の文化を持っていた。
王政ではあるものの、民は基本平等。金持ちなどの差はあれど、それを盾にすることは許されていなかった。
食文化も変わっており、生魚を食べるとされている。体にいい野菜を中心に食べるらしく、長寿國と言われていた。
そして、他國に行くためには船を使うしかない。けれど逆を言えば、海という自然を味方につけているとも考えられた。
船の運航には天候が大きく左右される。海に囲まれた國ということは、天候が悪ければ他國に侵略すらされないということ。
「……へえー。僕らとは、いろいろと違うんだ」
「そうだな。昼食として出した肉料理は食べてくれたが……ヒトカラス殿たちは、野菜ばかり口にしていたぞ。そこだけは、断じて認めん!」
野菜嫌いの彼にとって、ある意味ジパングは敵と見なされてしまったよう。
冋 花月は、彼の偏食に苦笑いしか出なかった。それでも前よりは食べてくれるようになったので、進歩したのかもしれない。
「もう。留然は、相変わらずだなぁ」
次の頁へと進んだ。
ジパングという國は、世界でもっとも不思議な地と言われている。なぜなら彼らは、先を読む力……先読みの能力を持っているからだ。
「先読み? ……留然、これってどんなのなの?」
彼を見れば、真剣な面持ちになっている。眉根をよせ、顎を触っていた。そして腕を伸ばし数頁捲り、ある箇所を指差す。
「確か、ここに載っていたと思うぞ」
彼の指先を凝視した。
先読みとは、未来を視る能力のことだ。ジパングの民全員がその能力を持っていてはいるが、個体差がある。一時間後や数分後、あるいは数日先か。されは人によって様々だった。
けれど王家の血を引く者たちだけは、その能力が非常に高いと言われている。過去の王の中には、十年先の未来まで予知できる者もいたという。
「じ、十年先って……凄い力だね。あ、ヒトカラスって人は、どのぐらい先まで読めるんだろう?」
ただの興味本位で聞いてみた。けれど彼は首を左右にふるだけで、わからないと呟く。どうやら幼馴染みといっても、すべてを話せるほどに親しくはないようだ。
いいのか悪いのか微妙な仲の二人にとって、そこまで踏みこめるものではないのだろう。
「先読みはある意味で、諸刃の剣だからな。おいそれと、自分の能力を喋るわけがない」
「……そう、だね。悪用され兼ねないし」
本を閉じた。
留 王龍に「もういいのか?」と聞かれ、冋 花月は頷く。
「ここから先は、自分の目で見て確認したいって思うんだ。ジパング國……ヒトカラスが何かを含ませているのは、何となくわかる」
おそらく、留 王龍もそれは気づいているのだろう。けれど立場上、表だって検索はできなかった。
だからこそ、冋 花月ができうる限りのことをしたい。そう、決心した。
「この本、借りてもいい?」
「ん? ああ、いいぞ。資料館の本は、本当は持ち出し禁止なのだが……小兎なら、許そう」
──この人、僕に、とことん甘いよね。
留 王龍の頬が、かなり緩んでいる。頼みごとをされたのが、そんなに嬉しいのだろうか。
素 瑶容が煎れてくれた烏龍茶を飲みながら、僕らはジパングについて会話を咲かせるのだった。
冋 花月たちは仔猫の小さくなる姿をを見つめながら、調べものを再開させた。
番人がいるという噂があっても、資料館には人がたくさんいる。
ここはある意味では宝の宝庫だ。番人を怖がっていては、調べるこもできないのではないだろうか。ここに通う人たちは皆、恐怖を押し退けて来ているのかもしれないな。
そんなどうでもいいことを考えながら、案内された場所へ着いた。そこは他國資料室という場所で文字通り、異國についてが記された本ばかりがある。
よく見たら冋 花月の故郷、龍吮もあった。
「えっと、ジパング……あっ! あれだ!」
探し物のジパングについての本は、本棚の一番上にある。ただ冋 花月の身長では届かず、椅子を探した。
素 瑶容がちょうどいい高さの梯を見つけてくれたので、それに乗る。
「ぐっ! 届かな……うーー!」
梯に乗っても届かないことに、泣きそうになった。背伸びをしても届かず、冋 花月は絶望する。それでも知りたい欲求に負け、是が非でも読んでやると息巻いた。
「んーー! と、届けーー!」
「これが読みたいのか?」
「──え?」
背伸びしても無理だ。こうなったら、危ないけど飛びはねて……そう考えていた直後、聞き慣れた声とともに、大きな手が背後から生えてきた。
驚いた冋 花月は体勢を崩してしまう。
「うわっ!」
「小兎!?」
梯が床に落ち、ガシャンッという大きな音が響いた。同時に冋 花月の身体は、大きな手によって支えられる。
「大丈夫か!? 怪我はないか!?」
心配そうに僕を眺めているのは声と手の持ち主、留 王龍だった。彼は苦虫を噛み潰したように眉をよせ、深いため息をついている。
冋 花月を腕に抱えながら、そっと床に降ろした。
「……る、留然!? え!? どうしてここに!?」
まさか、大事な会合を抜け出してしまったのだろうか。もしそうならばジパングの王、ヒトカラスが怒るだろう。下手をすると、交渉決裂になってしまう可能背があった。
冋 花月は戻るべきだと考え、彼に怒涛混じりに睨む。
「だ、大事な会合を抜け出しちゃ駄目だじゃない! 留斗の未来が……」
國を案じた言葉を投げようとした矢先、留 王龍に頭を撫でられる。
「ふっ。心配するな。今日の会合はおしまいだ」
「え? そうなの!?」
「ああ。彼らは一ヶ月ほど、留斗に滞在するらしい。だから、慌てて会合する必要はないというわけだ。ちなみにヒトカラス殿たちは、観光を楽しんでいるぞ」
「……ああ、なるほどね」
冋 花月は、ホッと胸を撫で下ろした。
「それで? 小兎は、いったい何を調べようとしているのだ?」
悪戯っ子のような笑顔を向けてくる。その場にある椅子に腰かけ、冋 花月の腕を引っぱった。冋 花月は抵抗も虚しく、彼の膝上を椅子にしてしまう。
留 王龍に笑顔で、ギュッと抱きしめられた。そしてなぜか、すーはーされてしまう。
「はあー、やはり小兎の香りは落ち着くな。あんな、むさっ苦しい男ばかりの会合は地獄でしかない」
「いや……だからって何で僕を膝の上に乗せて、抱きしめることになるのさ!?」
「……? 小兎は、私の癒しだからに決まっておろう?」
──いや。そんな、あたり前のことを聞くな。みたいな顔されてもね。
抵抗しても無駄だと知り、彼の気が済むまで弄られた。結果、髪はボサボサになってしまう。それでも悪い気はしなかったので、彼の言葉と寄行を素直に受けとめた。
「それで小兎、君はいったい何を調べていたんだい?」
「あ、えっと。ジパングについて、かな?」
乱れた髪を手櫛で直しながら、軽く答えた。好奇心に負けたからの行動であることも、アッサリと口にする。
「なるほど。あの國のことか」
留 王龍は高い位置にある本を軽々と手にする。
──あ、身長が高いって羨ましいな。
嫉妬から、少しだけ頬を膨らませた。すると彼が微笑みながら、冋 花月の膨らんだ頬をつついてくる。それが終わると椅子に座り、机の上に本を置いてれた。
冋 花月は彼の隣に座って、頁を捲っていく。
ジパングは留斗や龍吮がある大陸にはない。海に囲まれた小さな島國で、独特の文化を持っていた。
王政ではあるものの、民は基本平等。金持ちなどの差はあれど、それを盾にすることは許されていなかった。
食文化も変わっており、生魚を食べるとされている。体にいい野菜を中心に食べるらしく、長寿國と言われていた。
そして、他國に行くためには船を使うしかない。けれど逆を言えば、海という自然を味方につけているとも考えられた。
船の運航には天候が大きく左右される。海に囲まれた國ということは、天候が悪ければ他國に侵略すらされないということ。
「……へえー。僕らとは、いろいろと違うんだ」
「そうだな。昼食として出した肉料理は食べてくれたが……ヒトカラス殿たちは、野菜ばかり口にしていたぞ。そこだけは、断じて認めん!」
野菜嫌いの彼にとって、ある意味ジパングは敵と見なされてしまったよう。
冋 花月は、彼の偏食に苦笑いしか出なかった。それでも前よりは食べてくれるようになったので、進歩したのかもしれない。
「もう。留然は、相変わらずだなぁ」
次の頁へと進んだ。
ジパングという國は、世界でもっとも不思議な地と言われている。なぜなら彼らは、先を読む力……先読みの能力を持っているからだ。
「先読み? ……留然、これってどんなのなの?」
彼を見れば、真剣な面持ちになっている。眉根をよせ、顎を触っていた。そして腕を伸ばし数頁捲り、ある箇所を指差す。
「確か、ここに載っていたと思うぞ」
彼の指先を凝視した。
先読みとは、未来を視る能力のことだ。ジパングの民全員がその能力を持っていてはいるが、個体差がある。一時間後や数分後、あるいは数日先か。されは人によって様々だった。
けれど王家の血を引く者たちだけは、その能力が非常に高いと言われている。過去の王の中には、十年先の未来まで予知できる者もいたという。
「じ、十年先って……凄い力だね。あ、ヒトカラスって人は、どのぐらい先まで読めるんだろう?」
ただの興味本位で聞いてみた。けれど彼は首を左右にふるだけで、わからないと呟く。どうやら幼馴染みといっても、すべてを話せるほどに親しくはないようだ。
いいのか悪いのか微妙な仲の二人にとって、そこまで踏みこめるものではないのだろう。
「先読みはある意味で、諸刃の剣だからな。おいそれと、自分の能力を喋るわけがない」
「……そう、だね。悪用され兼ねないし」
本を閉じた。
留 王龍に「もういいのか?」と聞かれ、冋 花月は頷く。
「ここから先は、自分の目で見て確認したいって思うんだ。ジパング國……ヒトカラスが何かを含ませているのは、何となくわかる」
おそらく、留 王龍もそれは気づいているのだろう。けれど立場上、表だって検索はできなかった。
だからこそ、冋 花月ができうる限りのことをしたい。そう、決心した。
「この本、借りてもいい?」
「ん? ああ、いいぞ。資料館の本は、本当は持ち出し禁止なのだが……小兎なら、許そう」
──この人、僕に、とことん甘いよね。
留 王龍の頬が、かなり緩んでいる。頼みごとをされたのが、そんなに嬉しいのだろうか。
素 瑶容が煎れてくれた烏龍茶を飲みながら、僕らはジパングについて会話を咲かせるのだった。
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