121 / 143
ドキドキ同棲編
ちぐはぐな夜★
しおりを挟む
ようやく長い話が終わって、VIPルームで大輔くんに再会した時、彼の目元は赤くなっていて、りゅうにぃに泣かされたのかと驚いた。
朔夜さんが根掘り葉掘り話を聞き出そうとしたけれど、大輔くんは笑って誤魔化すばかりで何も分からなかった。
「…ほんとに、りゅうにぃに酷い事されてない?」
「ハハハ!なに、酷い事って?希帆さんのお兄さんはそんな事しないでしょ?」
湯船に浸かりながら何度目か分からない質問を繰り返す。
いつも通り私を後ろから抱く恰好の大輔くんは、お酒のせいか少し掠れた声で笑った。
納得出来ないで居ると、耳朶に熱い吐息がかかる。
そのまま肉厚な舌が伸びてきて、じゅぐり、と舐めとられてしまった。
「んっ…」
ぢゅぐ、ぢゅぐ、と耳殻まで舌を這わされて、抑えきれない嬌声が口から出てしまう。
浴室の空気はその声を必要以上に甘く響かせた。
ぴちゃ、ぢゅるるっ…ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ♡
「ふぁっ…ん…」
「ふふふ♡希帆さん、かーわい♡」
随分長い事私の耳を追い立てていた大輔くんは、仕上げとばかりに三回キスをして、その行為を終わらせる。
先ほどから質問を繰り返すたびに、同じような行為で話を逸らされていた。
「…そんなに言えないことなの?」
りゅうにぃに聞いても「男同士の話だからな」と言われてしまったし、イツくんに至っては目も合わせてくれなかったのだ。
のけ者にされたようで何だか寂しい。
「ん~…。希帆さんが可愛いよねぇ、って話だからなぁ。こうやって態度で示してる♡」
「なにそれ」
「あ、信じてないね?ホントだよ?」
そう言いながら、ぢゅうぅぅぅ、っと首筋に吸い付いてくる恋人に、私こそ言い出せないことがある。
会場で会った大輔くんの元カノ…。
あの人が言っていたことはどこまでが本当で、どこからが嘘なんだろう。
大輔くんが私にする行為のどこからどこまでが、あの人の残した痕跡なんだろう。
「…希帆さん?他のこと考えたらダメだよ?」
優しく諫める大輔くんの声に現実に引き戻された。
顎を掴まれて後ろを向かされる。
とろりとした唾液に包まれた熱い舌先が、するりと口内に入って来た。
ちゅく、ちゅく、と舌を絡ませ、お互いの情欲を交換し合う。
もっと良く考えないといけないのに。
あの美女が言ったことを考えないといけないのに…。
大輔くんとのキスが気持ち良すぎて何も考えられない。
ちゅっ、と舌先を吸われ、一度唇が離れる。
「……ベッド、行く?」
上気した顔でそんな質問をされたら、私じゃなくても拒めない。
…大輔くんは、この言葉を何人に言ってきたのだろうか。
「ん…。ぎゅって、して…」
心に出来た歪を隠すように、逞しいその身体に腕を回す。
そしたら私の美丈夫は、その太い腕で私を抱き寄せ、おまけに顔中にキスをくれるのだ。
キスの合間、合間に「甘えん坊さん♡可愛いね♡」なんて甘言を挟みながら。
手早く身体を拭き上げて、お姫様抱っこで寝室に向かう。
いつも抵抗する私が、素直に抱かれているものだから、大輔くんが不思議そうな顔をしている。
今まで何人の彼女をお姫様抱っこしてきたの?
あの美女にもお姫様抱っこして「可愛いね♡」って言ったの?
あぁ、もう、さっきからチラチラと余計なことが頭に浮かぶ。
ダメだ、ダメ。
もう、全部忘れさせて欲しい。
「キス…して…」
ベッドに寝かせてくれる大輔くんに、そっとお願いしてみる。
蕩ける様な笑みを浮かべた彼は、直ぐにそれを叶えてくれた。
もっと深く、もっと、もっと。
何も考えられないくらいのキスをして欲しい。
「もっとぉ…」
離れた大輔くんの舌先を追うように、自分の短い舌を突き出す。
きっと今の私は真っ赤で惚けた顔をしているんだろう。
大輔くん、このキスは何回目?
何人の女性が、キスしたときに大輔くんの舌先が上顎を擽ることを経験したの?
あまりのキスの気持ち良さに、ぼんやりと閉じた目を開けたら、色素の薄いその瞳が愛しいものを見るように、細く柔らかく薄められることを、私以外の誰が知っているの?
「んっ」
「今日は、ゆっくりするね♡」
「……や」
「嫌?なんで~?いつもは『もっとゆっくり~』って言うでしょ?」
「…今日は、やだ」
「ん~…。でも、今日は、希帆さんのこと大事に抱きたいんだもん♡」
「ふぁ…っ」
キスをしながら大輔くんの右手が胸に触れる。
壊れモノを扱うように、優しくゆっくり。
あんまりにも優しく触れるものだから、かえって意識が集中してしまう。
何度も身体を重ねているのに、まるで初めての夜みたい。
ぎこちない動きが新鮮で、なぜだかとてもドキドキした。
「希帆さん…可愛い、好き。…大好き♡」
大輔くんはそう耳元で囁きながら、私のこめかみや首筋に飽きることなく唇を落とす。
何度も視線を合わせて、目でも愛を囁いてくれる。
ようやく胸元に顔を埋めたかと思うと、乳房に円を描くように、一周ぐるりと一つ一つ触れるだけのキスをした。
それを両乳房施してから、ゆっくりと乳首に舌を乗せる。
私の目を見つめたまま、しばらく動こうとはしない。
大輔くんの肉厚な舌先に圧し潰された薄紅の尖りが、ぷっくりと自己主張を始めたころ、そこから極上の蜜が滲み出ているのかと思う程、うっとりと舐め上げられた。
じゅにゅり、じゅにゅり、と下から上へ、執拗に、何度も。
いつもは甘噛みをされている頃合いなのに、今日は舌先で舐め扱かれるばかりだ。
乳房へ圧し潰されたり、吸い上げられたり、色素の薄い瞳に見つめられたまま追い立てられていく。
「もう…やだぁ…。…お願い、意地悪しないでぇ…っ」
私の懇願に、ふ、と目元を緩めて吸引を強くしてくれる。
もうヤダ。これヤダ。
あんまり優しくされると考えちゃう。
『キスの仕方も、下着の外し方も、愛撫の方法も、全部私好みに教えたわ。あの子の全ては私が作り上げたものなのよ』
この愛撫は誰のためのもの?
誰のために覚えたもの?
「……っ…ふ…」
はらはらと涙が落ちた。
大輔くんはそれを舐めとりながら、私の割れ目に指を這わせる。
「ほらほら希帆さん、泣かないの♡どうしたの?気持ち良くなっちゃったの?」
「…んっ」
私の涙を愉悦によるものだと解釈した大輔くんに甘く宥められた。
いやいやをするように首を左右に振って、唇を重ねるために近付いて来た大輔くんの首元に腕を回す。
そしてギュッと抱き寄せてから、彼の耳元に熱く囁く。
「たくさん揺さぶって。何も考えたくないの、お願い」
ゴクリ、と生唾を飲む音が聞こえる。
今夜は私の頭が白むほど、記憶を掻き消すほどに揺さぶって欲しかった。
大輔くんで膣内を満たして、溢れるほどに注いで欲しかった。
「今日はどうしちゃったの?いつも以上にエッロいなぁ♡…でも、今日はいつも以上に大事にしたいの。お願い希帆さん、あんまり煽らないで。ね?」
小さい子供に言い聞かせるように、額に、頬に、耳に、唇に、次々にキスを落としながら大輔くんが静かに囁く。
もう一度目を合わせて「ね?」と言い含めてから、彼の顔は私の首筋を通り、下へおりていく。
ちゅ、ちゅ、ちゅ、とキスで道を作るように、全身に隈なく大輔くんの唇が触れる。
身体中が沸騰して、甘い快感に酔いしれているのに、頭の一部は冷たく冴えるようだった。
あの美女の身体にも、こうやってキスを落としたの?
これはあの元カノに教えられた愛し方なの?
「ふぅん…っ…」
触れるばかりのキスが下肢におりてくると、舌先も加わり熱量が籠ったものになる。
大輔くんは裂け目の間で蜜に塗れた肉芽を優しく食み、ぢゅぷ、ぢゅぷと舌先で転がした。
あまりの快感に引いてしまう腰をがっしりと掴んで、自分だけの宝物を愛でるように、なんども、なんども舐めしだく。
溢れる蜜を吸いあげては飲み干す彼に、私の蜜壺は反応して止まない。
飲み干されたはしから溢れてしまう。
「希帆さん…大好き。愛してる」
避妊具を付ける間中、私の耳元で甘く囁く彼に、私は頷くばかりで声を返せない。
大輔くんは自分の肉棒の先を蜜口にあてがうと、溢れた蜜をその先で掬うように擦り付けて来た。
切っ先が入口を擦り上げる度に、私ははしたなくパクパクと収斂を繰り返す。
もう、待ち遠しくて、苦しくて、息をするのも忘れていた。
「希帆さん、ね?…希帆さん、大好き。愛してるよ」
「んぁ…っ……っ」
「ほ~ら、頑張って♡」
まるで「言えないならお預けだね」と言うように、私に教え諭すような顔を見せる美丈夫に、私の胸がきゅん、と音を立てた。
「……好きぃ…、大輔くん……大好き」
「うん♡」
嬉しそうに目を細めながらも、大輔くんの切っ先は隘路を穿たない。
どころか、自身の肉棒の根を握り、先端が蜜口に入るか入らないかのギリギリで、ぢゅぢゅぢゅぢゅ、と上下に素早く扱いた。
肉芽まで一緒に擦り上げられて、全身に針を刺されたような痺れが走る。
「…あい……愛してる…愛してるからぁ…んっ……」
懇願に近い愛の告白をすれば、私の美しい恋人はようやく満足気に笑った。
「うん♡俺も、希帆さんのこと愛してるからね♡」
私の隘路を肉棒の先で穿ちながら、大輔くんの唇が私の唇を優しく奪う。
角度を変えてキスをして、深さを変えて何度も穿たれた。
最奥をゴリゴリと刺激されて、私の頭はようやく白んだ。
なんども、なんども大輔くんの唇が私の名前を形作る。
揺すぶられて、満たされて、幸せで、私も何度も大輔くんを呼んだ。
この幸福感から振り落とされないように、なんども、なんども名前を呼ぶ。
「希帆さん…っ、希帆さん…っ…好き…♡大好き……♡、希帆さん…愛してる…」
ずちゅ、ずちゅ、と腰の律動が早くなり、大輔くんの呼吸が浅く荒くなる。
囲うように置かれている彼の腕に頬を摺り寄せ、私もその時に備えた。
「んっ…好き…大輔くん、好き…っ…大好き、大好き…好きっ……んぁっ…」
白い空間に放り出されるような快感が押し寄せて、最後の最後に大輔くんに向けて言った「愛してる」の言葉が上手く声になったのか分からない。
フワフワと意識を手放した私は、その愛しい人の腕の中で深い眠りに落ちたのだった。
朔夜さんが根掘り葉掘り話を聞き出そうとしたけれど、大輔くんは笑って誤魔化すばかりで何も分からなかった。
「…ほんとに、りゅうにぃに酷い事されてない?」
「ハハハ!なに、酷い事って?希帆さんのお兄さんはそんな事しないでしょ?」
湯船に浸かりながら何度目か分からない質問を繰り返す。
いつも通り私を後ろから抱く恰好の大輔くんは、お酒のせいか少し掠れた声で笑った。
納得出来ないで居ると、耳朶に熱い吐息がかかる。
そのまま肉厚な舌が伸びてきて、じゅぐり、と舐めとられてしまった。
「んっ…」
ぢゅぐ、ぢゅぐ、と耳殻まで舌を這わされて、抑えきれない嬌声が口から出てしまう。
浴室の空気はその声を必要以上に甘く響かせた。
ぴちゃ、ぢゅるるっ…ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ♡
「ふぁっ…ん…」
「ふふふ♡希帆さん、かーわい♡」
随分長い事私の耳を追い立てていた大輔くんは、仕上げとばかりに三回キスをして、その行為を終わらせる。
先ほどから質問を繰り返すたびに、同じような行為で話を逸らされていた。
「…そんなに言えないことなの?」
りゅうにぃに聞いても「男同士の話だからな」と言われてしまったし、イツくんに至っては目も合わせてくれなかったのだ。
のけ者にされたようで何だか寂しい。
「ん~…。希帆さんが可愛いよねぇ、って話だからなぁ。こうやって態度で示してる♡」
「なにそれ」
「あ、信じてないね?ホントだよ?」
そう言いながら、ぢゅうぅぅぅ、っと首筋に吸い付いてくる恋人に、私こそ言い出せないことがある。
会場で会った大輔くんの元カノ…。
あの人が言っていたことはどこまでが本当で、どこからが嘘なんだろう。
大輔くんが私にする行為のどこからどこまでが、あの人の残した痕跡なんだろう。
「…希帆さん?他のこと考えたらダメだよ?」
優しく諫める大輔くんの声に現実に引き戻された。
顎を掴まれて後ろを向かされる。
とろりとした唾液に包まれた熱い舌先が、するりと口内に入って来た。
ちゅく、ちゅく、と舌を絡ませ、お互いの情欲を交換し合う。
もっと良く考えないといけないのに。
あの美女が言ったことを考えないといけないのに…。
大輔くんとのキスが気持ち良すぎて何も考えられない。
ちゅっ、と舌先を吸われ、一度唇が離れる。
「……ベッド、行く?」
上気した顔でそんな質問をされたら、私じゃなくても拒めない。
…大輔くんは、この言葉を何人に言ってきたのだろうか。
「ん…。ぎゅって、して…」
心に出来た歪を隠すように、逞しいその身体に腕を回す。
そしたら私の美丈夫は、その太い腕で私を抱き寄せ、おまけに顔中にキスをくれるのだ。
キスの合間、合間に「甘えん坊さん♡可愛いね♡」なんて甘言を挟みながら。
手早く身体を拭き上げて、お姫様抱っこで寝室に向かう。
いつも抵抗する私が、素直に抱かれているものだから、大輔くんが不思議そうな顔をしている。
今まで何人の彼女をお姫様抱っこしてきたの?
あの美女にもお姫様抱っこして「可愛いね♡」って言ったの?
あぁ、もう、さっきからチラチラと余計なことが頭に浮かぶ。
ダメだ、ダメ。
もう、全部忘れさせて欲しい。
「キス…して…」
ベッドに寝かせてくれる大輔くんに、そっとお願いしてみる。
蕩ける様な笑みを浮かべた彼は、直ぐにそれを叶えてくれた。
もっと深く、もっと、もっと。
何も考えられないくらいのキスをして欲しい。
「もっとぉ…」
離れた大輔くんの舌先を追うように、自分の短い舌を突き出す。
きっと今の私は真っ赤で惚けた顔をしているんだろう。
大輔くん、このキスは何回目?
何人の女性が、キスしたときに大輔くんの舌先が上顎を擽ることを経験したの?
あまりのキスの気持ち良さに、ぼんやりと閉じた目を開けたら、色素の薄いその瞳が愛しいものを見るように、細く柔らかく薄められることを、私以外の誰が知っているの?
「んっ」
「今日は、ゆっくりするね♡」
「……や」
「嫌?なんで~?いつもは『もっとゆっくり~』って言うでしょ?」
「…今日は、やだ」
「ん~…。でも、今日は、希帆さんのこと大事に抱きたいんだもん♡」
「ふぁ…っ」
キスをしながら大輔くんの右手が胸に触れる。
壊れモノを扱うように、優しくゆっくり。
あんまりにも優しく触れるものだから、かえって意識が集中してしまう。
何度も身体を重ねているのに、まるで初めての夜みたい。
ぎこちない動きが新鮮で、なぜだかとてもドキドキした。
「希帆さん…可愛い、好き。…大好き♡」
大輔くんはそう耳元で囁きながら、私のこめかみや首筋に飽きることなく唇を落とす。
何度も視線を合わせて、目でも愛を囁いてくれる。
ようやく胸元に顔を埋めたかと思うと、乳房に円を描くように、一周ぐるりと一つ一つ触れるだけのキスをした。
それを両乳房施してから、ゆっくりと乳首に舌を乗せる。
私の目を見つめたまま、しばらく動こうとはしない。
大輔くんの肉厚な舌先に圧し潰された薄紅の尖りが、ぷっくりと自己主張を始めたころ、そこから極上の蜜が滲み出ているのかと思う程、うっとりと舐め上げられた。
じゅにゅり、じゅにゅり、と下から上へ、執拗に、何度も。
いつもは甘噛みをされている頃合いなのに、今日は舌先で舐め扱かれるばかりだ。
乳房へ圧し潰されたり、吸い上げられたり、色素の薄い瞳に見つめられたまま追い立てられていく。
「もう…やだぁ…。…お願い、意地悪しないでぇ…っ」
私の懇願に、ふ、と目元を緩めて吸引を強くしてくれる。
もうヤダ。これヤダ。
あんまり優しくされると考えちゃう。
『キスの仕方も、下着の外し方も、愛撫の方法も、全部私好みに教えたわ。あの子の全ては私が作り上げたものなのよ』
この愛撫は誰のためのもの?
誰のために覚えたもの?
「……っ…ふ…」
はらはらと涙が落ちた。
大輔くんはそれを舐めとりながら、私の割れ目に指を這わせる。
「ほらほら希帆さん、泣かないの♡どうしたの?気持ち良くなっちゃったの?」
「…んっ」
私の涙を愉悦によるものだと解釈した大輔くんに甘く宥められた。
いやいやをするように首を左右に振って、唇を重ねるために近付いて来た大輔くんの首元に腕を回す。
そしてギュッと抱き寄せてから、彼の耳元に熱く囁く。
「たくさん揺さぶって。何も考えたくないの、お願い」
ゴクリ、と生唾を飲む音が聞こえる。
今夜は私の頭が白むほど、記憶を掻き消すほどに揺さぶって欲しかった。
大輔くんで膣内を満たして、溢れるほどに注いで欲しかった。
「今日はどうしちゃったの?いつも以上にエッロいなぁ♡…でも、今日はいつも以上に大事にしたいの。お願い希帆さん、あんまり煽らないで。ね?」
小さい子供に言い聞かせるように、額に、頬に、耳に、唇に、次々にキスを落としながら大輔くんが静かに囁く。
もう一度目を合わせて「ね?」と言い含めてから、彼の顔は私の首筋を通り、下へおりていく。
ちゅ、ちゅ、ちゅ、とキスで道を作るように、全身に隈なく大輔くんの唇が触れる。
身体中が沸騰して、甘い快感に酔いしれているのに、頭の一部は冷たく冴えるようだった。
あの美女の身体にも、こうやってキスを落としたの?
これはあの元カノに教えられた愛し方なの?
「ふぅん…っ…」
触れるばかりのキスが下肢におりてくると、舌先も加わり熱量が籠ったものになる。
大輔くんは裂け目の間で蜜に塗れた肉芽を優しく食み、ぢゅぷ、ぢゅぷと舌先で転がした。
あまりの快感に引いてしまう腰をがっしりと掴んで、自分だけの宝物を愛でるように、なんども、なんども舐めしだく。
溢れる蜜を吸いあげては飲み干す彼に、私の蜜壺は反応して止まない。
飲み干されたはしから溢れてしまう。
「希帆さん…大好き。愛してる」
避妊具を付ける間中、私の耳元で甘く囁く彼に、私は頷くばかりで声を返せない。
大輔くんは自分の肉棒の先を蜜口にあてがうと、溢れた蜜をその先で掬うように擦り付けて来た。
切っ先が入口を擦り上げる度に、私ははしたなくパクパクと収斂を繰り返す。
もう、待ち遠しくて、苦しくて、息をするのも忘れていた。
「希帆さん、ね?…希帆さん、大好き。愛してるよ」
「んぁ…っ……っ」
「ほ~ら、頑張って♡」
まるで「言えないならお預けだね」と言うように、私に教え諭すような顔を見せる美丈夫に、私の胸がきゅん、と音を立てた。
「……好きぃ…、大輔くん……大好き」
「うん♡」
嬉しそうに目を細めながらも、大輔くんの切っ先は隘路を穿たない。
どころか、自身の肉棒の根を握り、先端が蜜口に入るか入らないかのギリギリで、ぢゅぢゅぢゅぢゅ、と上下に素早く扱いた。
肉芽まで一緒に擦り上げられて、全身に針を刺されたような痺れが走る。
「…あい……愛してる…愛してるからぁ…んっ……」
懇願に近い愛の告白をすれば、私の美しい恋人はようやく満足気に笑った。
「うん♡俺も、希帆さんのこと愛してるからね♡」
私の隘路を肉棒の先で穿ちながら、大輔くんの唇が私の唇を優しく奪う。
角度を変えてキスをして、深さを変えて何度も穿たれた。
最奥をゴリゴリと刺激されて、私の頭はようやく白んだ。
なんども、なんども大輔くんの唇が私の名前を形作る。
揺すぶられて、満たされて、幸せで、私も何度も大輔くんを呼んだ。
この幸福感から振り落とされないように、なんども、なんども名前を呼ぶ。
「希帆さん…っ、希帆さん…っ…好き…♡大好き……♡、希帆さん…愛してる…」
ずちゅ、ずちゅ、と腰の律動が早くなり、大輔くんの呼吸が浅く荒くなる。
囲うように置かれている彼の腕に頬を摺り寄せ、私もその時に備えた。
「んっ…好き…大輔くん、好き…っ…大好き、大好き…好きっ……んぁっ…」
白い空間に放り出されるような快感が押し寄せて、最後の最後に大輔くんに向けて言った「愛してる」の言葉が上手く声になったのか分からない。
フワフワと意識を手放した私は、その愛しい人の腕の中で深い眠りに落ちたのだった。
0
お気に入りに追加
258
あなたにおすすめの小説
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
マッサージ
えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。
背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。
僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる