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ドキドキ同棲編
龍臣の贖罪⑧【龍臣視点】
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「モテモテじゃん、希帆ちゃん。それでお兄ちゃんはご機嫌ナナメな訳ね~♡」
「っだぁぁぁ!ウザってぇな、逸弥てめぇ!!俺は希帆が結婚相手を連れて来た時のためにイメトレしてんだよ!邪魔すんじゃねぇってんだよ!!」
「いやいや、気が早すぎね?来月はクラス替えあんだから、そのユウタロウくん?と別れる可能性もある訳だしさ」
「は?まだあのガキと付き合うのを許したわけじゃねぇよ!!だいたい、アイツが希帆にベタベタ触って貰えんのはまだガキだからだよ!希帆は大人の男が苦手だからな、俺は大人だからな、そう、そうなんだよ…」
「え~?それを言ったらさ、俺は希帆ちゃんにベタベタ触っても嫌がられねぇぞ?お前はいまだにビクビクされんのにな?いや~、希帆ちゃん、俺のこと好きなのかなぁ~?お前のことお兄様と呼ぶ日が来るのかもなぁ~?」
「てめぇ、この前と言ってることが違うじゃねぇか!!希帆は渡さんっ!!」
「えぇぇ~?でも希帆ちゃんが俺のこと好きなんだから仕方なくねぇ?ね?お・に・い・さ・ま?」
「んごぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
「騒音駆除!!!!」
美由希の鉄拳が俺と逸弥の頭に同時に振り落とされる。
俺たちは勢い余って机に顔面をしこたま打ち付けた。
「ってぇ~!」
「酷いなぁ美由希ちゃん…」
「逸弥!あんまり龍臣のこと揶揄うのやめな!面白がってるの丸わかりだよ」
「美由希に殴られ過ぎて俺の頭変形しそう…」
「アンタたち、教室で騒ぎ過ぎなのよ!うるさいから屋上でも行って騒いで来なさい!!」
「…屋上は、もう行かねぇよ」
「え?前はサボるにしても放課後時間を潰すにしても屋上に行ってたじゃない。ソファーまで設置して好き勝手にたむろしてたくせに」
怪訝な顔をする美由希に、逸弥が俺の顔を見ながら理由を説明する。
「美由希ちゃん、美由希ちゃん。今さ、俺ら微妙なポジションなんだよね。俺らが屋上使うために、3年のセンパイ方をシメちゃったじゃん?そっから同じ1年の奴らが俺らに付いて回るようになって、勝手にチームの頭として名前使われてたんだよね。俺らも喧嘩は良い運動になるし放っておいたんだけど、この前ちょっとした厄介ごとが起きてねぇ…」
「厄介ごと?」
「う~ん。俺らを慕ってた、てか、勝手に俺らを親友だって思ってた奴が居てさ、園田って言うんだけど…。ソイツが俺らの名前で人集めて東原高校の奴らに殴り込みに行ったらしくてさ。まぁ、俺らが行かなかったから大敗しちゃって、今はその園田に一方的に恨まれてる」
「……アンタたち、私が知らない間に…。このばかちんが!!!」
「うわ~。うん、龍臣が馬鹿なのは認めるけどさ、そんな怒んないで」
「あ?なんで俺が馬鹿なんだよ!!」
「当たり前だろーが!園田が殴り込みの話したときハッキリ断らなかったんだろ?俺はその場に居なかったんだから、お前がキッチリ断るのが筋だろぉが」
「…チッ」
「その園田って男大丈夫なの?恨まれてるって、何かされるんじゃないの?」
「いくら俺が弱いからって、あんな小物に負ける訳ねぇだろ。……平気だよ、心配すんな」
「……その言葉信じるよ?」
「おう」
美由希が仕方ない、と言う様なため息を吐いて、この話は終わりになった。
すかさず逸弥が人の悪い顔でチャチャを入れて来る。
「いや~、もう二人は夫婦も同然な仲だな。少ない言葉数でお互いの信頼を確かめるなんて♡」
「…うるせぇな、逸弥。お前はほんと…」
「俺も希帆ちゃんともっと信頼を深めないとなぁ~」
「っだぁぁぁぁぁぁ!だから、お前なぁ!!」
「…逸弥、さっき言ってたことだけど」
「ん?さっき?」
「希帆ちゃんがアンタを好きだとかなんだって話」
「あぁ!美由希ちゃんもそう思わん?あんなに男性を怖がってるのに、俺には全然怯えないじゃん」
「それさ、きっと『男性』認定されてないからだと思うよ?」
「……は?」
「この前、希帆ちゃんの勉強見てあげた時、最近読んでる小説を読ませてくれたんだよね。推理小説なんだけど、主人公が『男装』してるお嬢様なの。希帆ちゃんは逸弥も『男装』してると思ってるみたい」
「……へ?」
「希帆ちゃんね、男の人はみんな筋肉があるって思ってるみたいなのよ。ほら、日曜日にやってる『筋肉戦士!隆々マン!!』大好きだし、龍臣も丈治さんも筋肉質でしょ?だから、逸弥みたいなヒョロヒョロっとした男性がいると思ってないのかも。髪も長いし、睫毛バシバシだし、アンタ下手な女子より綺麗だから…」
「カッカッカッ!残念だったな、逸弥!希帆に恋愛対象どころか男としても見られてねぇってよ!!!」
「……マジか…」
「まぁ、筋肉でも付けたら男性認定はしてくれるかもね」
「……マジかぁぁぁ」
「カッカッカッカッカッ!!!」
キノコでも生えそうなくらいに落ち込んだ親友を晴れ晴れとした気持ちで見遣る。
俺は笑いが止まらなかった。
「っだぁぁぁ!ウザってぇな、逸弥てめぇ!!俺は希帆が結婚相手を連れて来た時のためにイメトレしてんだよ!邪魔すんじゃねぇってんだよ!!」
「いやいや、気が早すぎね?来月はクラス替えあんだから、そのユウタロウくん?と別れる可能性もある訳だしさ」
「は?まだあのガキと付き合うのを許したわけじゃねぇよ!!だいたい、アイツが希帆にベタベタ触って貰えんのはまだガキだからだよ!希帆は大人の男が苦手だからな、俺は大人だからな、そう、そうなんだよ…」
「え~?それを言ったらさ、俺は希帆ちゃんにベタベタ触っても嫌がられねぇぞ?お前はいまだにビクビクされんのにな?いや~、希帆ちゃん、俺のこと好きなのかなぁ~?お前のことお兄様と呼ぶ日が来るのかもなぁ~?」
「てめぇ、この前と言ってることが違うじゃねぇか!!希帆は渡さんっ!!」
「えぇぇ~?でも希帆ちゃんが俺のこと好きなんだから仕方なくねぇ?ね?お・に・い・さ・ま?」
「んごぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
「騒音駆除!!!!」
美由希の鉄拳が俺と逸弥の頭に同時に振り落とされる。
俺たちは勢い余って机に顔面をしこたま打ち付けた。
「ってぇ~!」
「酷いなぁ美由希ちゃん…」
「逸弥!あんまり龍臣のこと揶揄うのやめな!面白がってるの丸わかりだよ」
「美由希に殴られ過ぎて俺の頭変形しそう…」
「アンタたち、教室で騒ぎ過ぎなのよ!うるさいから屋上でも行って騒いで来なさい!!」
「…屋上は、もう行かねぇよ」
「え?前はサボるにしても放課後時間を潰すにしても屋上に行ってたじゃない。ソファーまで設置して好き勝手にたむろしてたくせに」
怪訝な顔をする美由希に、逸弥が俺の顔を見ながら理由を説明する。
「美由希ちゃん、美由希ちゃん。今さ、俺ら微妙なポジションなんだよね。俺らが屋上使うために、3年のセンパイ方をシメちゃったじゃん?そっから同じ1年の奴らが俺らに付いて回るようになって、勝手にチームの頭として名前使われてたんだよね。俺らも喧嘩は良い運動になるし放っておいたんだけど、この前ちょっとした厄介ごとが起きてねぇ…」
「厄介ごと?」
「う~ん。俺らを慕ってた、てか、勝手に俺らを親友だって思ってた奴が居てさ、園田って言うんだけど…。ソイツが俺らの名前で人集めて東原高校の奴らに殴り込みに行ったらしくてさ。まぁ、俺らが行かなかったから大敗しちゃって、今はその園田に一方的に恨まれてる」
「……アンタたち、私が知らない間に…。このばかちんが!!!」
「うわ~。うん、龍臣が馬鹿なのは認めるけどさ、そんな怒んないで」
「あ?なんで俺が馬鹿なんだよ!!」
「当たり前だろーが!園田が殴り込みの話したときハッキリ断らなかったんだろ?俺はその場に居なかったんだから、お前がキッチリ断るのが筋だろぉが」
「…チッ」
「その園田って男大丈夫なの?恨まれてるって、何かされるんじゃないの?」
「いくら俺が弱いからって、あんな小物に負ける訳ねぇだろ。……平気だよ、心配すんな」
「……その言葉信じるよ?」
「おう」
美由希が仕方ない、と言う様なため息を吐いて、この話は終わりになった。
すかさず逸弥が人の悪い顔でチャチャを入れて来る。
「いや~、もう二人は夫婦も同然な仲だな。少ない言葉数でお互いの信頼を確かめるなんて♡」
「…うるせぇな、逸弥。お前はほんと…」
「俺も希帆ちゃんともっと信頼を深めないとなぁ~」
「っだぁぁぁぁぁぁ!だから、お前なぁ!!」
「…逸弥、さっき言ってたことだけど」
「ん?さっき?」
「希帆ちゃんがアンタを好きだとかなんだって話」
「あぁ!美由希ちゃんもそう思わん?あんなに男性を怖がってるのに、俺には全然怯えないじゃん」
「それさ、きっと『男性』認定されてないからだと思うよ?」
「……は?」
「この前、希帆ちゃんの勉強見てあげた時、最近読んでる小説を読ませてくれたんだよね。推理小説なんだけど、主人公が『男装』してるお嬢様なの。希帆ちゃんは逸弥も『男装』してると思ってるみたい」
「……へ?」
「希帆ちゃんね、男の人はみんな筋肉があるって思ってるみたいなのよ。ほら、日曜日にやってる『筋肉戦士!隆々マン!!』大好きだし、龍臣も丈治さんも筋肉質でしょ?だから、逸弥みたいなヒョロヒョロっとした男性がいると思ってないのかも。髪も長いし、睫毛バシバシだし、アンタ下手な女子より綺麗だから…」
「カッカッカッ!残念だったな、逸弥!希帆に恋愛対象どころか男としても見られてねぇってよ!!!」
「……マジか…」
「まぁ、筋肉でも付けたら男性認定はしてくれるかもね」
「……マジかぁぁぁ」
「カッカッカッカッカッ!!!」
キノコでも生えそうなくらいに落ち込んだ親友を晴れ晴れとした気持ちで見遣る。
俺は笑いが止まらなかった。
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