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ハラハラ同居編

【番外編】定番のバレンタイン②⭐︎

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バスルームに、むわん、としたチョコレートの香りが立ち込める。
私は大輔くんのリクエストに従い、チョコレートの香り付けをされたローションを、お湯でのばしている。

「へぇ!結構本格的な匂いがするんだねぇ♡」
「……これ、絶対今日用意したものじゃないよね?おかしいよね?」

私の出方を待って用意するには周到過ぎるものじゃないかい?ローションて……

「うん?前々からArazonで注文してたんだよ♡」
「ぅえっ?ってことは、私がチョコレート用意してたって、使うつもりだったってこと?」
「当然だよね♡」

っがーーー!
バレンタインを忘れていた申し訳なさで渋々了承したのに、元から使う気満々で用意してたなんて!!
転がされとる!
若者の手の平でコロコロと転がされとる、私!!!

「そろそろ準備出来た?希帆さんにローションプレイして貰えるなんて、嬉しいなぁ♡」
「っく…!」

そんなペカペカな笑顔をするんじゃありません!
可愛いだろうが!!
何でもしてやりたくなるだろうが!!!
ちくしょう、顔が良い!!!!
言ってること変態なのに、その顔面偏差値で全てをカバーしてしまってる…

「ローションプレイて…。本当に変態おやじの思考だよ。どこからそんな知識仕入れてくるの………」

はぁぁぁぁ、と盛大にため息を吐きながら、ワクワクテカテカしている大輔くんに苦言を呈す。

「言ったじゃん!童貞の妄想力舐めないでね、って♡」

清純無垢な笑顔を全開にして、己の滾る欲望をグリグリと押し付けてくる年下の彼氏は、本当に厄介だ…。
だが、それが良い。

「俺の初めて、全部希帆さんのものだよ?すごくない?」
「…っく………!」

凶暴な竿を私の臀裂でんれつに擦り付けながら、こてん、と小首を傾げて見せる大輔くんが、グゥ可愛い。
己の容姿が、私の弱点であることを良く理解している。
最近の大輔くんは兎に角あざとい。
だが、それが良い。

「希帆さん、さっきから拳握り締めて何考えてるの?」
「……己の感情との対話」
「ぶくくく…なに……それ……ふふふ」

浴槽に浸かりながら、大輔くんに抱き抱えられている私に、笑いを堪える振動がブルブルと伝わる。
半分だけ閉じた風呂蓋の上で、洗面器にお湯を張って、チャプチャプとローションをのばしていた私の腕も細かく上下する。
先ほどからローション職人として、お湯とローションを混ぜ合わせているのに、大輔くんが背後から首を伸ばしてキスで邪魔をしてくるせいで遅々として進まない。
なんだよローション職人って。
そんな職人あってたまるか。

香りはチョコだが、色味は無色のそれはお湯に溶けて良い具合のトロミになっている。
タプタプと水面を叩いていたら、背後の恋人に耳朶じだを甘噛みされて、軽く背中を反ってしまった。

「まだぁ?もう、俺、我慢の限界なんですけど~♡」
「ふわわわっ!ちょ…お湯……汚れるっ…」

洗面器に両手を突っ込んでいる私は、大輔くんの好きなように身体を弄られても抵抗できない。
彼の腕を掴もうとすると、お風呂の湯がローションで汚れてしまうからだ。

「早くしよ♡でも俺初めてだから、希帆さんがリードして♡」
「ちょっ…」

素早く私を立ち上がらせて、先に浴槽から出た彼は、仁王立ちして手招いている。
もちろん下半身のソレも仁王立ちだ。ハハッ!

「私だってローションなんて初めて使うし、何して良いか分からんよ…」
「えっ!うそ!!希帆さんも初めてなの?嬉しいなぁ♡希帆さんの初めて貰っちゃうなんて♡♡」

心の底から嬉しそうな顔をする美しい恋人に、私の心臓が大きく跳ねる。

「…私のこと何だと思ってる?ローションプレイなんてアブノーマルなこと普通は経験ないでしょ……」

ついつい憎まれ口を叩いてしまうのはご愛嬌だ。
心臓のバネが壊れたみたいに暴れているから。

「だってさ、初めてした夜の希帆さん、めっちゃエロかったし、経験豊富なのかなって…。もしかしたら、そう言うプレイも経験済みなのかなー…って思ってたから♡初めてを貰えて、嬉しい♡」

えへへ♡と笑う年下のオスが可愛くて、心臓に次いで思考回路も壊れてしまった。

「け、経験豊富とか、ないよ!そりゃワンナイトは何度かあるけど、どれもノーマルプレイだったし…、あるとしたら電マプレイくらいで……って冷たっっっ!!」

ぺとん、と腹部に彼の冷たい手が置かれて、洗面器を持った私の身体が戦慄わななく。
その振動が透明な粘着液を、とぷんっ、と揺らした。

「………電マプレイは今度しようね♡」

久々の魔王降臨で私の心臓は儚くも凍り付いた。
いや、と言うか、いい加減学習しろし、自分…。

「希帆さんは、中よりこっちが好きだから、電マ大好きそうだよねぇ♡」

底冷えするような微笑みを貼りつけて、大輔くんの唇が私のそれに重なった。
それと同時に、大輔くんの太い指が秘裂を割り、私の一番敏感な芯へと這わされる。

「っ…」

突然の愛撫に彼の口内へくぐもった声を発すると、大輔くんはその吐息まで舐め溶かした。
私の上唇を甘噛みしてから唇を離すと、口角を満足そうに吊り上げて、大輔くんが笑う。

「…ほらほら、危ないよ。ひっくり返したら二人ともベタベタになっちゃうでしょ?絶対に溢しちゃダメだよ?」

そう言って、私に洗面器を持たせたまま、大輔くんは私に跪いたかと思うと、私の秘裂に舌を這わせてきたのだった。

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