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三夜目、チャプター選択画面 Chap:ベッド②★
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「…もう、いい!」
私の態度は癇癪を起した幼女のそれと完全に一緒で、ベッド上で組み敷かれた女性のそれではなかった。
「えぇ?だって、希帆さんしたいんでしょ?ちゃんとした『キス』♡覚えるから教えてよ♡」
「いらん!わかんないなら良い。別の人にキスしてもらう」
「…それ、本気?」
パンドラの箱を開けてしまった、と後悔したが遅かった。
果たして、この場に『希望』は残るのであろうか。
「希帆さんが、これまでどんな恋愛をしてきたか知らないけどさ、俺は浮気は許さないよ」
「浮気って…」
「浮気したら一生監禁してやる」
静かに低音で宣言される。怒鳴るでもない、罵るでもない、けれど今までどんな男に向けられた怒気よりも恐ろしかった。
思想の火力が強すぎる…。
この子にとって、童貞を切った私はそれ程までに特別な存在なのか。
今は女を知らなかった身体の反応に、気持ちが釣られている状態に違いない。
まだ年若い彼には、きっとお似合いの女性が現れる。
彼の今の気持ちに舞い上がっていては、いつか絶対に来る離別に耐えられない。
この男も、私の前から去っていくだろう。
好きだよ、愛してるよ、と言ったその口で
簡単に「さようなら」を告げて背中を向けるのだ。
もう二度と、そんな思いをしたくないから、私は恋愛をしないと決めている。
一途に気持ちを伝えても、尽くした分だけ裏切られる。
だったら誰にも誠実でありたくない。
その場しのぎの情事が良い。
「そういう事は、ちゃんと好きな人に伝えなさい」
「……どう言う意味?」
「私が初めての相手だからって特別視するんじゃなくてさ。好きな人と付き合いなさい」
「…俺がエッチ目的だけでこんなことしてるって?」
ワンナイトの相手に、それ以外の何を求めるのだろう。
まぁ、もうワンナイトじゃないけど。
「そうじゃないの?ごめんだけど、私は恋愛する気ないから…」
「……俺、逃がさないって言ったよ?」
唐突に首筋に噛みつかれる。力の限り歯形を残されて、あまりの痛さに声も出ない。
「希帆さんは、エッチだけが目的で、俺とこんなことするんだ?」
「ちょ…っ…こらっ…」
乱暴に乳房を掴まれ、強く揉まれた。思わず顔を顰めてしまう。
「…っいたっ……乱暴にしないで…っ」
「エッチ目的で抱いて良いんでしょう?ちょっとくらい我慢して」
抑揚のない冷たい声で抗議の声を抑えられる。
その様子に頭から熱が冷めていく。
「お…落ち着いて。一回、ゆっくり話そう?ね?」
「…俺、まだ出してないんだけど?」
グリッと屹立したままの肉棒を太ももに押し付けられて、あまりの熱さにビクリと身体を震わせる。
それとは逆に氷の様に冷たい彼の両手が、彼の怒りの深さを示していた。
「…っ……」
「終わったら聞くから、取り合えず黙ってて」
片手で口元を抑えられ、もう片方の手で乳頭を弾くように責められる。
指先で乳房へグリグリ押しやったり、そうかと思えば親指と人差し指で挟んで抓られた。
痛い、けれどそれを訴えることも出来ない。
息を吐くのもやっとなくらいに押し付けられた彼の手を、何とかどかそうと唇を動かす。
「なに?咥えてくれるの?」
乳首に歯を立てていた彼が、面倒くさそうに頭を上げる。
薄赤の突起がジクジク痛んだ。その痛みと、豹変した彼への恐怖で瞳が潤む。
「歯、立てないでね?」
寝かされたままで、上に跨られる。言いようのない恐怖が募った。
「ほら、口。開けて」
力任せに顎を掴まれて、あまりの痛さに口を開く。
その機を逃さず、彼が肉竿をねじ込んできた。
けして小さくないその質量に、口腔が容赦なく犯される。
「ちゃんと舌も使ってね。俺が満足しないと終わらないよ?」
口内に侵入してきた陰茎の充溢感に耐えていると、徐に腰の抽送が始まった。
上顎や内頬を擦り上げる肉竿を、歯を当てないように何とか咥え込む。
ぬるついた粘膜を愉しむように、彼は強引に剛直を突き上げ続けた。
無理やり喉奥まで突っ込まれ、亀頭の括れまで引きずり出されては、また喉奥を抉られる。
膨れ上がった肉棒で喉奥を突かれると、噎せ込みそうになるが逃げられない。
なんども、なんども粘膜を擦りつけながら、その剛直が段々と膨らみを増していく。
顎が軋むが、お構いなしに腰を打ち付けられる。
「っあ~…。気持ちぃ…。やっぱ、良いね、希帆さんの口の中」
ぐぽっ、ぐぽっ、ぐぽっ
「…っ……」
「ハハハ…。苦しそぉ…。ごめんね?大きくて」
悔しくて、苦しくて、必死で彼を睨みつけた。
「良いね。涙目で見上げてくるの、興奮しちゃうな♡」
じゅぼぉっ
また、亀頭の括れまで引き抜かれ
ぐっぷぅぅぅっ
喉の奥の奥まで突き上げられる。
「…こっ……」
「もうちょっと奥、いってみようか?」
ぐりぐり、と更に押し込まれ咽頭壁に肉竿の先端が届く。
そのまま咽頭壁に張り上がった亀頭の先を押し付けられる。
苦しさに顎を引いてしまうと、両手で頭を押さえられ、逆に腰元へグイッと引き寄せられる。
「…っあ~……出るよ」
「…っん!?」
そう言うと彼は、私の頭を掴んだまま、猛然と腰を振るってくる。
そして、そのまま喉奥にドロリとした粘着質の液を弾けさせた。
「あ~…、…っ…気持ちぃ。…ハハハ、希帆さん、ちゃんと飲んでね♡」
彼は余韻を愉しむかのように、吐精後も緩く腰を振るった。
残滓まで舐めとらせるため、自身の陰茎を握ると私の舌に擦り付けて来る。
「うん、そぉ♡さすが、ちゃんと孔まで舐めてくれたね。良い子♡」
そう言うと汗ばんだ私の頭皮に指先を掻き入れて、行為とは逆に優しく撫でてくれた。
その指先は先ほどまではないものの、まだ冷たい。
彼は私の口内に白濁が残っていないのを確認してから、ようやく身体を自由にしてくれた。
唾液と涙と鼻水でぐちゃぐちゃな顔面を拭いながら、上体を起こそうと身じろぐ。
「まだ終わりじゃないよ」
私の股の間に移動した彼が、まだ濡れたままの私の秘裂に、緩く勃ち上がった自身を擦り付けてくる。
彼の膨らみには避妊具が付けられていない。
ゾワリと寒気が全身を襲う。
「…やめ……て…!」
「何で?エッチ目的なんだから、これくらいするよ」
「お願い……やだぁ…」
にゅちち、っと
先ほど舐め扱かれた肉芽に、再び膨らみ始めた亀頭を押し付けられ、上下に摺り合わされる。
「…っあんっ…」
こんな状況でも反応してしまう自分が憎らしかった。
「ハハハ。希帆さん、どんだけ淫乱なの?この状況で」
乾いた笑いと、嘲りを含んだ声を浴びせられ、情けなさに涙が溢れた。いくら不誠実な私への意趣返しだからとて、ここまでされる必要はあるのだろうか。
「……そうやって傷付けるなら、最初から優しくしないでよぉ………!」
次から次へと涙が出て、寝転がったままの枕を濡らした。
一度堰を切った想いは止まらず、しゃくり上げながらも彼への不満を打つける。
「こんな…警戒心解かせて……そんな風に…しないで……よぉ…!ぅう…ふぐぅっ……こ…怖いぃぃ……もぅ………っく……やだぁぁぁ」
両腕で顔を覆っても、嗚咽が漏れる。
「っ…ごめん…!」
彼は慌てて蜜口に添えた肉棒を離し、泣きじゃくる私を抱き起こす。
そのままきつく抱き留めたままで、グシャグシャに乱れた髪を優しく撫ぜてくれた。
その指先に体温が戻っていることに安堵して、身じろぐ私の肩や頭に「ごめんね」と何度も口付けてくる逞しい彼の身体に、しばらく凭れかかる。
彼は私が泣き止むまで背中をさすってくれた。
**************
「お水飲む?」
「…」
頷いて、彼からペットボトルを受け取る。
キャップはすでに開けてくれていたが、行為のせいか力が入らず、500㎖のペットボトルでさえ持ち上げられない。
その様子を見ていた彼が直ぐにボトルを受け取り直し、零れない様に慎重に飲ませてくれた。
ごくり、ごくりと喉を伝う水の感触を確かめながら、少しずつ感情を整理していく。
ボトルを咥えながら、彼の顔を伺うと、どこか呆然とした目とかち合った。
「…ごめんね」
「…」
「……噛み跡、たくさんつけて」
「…」
「……抑えつけて」
「…」
「………ごめん…」
消え入りそうな声で、謝る彼に深いため息をつく。
「めっちゃ怖かった」
「…うん」
「あらゆるところが痛い」
「…ごめん」
「……んぁ~、とりあえず、ご飯食べながら話そうか?洋服着て」
「え?」
「…なに?この期に及んで『まだしたい♡』とか言ったら怒るよ?」
「言わないよ。話、してくれるんだ、と思って…」
「話さないと分かんないじゃん。…私も悪いし」
「………希帆さんって、時々漢気あるよね」
「馬鹿にしてる?」
「してないよ!格好良いなと思ってさ」
「おん?それって……くちゅんっ!!」
「あぁ、冷えちゃったね。取り敢えずこれ着て」
勉強机の椅子にかかっていた黒いパーカーを手速く手繰り寄せて、慣れた様子で着せてくれた。
「…歴代の彼女にもこんな感じだったの?」
「え?」
「それか妹さんとか居る?」
「年子の妹が1人。元カノには…どうだろ」
「年子なら世話はしない?かな。いや、お世話し慣れてるなって、ずっと思ってたから」
素朴な疑問を口にしただけのつもりだったが、彼はなぜか赤面して口元を抑えていた。
私の態度は癇癪を起した幼女のそれと完全に一緒で、ベッド上で組み敷かれた女性のそれではなかった。
「えぇ?だって、希帆さんしたいんでしょ?ちゃんとした『キス』♡覚えるから教えてよ♡」
「いらん!わかんないなら良い。別の人にキスしてもらう」
「…それ、本気?」
パンドラの箱を開けてしまった、と後悔したが遅かった。
果たして、この場に『希望』は残るのであろうか。
「希帆さんが、これまでどんな恋愛をしてきたか知らないけどさ、俺は浮気は許さないよ」
「浮気って…」
「浮気したら一生監禁してやる」
静かに低音で宣言される。怒鳴るでもない、罵るでもない、けれど今までどんな男に向けられた怒気よりも恐ろしかった。
思想の火力が強すぎる…。
この子にとって、童貞を切った私はそれ程までに特別な存在なのか。
今は女を知らなかった身体の反応に、気持ちが釣られている状態に違いない。
まだ年若い彼には、きっとお似合いの女性が現れる。
彼の今の気持ちに舞い上がっていては、いつか絶対に来る離別に耐えられない。
この男も、私の前から去っていくだろう。
好きだよ、愛してるよ、と言ったその口で
簡単に「さようなら」を告げて背中を向けるのだ。
もう二度と、そんな思いをしたくないから、私は恋愛をしないと決めている。
一途に気持ちを伝えても、尽くした分だけ裏切られる。
だったら誰にも誠実でありたくない。
その場しのぎの情事が良い。
「そういう事は、ちゃんと好きな人に伝えなさい」
「……どう言う意味?」
「私が初めての相手だからって特別視するんじゃなくてさ。好きな人と付き合いなさい」
「…俺がエッチ目的だけでこんなことしてるって?」
ワンナイトの相手に、それ以外の何を求めるのだろう。
まぁ、もうワンナイトじゃないけど。
「そうじゃないの?ごめんだけど、私は恋愛する気ないから…」
「……俺、逃がさないって言ったよ?」
唐突に首筋に噛みつかれる。力の限り歯形を残されて、あまりの痛さに声も出ない。
「希帆さんは、エッチだけが目的で、俺とこんなことするんだ?」
「ちょ…っ…こらっ…」
乱暴に乳房を掴まれ、強く揉まれた。思わず顔を顰めてしまう。
「…っいたっ……乱暴にしないで…っ」
「エッチ目的で抱いて良いんでしょう?ちょっとくらい我慢して」
抑揚のない冷たい声で抗議の声を抑えられる。
その様子に頭から熱が冷めていく。
「お…落ち着いて。一回、ゆっくり話そう?ね?」
「…俺、まだ出してないんだけど?」
グリッと屹立したままの肉棒を太ももに押し付けられて、あまりの熱さにビクリと身体を震わせる。
それとは逆に氷の様に冷たい彼の両手が、彼の怒りの深さを示していた。
「…っ……」
「終わったら聞くから、取り合えず黙ってて」
片手で口元を抑えられ、もう片方の手で乳頭を弾くように責められる。
指先で乳房へグリグリ押しやったり、そうかと思えば親指と人差し指で挟んで抓られた。
痛い、けれどそれを訴えることも出来ない。
息を吐くのもやっとなくらいに押し付けられた彼の手を、何とかどかそうと唇を動かす。
「なに?咥えてくれるの?」
乳首に歯を立てていた彼が、面倒くさそうに頭を上げる。
薄赤の突起がジクジク痛んだ。その痛みと、豹変した彼への恐怖で瞳が潤む。
「歯、立てないでね?」
寝かされたままで、上に跨られる。言いようのない恐怖が募った。
「ほら、口。開けて」
力任せに顎を掴まれて、あまりの痛さに口を開く。
その機を逃さず、彼が肉竿をねじ込んできた。
けして小さくないその質量に、口腔が容赦なく犯される。
「ちゃんと舌も使ってね。俺が満足しないと終わらないよ?」
口内に侵入してきた陰茎の充溢感に耐えていると、徐に腰の抽送が始まった。
上顎や内頬を擦り上げる肉竿を、歯を当てないように何とか咥え込む。
ぬるついた粘膜を愉しむように、彼は強引に剛直を突き上げ続けた。
無理やり喉奥まで突っ込まれ、亀頭の括れまで引きずり出されては、また喉奥を抉られる。
膨れ上がった肉棒で喉奥を突かれると、噎せ込みそうになるが逃げられない。
なんども、なんども粘膜を擦りつけながら、その剛直が段々と膨らみを増していく。
顎が軋むが、お構いなしに腰を打ち付けられる。
「っあ~…。気持ちぃ…。やっぱ、良いね、希帆さんの口の中」
ぐぽっ、ぐぽっ、ぐぽっ
「…っ……」
「ハハハ…。苦しそぉ…。ごめんね?大きくて」
悔しくて、苦しくて、必死で彼を睨みつけた。
「良いね。涙目で見上げてくるの、興奮しちゃうな♡」
じゅぼぉっ
また、亀頭の括れまで引き抜かれ
ぐっぷぅぅぅっ
喉の奥の奥まで突き上げられる。
「…こっ……」
「もうちょっと奥、いってみようか?」
ぐりぐり、と更に押し込まれ咽頭壁に肉竿の先端が届く。
そのまま咽頭壁に張り上がった亀頭の先を押し付けられる。
苦しさに顎を引いてしまうと、両手で頭を押さえられ、逆に腰元へグイッと引き寄せられる。
「…っあ~……出るよ」
「…っん!?」
そう言うと彼は、私の頭を掴んだまま、猛然と腰を振るってくる。
そして、そのまま喉奥にドロリとした粘着質の液を弾けさせた。
「あ~…、…っ…気持ちぃ。…ハハハ、希帆さん、ちゃんと飲んでね♡」
彼は余韻を愉しむかのように、吐精後も緩く腰を振るった。
残滓まで舐めとらせるため、自身の陰茎を握ると私の舌に擦り付けて来る。
「うん、そぉ♡さすが、ちゃんと孔まで舐めてくれたね。良い子♡」
そう言うと汗ばんだ私の頭皮に指先を掻き入れて、行為とは逆に優しく撫でてくれた。
その指先は先ほどまではないものの、まだ冷たい。
彼は私の口内に白濁が残っていないのを確認してから、ようやく身体を自由にしてくれた。
唾液と涙と鼻水でぐちゃぐちゃな顔面を拭いながら、上体を起こそうと身じろぐ。
「まだ終わりじゃないよ」
私の股の間に移動した彼が、まだ濡れたままの私の秘裂に、緩く勃ち上がった自身を擦り付けてくる。
彼の膨らみには避妊具が付けられていない。
ゾワリと寒気が全身を襲う。
「…やめ……て…!」
「何で?エッチ目的なんだから、これくらいするよ」
「お願い……やだぁ…」
にゅちち、っと
先ほど舐め扱かれた肉芽に、再び膨らみ始めた亀頭を押し付けられ、上下に摺り合わされる。
「…っあんっ…」
こんな状況でも反応してしまう自分が憎らしかった。
「ハハハ。希帆さん、どんだけ淫乱なの?この状況で」
乾いた笑いと、嘲りを含んだ声を浴びせられ、情けなさに涙が溢れた。いくら不誠実な私への意趣返しだからとて、ここまでされる必要はあるのだろうか。
「……そうやって傷付けるなら、最初から優しくしないでよぉ………!」
次から次へと涙が出て、寝転がったままの枕を濡らした。
一度堰を切った想いは止まらず、しゃくり上げながらも彼への不満を打つける。
「こんな…警戒心解かせて……そんな風に…しないで……よぉ…!ぅう…ふぐぅっ……こ…怖いぃぃ……もぅ………っく……やだぁぁぁ」
両腕で顔を覆っても、嗚咽が漏れる。
「っ…ごめん…!」
彼は慌てて蜜口に添えた肉棒を離し、泣きじゃくる私を抱き起こす。
そのままきつく抱き留めたままで、グシャグシャに乱れた髪を優しく撫ぜてくれた。
その指先に体温が戻っていることに安堵して、身じろぐ私の肩や頭に「ごめんね」と何度も口付けてくる逞しい彼の身体に、しばらく凭れかかる。
彼は私が泣き止むまで背中をさすってくれた。
**************
「お水飲む?」
「…」
頷いて、彼からペットボトルを受け取る。
キャップはすでに開けてくれていたが、行為のせいか力が入らず、500㎖のペットボトルでさえ持ち上げられない。
その様子を見ていた彼が直ぐにボトルを受け取り直し、零れない様に慎重に飲ませてくれた。
ごくり、ごくりと喉を伝う水の感触を確かめながら、少しずつ感情を整理していく。
ボトルを咥えながら、彼の顔を伺うと、どこか呆然とした目とかち合った。
「…ごめんね」
「…」
「……噛み跡、たくさんつけて」
「…」
「……抑えつけて」
「…」
「………ごめん…」
消え入りそうな声で、謝る彼に深いため息をつく。
「めっちゃ怖かった」
「…うん」
「あらゆるところが痛い」
「…ごめん」
「……んぁ~、とりあえず、ご飯食べながら話そうか?洋服着て」
「え?」
「…なに?この期に及んで『まだしたい♡』とか言ったら怒るよ?」
「言わないよ。話、してくれるんだ、と思って…」
「話さないと分かんないじゃん。…私も悪いし」
「………希帆さんって、時々漢気あるよね」
「馬鹿にしてる?」
「してないよ!格好良いなと思ってさ」
「おん?それって……くちゅんっ!!」
「あぁ、冷えちゃったね。取り敢えずこれ着て」
勉強机の椅子にかかっていた黒いパーカーを手速く手繰り寄せて、慣れた様子で着せてくれた。
「…歴代の彼女にもこんな感じだったの?」
「え?」
「それか妹さんとか居る?」
「年子の妹が1人。元カノには…どうだろ」
「年子なら世話はしない?かな。いや、お世話し慣れてるなって、ずっと思ってたから」
素朴な疑問を口にしただけのつもりだったが、彼はなぜか赤面して口元を抑えていた。
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