【R18】不良男子くんとセカンドバージンちゃん

山田 ぽち太郎

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淫らな妄想の虜

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帰宅ラッシュ。有象無象。
わざわざ2本も電車を見送ったのに、乗車した駅の2つ先の駅で団体が乗り合わせて来た。
何かのイベントの帰りらしい乗客が、ゾロゾロと流れ込んでくる。
身体の作りが成人女子の平均以下の私は、人混みにペロリと飲まれてしまった。
なんとか自分の最寄駅で開くドア側付近に立ち、あと8駅を必死に踏ん張る構えを取る。
しばらくすると、下半身に人の手の動きが伝わった。
不自然にモゾモゾと動くそれは、事故ではなく故意に触れているらしい。
執拗に尻の形をなぞっている。
ふぅ、と息を整えてから、握り締めた手を開く。
私の手には慶太くんに渡された虫ピンが1本。
尻を撫で回している手が前方に回されるのを見計らい、親指と人差し指の付け根の間に深く、深く突き刺す。
チロリと見たその手は意外と綺麗で、30代くらいの男の手だろうと思った。
背後で「ヴァっ!!」と濁った悲鳴が聞こえたが、相手の顔は確かめられなかった。
折り悪く次の駅に到着したため、降りる乗客の波に乗じて逃げられてしまったのだ。

「無抵抗の女子にしか手出しできないクズ野郎。早々に人間の役目を終えて餓鬼道で永遠に彷徨え。息さえもこの世の汚物でしかない。腐れ外道め」

苛立ちを抑えるためにボソリと呟いて、気持ちを落ち着かせるために深呼吸をする。
痴漢は逃がしてしまったが、車内の乗客数も減ったため、最寄駅まで妄想を楽しむことにした。
今朝会った慶太くんの顔を思い出すだけで、胸の奥がどうしようもなく疼いた。



妄想を楽しみつつ我が家に帰宅して、とりあえずシャワーを浴びる。
最寄駅に着く直前、休憩中らしい慶太くんからLIMEが届き数回やり取りをした。
2時間後に慶太くんに会える。
明日はお互いにお休み。いつもよりも深く繋がれるだろうか。
恥ずかしいくらいに膨らんだ期待が、トロトロの蜜になって下肢から溶け出す。

「………今夜は…酷くして……くれるかな…」

その蜜を薬指ですくうと、ぐちゅり、と艶かしい音がした。
帰路で楽しんだ妄想をもう一度思い浮かべる。
あの夜みたいに血の匂いに包まれた慶太くんに、無理矢理に身体を暴かれたい。
シナリオはこうだ。
痴漢に遭った私を身をもって助けてくれた慶太くんは、あの夜みたいに痴漢をボコボコにしてくれる。
いき過ぎた暴行の結果、慶太くんの理性のタガが外れてしまって、嫌がる私を出鱈目に抱くのだ。
嫌がる私を押さえつけて、自分の欲望を打つけるだけ。
まるで獣みたいに結合して、何度も何度も穿たれたい。

「イヤって……言う私を……凌辱……して……っ…」

グニグニとクリトリスを弄っていた薬指の動きが段々と激しくなる。
シャワーの水圧が自己主張をしている乳首にあたって気持ち良い。
頭の中で慶太くんが囁いた。

『口では嫌がりながら欲しがってんじゃん。どーせ、後ろから犯されてぇんだろ。ド淫乱』

ぐりゅん、っと膨らんだクリトリスを刺激すると背中に冷たい稲妻が走る。
浴室内に立ち込めた湯気が半開きになった口から侵入して、私の頭をさらに湯立たせた。

「ん…っ……慶太くんは……そんな乱暴な…言葉遣いじゃ…ない」

だらしなく涎を垂らしながら、妄想の慶太くん像を書き替えていく。
慶太くんは見た目に反して気遣いだ。
いつもYESかNOで答えられるように質問してくれる。

『さっき痴漢野郎に触られたここ、叩いて欲しい?叩いて叱られたい?』

叩かれたい。
奪うような、暴くような、そんなセックスがしたい。
お互いに余力なんて残らないくらい、貪るように身体を重ねたい。

「…嫌がる私に…酷くして……っ…」

私が読んでいる官能小説の主人公みたいに、余裕なく、加減なく、酷くして。

「……あっ…♡」

頭頂部からツーンと冷たい感覚が身体中に降りて来て、ぎちゅぎちゅと音を立てているクリトリスから地鳴りみたいな快感が迫り上がった。
ぶるり、ぶるりと胴震いをしながら達する。
最後の最後まで気持ち良いまま、薬指をぐりぐりと動かし続けた。

白む頭を軽く振り、したたるほどに蜜に濡れた指先を見つめる。
ほぁー、と感嘆にも似た溜息を吐き出した。
嫌がる自分を出鱈目に抱いて欲しいと妄想しながら、これまで慶太くんに一度も「嫌だ」と言ったことがないことに思い当たる。

「だって…全部……嬉しい…」

少し弾んだ息を整えながら、慶太くんの腕の中の安心感を記憶の中から手繰り寄せた。
キュッ、と自分の両腕で自分を抱くと、言いようのない切なさが込み上げる。

妄想より、なにより、現実の慶太くんに会いたくて仕方なかった。


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