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【第二話②】小説の中の君は劣情を煽る side佳香
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「なぁ!お前らの抜きのオカズって何?」
その声を聞いた時、顔を上げなくても、またコイツらかと軽く目を瞑った。
「言い出しっぺのお前は何なの?」
「俺は、最近このインスタ見て抜いてる♡」
「静止画で?せめて動画じゃないときついな~、俺」
「あ、そのインスタ知ってる!有名コスプレイヤーのやつだろ?女王様系専門の」
「まぁ、確かにエロいけど、俺は抜けないわ~」
「俺は最近お気に入りの嬢が出来たから日参してるわ♡」
「多田っち爛れてるぅ~!!!!」
どんな状況でも自分のテンションを上げられるのは営業にとって長所だが、コイツらは壊滅的に空気が読めない。
いや、それもある意味営業向きではあるが、『あえて』読まないのと読めないのは違う。
悪い奴らではないのだが、最近は桐谷の手を煩わせ過ぎている。
「ちょっと、そう言う話は女性の居ない場所でしなよ」
「ごめ~ん、桐谷!気を付ける!!」
「営業部の仏様に言われたら控えるしかないよな」
「最近、俺は桐谷が母親に見えて来たぞ」
「あ、それ俺も思った」
堪らず注意する桐谷に、一旦は素直に従うものの、直ぐに別の話題で盛り上がれるのは才能だろうか。
桐谷は母親と言うより保育士ではないかと頭の中で反論する。
「なぁなぁ、すっっごく興味あるんだけど、桐谷のオカズって何?」
!?
桐谷がコーヒーを吹いてくれなかったら、勢いよく立ち上がっている所だ。
それでも少し肩が揺れてしまった。
桐谷に気付かれていなければ良いが…。
「…ゴホゴホ!…っーー、ごめ、蒼森、そっちまで飛んじゃった?」
「い、いや…」
その気遣いの言葉に、自分の動揺が彼に伝わっていた事を知る。
(格好悪りぃな、俺)
つい目を逸らしてしまってから自分の愚策に辟易する。
桐谷を意識しない様に努めるほどに、桐谷を強く意識してしまう。
思春期の様な自分が恨めしかった。
「なぁなぁって!教えて!!桐谷は何をオカズにしてんのって!!!!」
その無邪気な好奇心を仕事にも向けろ、日向。
吉澤さんと弓削さんに見守られている桐谷はオロオロしっぱなしだ。
「なぁなぁ!桐谷は動画見るの?」
「…そ、ど、動画と、か、恥ずかし…」
「?見たことないの?じゃあ、俺みたいに写真とかで?」
「…!その人に断りもなく、あられも無い姿を見るのが嫌なんだ…!!」
何とも桐谷らしい理由だなっと場面も忘れて感心してしまう。
それは彼の隣に座っている吉澤さんも同じ様で、口元が微かに微笑んで見えた。
その声を聞いた時、顔を上げなくても、またコイツらかと軽く目を瞑った。
「言い出しっぺのお前は何なの?」
「俺は、最近このインスタ見て抜いてる♡」
「静止画で?せめて動画じゃないときついな~、俺」
「あ、そのインスタ知ってる!有名コスプレイヤーのやつだろ?女王様系専門の」
「まぁ、確かにエロいけど、俺は抜けないわ~」
「俺は最近お気に入りの嬢が出来たから日参してるわ♡」
「多田っち爛れてるぅ~!!!!」
どんな状況でも自分のテンションを上げられるのは営業にとって長所だが、コイツらは壊滅的に空気が読めない。
いや、それもある意味営業向きではあるが、『あえて』読まないのと読めないのは違う。
悪い奴らではないのだが、最近は桐谷の手を煩わせ過ぎている。
「ちょっと、そう言う話は女性の居ない場所でしなよ」
「ごめ~ん、桐谷!気を付ける!!」
「営業部の仏様に言われたら控えるしかないよな」
「最近、俺は桐谷が母親に見えて来たぞ」
「あ、それ俺も思った」
堪らず注意する桐谷に、一旦は素直に従うものの、直ぐに別の話題で盛り上がれるのは才能だろうか。
桐谷は母親と言うより保育士ではないかと頭の中で反論する。
「なぁなぁ、すっっごく興味あるんだけど、桐谷のオカズって何?」
!?
桐谷がコーヒーを吹いてくれなかったら、勢いよく立ち上がっている所だ。
それでも少し肩が揺れてしまった。
桐谷に気付かれていなければ良いが…。
「…ゴホゴホ!…っーー、ごめ、蒼森、そっちまで飛んじゃった?」
「い、いや…」
その気遣いの言葉に、自分の動揺が彼に伝わっていた事を知る。
(格好悪りぃな、俺)
つい目を逸らしてしまってから自分の愚策に辟易する。
桐谷を意識しない様に努めるほどに、桐谷を強く意識してしまう。
思春期の様な自分が恨めしかった。
「なぁなぁって!教えて!!桐谷は何をオカズにしてんのって!!!!」
その無邪気な好奇心を仕事にも向けろ、日向。
吉澤さんと弓削さんに見守られている桐谷はオロオロしっぱなしだ。
「なぁなぁ!桐谷は動画見るの?」
「…そ、ど、動画と、か、恥ずかし…」
「?見たことないの?じゃあ、俺みたいに写真とかで?」
「…!その人に断りもなく、あられも無い姿を見るのが嫌なんだ…!!」
何とも桐谷らしい理由だなっと場面も忘れて感心してしまう。
それは彼の隣に座っている吉澤さんも同じ様で、口元が微かに微笑んで見えた。
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