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英雄と狂信者
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「おはようございます」
ハッと目が覚めるとベッドに二人で入り、エリクがジュリーナを見つめていた
泣いたまま寝てしまったようだ、目が腫れぼったく朝日を浴びてキラキラと輝くエリクを前に、恥ずかしさで彼の胸元へ隠れた
「ずっと起きていたの? 起こしてよ 恥ずかしわ」
「とっても可愛かったですよ」
「マリアを呼んで 目が腫れてしまったわ」
「嫌です、まだ二人で…このまま」
暫くエリクの好きにさせていたがマリアが来る前にエリクを追い出した
目の腫れたジュリーナにマリアは小さな悲鳴をあげると朝食は自室で取るように準備をした
支度を整え、アレックスを尋ねて目が晴れた旨を伝える。話し合いに欠席する事となった
また早くにロバートは訪れた、すぐ様アレックス、コニー、ロバート、エリクと話し合いに入った
どんな話し合いがされていてもジュリーナに出来ることなど無い、ただ返事をするだけだ
いつもの様に
日が真上を通り過ぎて暫く経ったのち、ロバートとエリクが会いたいと伝えてきた
客間を準備し、ジュリーナは向かった
「お初にお目にかかりますサミーレッド伯爵家が次女ジュリーナ・サミーレッドと申します」
「やぁ初めまして可憐なお嬢さん、ロバート・カナンだ 気楽にお父様と呼んでくれ」
「恐れ多いですわ」
「君がエリクの想い人か、兄弟とは似てないな」
よく言われる言葉だ、兄弟は美しいのに似てないなと
エリクには相応しくないと、言われているようでジュリーナの視線は下を向いた
「エリクを止めてくれるかい? 辺境伯を殺しに行くと聞かなくてね」
「仕方ありません。そのままジュリーナと隣国に行ってきます 手紙は出せませんけどお元気で」
「はぁー… エリクは堪え性がないなー 」
エリクが本性を見せている姿にジュリーナは驚いたが、ロバートは気にした様子を見せなかった。ロバートとは普段からこの距離感で会話しているようだ
話し合いの末、婚約はエリクとジュリーナになった。幸いマルゴとはまだ契約をする前だった事もあり、サミーレッド家が辺境伯へ賠償金を支払う形で済んだ
初めてあった日はジュリーナでもいいか最終確認だった、だがマヌエラからジュリーナに変更する際に多額な金銭が動いたので、二重で支払う形だ
良かった点としてはジュリーナとの婚約は公表する前だったと言う点だ
「ジュリーナの心にいるのが許せないのです。居なくなれば忘れるでしょ? さぁジュリーナ支度をして」
何故か隣に座っているエリクは腰に手を回しこめかみにキスをした
向かいに座っているロバートは頭を仰ぎ、チラリとジュリーナに目線を寄越した
視線を受け取ったジュリーナは暫く考えたが、腹を括った
「エリクは先程から辺境伯の話ばかりだわ 私と婚約したのよね? エリクと婚約したのをもっと皆に祝福されたいわ」
「ごめん… そうだよジュリーナの婚約者は僕だ でも意外だな皆に祝福されたいなんて」
「昨日言ったでしょ? 寂しいって それで気づいたの、エリクとの関係を誰にも話をしていなかったから だから拗れたんだって。これからは秘密にしないで?デートしたり色々…したいわ」
腹を括ったとはいえ、恥ずかしさに顔を赤くさせた
エリクは嬉しそうに蕩ける笑みを浮かべると頬にキスを送った
黙って聞いていたロバートは、余りにも甘い雰囲気と態度が初めてで、エリクの対応に開いた口が塞がらなかった
「辺境伯を殺すとかもう言わないで、私にだけに集中して。いい?」
「もちろん!もちろんだよ! ごめん僕が浅はかだったよ これからはずっと一緒にいる」
「そうよ エリクが私を一人にするから悪いのよ 他に何も考えられないくらい傍に居て」
「ごめん 愛してるよ ジュリーナ 本当に…幸せだよ」
はいはいと返事をするとエリクの殺害予告は水に流れ、ロバートは開いた口のままジュリーナに拍手を送った
ハッと目が覚めるとベッドに二人で入り、エリクがジュリーナを見つめていた
泣いたまま寝てしまったようだ、目が腫れぼったく朝日を浴びてキラキラと輝くエリクを前に、恥ずかしさで彼の胸元へ隠れた
「ずっと起きていたの? 起こしてよ 恥ずかしわ」
「とっても可愛かったですよ」
「マリアを呼んで 目が腫れてしまったわ」
「嫌です、まだ二人で…このまま」
暫くエリクの好きにさせていたがマリアが来る前にエリクを追い出した
目の腫れたジュリーナにマリアは小さな悲鳴をあげると朝食は自室で取るように準備をした
支度を整え、アレックスを尋ねて目が晴れた旨を伝える。話し合いに欠席する事となった
また早くにロバートは訪れた、すぐ様アレックス、コニー、ロバート、エリクと話し合いに入った
どんな話し合いがされていてもジュリーナに出来ることなど無い、ただ返事をするだけだ
いつもの様に
日が真上を通り過ぎて暫く経ったのち、ロバートとエリクが会いたいと伝えてきた
客間を準備し、ジュリーナは向かった
「お初にお目にかかりますサミーレッド伯爵家が次女ジュリーナ・サミーレッドと申します」
「やぁ初めまして可憐なお嬢さん、ロバート・カナンだ 気楽にお父様と呼んでくれ」
「恐れ多いですわ」
「君がエリクの想い人か、兄弟とは似てないな」
よく言われる言葉だ、兄弟は美しいのに似てないなと
エリクには相応しくないと、言われているようでジュリーナの視線は下を向いた
「エリクを止めてくれるかい? 辺境伯を殺しに行くと聞かなくてね」
「仕方ありません。そのままジュリーナと隣国に行ってきます 手紙は出せませんけどお元気で」
「はぁー… エリクは堪え性がないなー 」
エリクが本性を見せている姿にジュリーナは驚いたが、ロバートは気にした様子を見せなかった。ロバートとは普段からこの距離感で会話しているようだ
話し合いの末、婚約はエリクとジュリーナになった。幸いマルゴとはまだ契約をする前だった事もあり、サミーレッド家が辺境伯へ賠償金を支払う形で済んだ
初めてあった日はジュリーナでもいいか最終確認だった、だがマヌエラからジュリーナに変更する際に多額な金銭が動いたので、二重で支払う形だ
良かった点としてはジュリーナとの婚約は公表する前だったと言う点だ
「ジュリーナの心にいるのが許せないのです。居なくなれば忘れるでしょ? さぁジュリーナ支度をして」
何故か隣に座っているエリクは腰に手を回しこめかみにキスをした
向かいに座っているロバートは頭を仰ぎ、チラリとジュリーナに目線を寄越した
視線を受け取ったジュリーナは暫く考えたが、腹を括った
「エリクは先程から辺境伯の話ばかりだわ 私と婚約したのよね? エリクと婚約したのをもっと皆に祝福されたいわ」
「ごめん… そうだよジュリーナの婚約者は僕だ でも意外だな皆に祝福されたいなんて」
「昨日言ったでしょ? 寂しいって それで気づいたの、エリクとの関係を誰にも話をしていなかったから だから拗れたんだって。これからは秘密にしないで?デートしたり色々…したいわ」
腹を括ったとはいえ、恥ずかしさに顔を赤くさせた
エリクは嬉しそうに蕩ける笑みを浮かべると頬にキスを送った
黙って聞いていたロバートは、余りにも甘い雰囲気と態度が初めてで、エリクの対応に開いた口が塞がらなかった
「辺境伯を殺すとかもう言わないで、私にだけに集中して。いい?」
「もちろん!もちろんだよ! ごめん僕が浅はかだったよ これからはずっと一緒にいる」
「そうよ エリクが私を一人にするから悪いのよ 他に何も考えられないくらい傍に居て」
「ごめん 愛してるよ ジュリーナ 本当に…幸せだよ」
はいはいと返事をするとエリクの殺害予告は水に流れ、ロバートは開いた口のままジュリーナに拍手を送った
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