105 / 220
本編
ピンク頭と反論開始
しおりを挟む
アミィ嬢がエステルを階段から突き落とそうとして失敗したり、ドレスを破いたという言いがかりをつけてきた殿下に対し、僕たちは彼女が無実である証拠があると主張した。
案の定、逆上した殿下は「そんなものがあるなら出してみろ」と喚きたてる。
それじゃ、お望み通り証拠を出して反論と行きましょうか。
「まず、アハシュロス公女がクリシュナン令嬢を突き落としたとされる件ですが……
その時アハシュロス公女はクリシュナン令嬢より数段下を歩いていて、突き落とすのは難しい状況でした。
しかも公女はクリシュナン令嬢の転落に気付いてすぐ令嬢を助けようとかばい、彼女を安全な踊り場に押し戻してから自分が落下しました」
「僕はちょうど階段の下にいたんですが、エステル……クリシュナン令嬢が自分で飛び降りたように見えました。その時撮影された記録球があるのでご覧ください」
コニーと代わる代わる説明して記録球を再生すると、立体映像でその場の状況が再現される。
何度見てもエステルはアミィ嬢の手が届かない位置から自分で飛び降りたように見えるし、アミィ嬢はエステルを助けようとして自分が落っこちている。
「……っ確かにこの映像ではそのように見えるが……」
「そんな……っこんな映像、きっと誰かの捏造よっ!!
ねえマイヒャ、誰がこんなひどいデマ映像作ったか調べてよ」
「失敬な。それは私が試作した記録球をテスト運用したときにたまたま映っていたものだが? つまり、君は私がこの映像を捏造したと言うのかい、クリシュナン令嬢?」
戸惑いながらもクセルクセス殿下が認めると、エステルが必死で否定する。
しかし、パラクセノス先生に同意を求めてかえって怒りを買ってしまった。
「そ……そんな……ひどい……っ!! コノシェンツァもマイヒャもあたしを裏切ったの…っ!?」
「我々を騙して他人を陥れさせようとする君の行為こそが裏切りだと思うが」
「それから、こちらは女子更衣室に仕掛けられた防犯記録球の映像です。
このところ女子更衣室で盗難や器物破損が相次いでいるという訴えがあったので試験的に運用されていました」
エステルは目にいっぱいに涙を浮かべて非難するが、冷たくあしらうパラクセノス先生と、無視して顔色一つ変えずに証言を続けるコノシェンツァ。
続けてエステルが女子更衣室で自分のドレスを破いている映像が再生される。もちろんピオーネ嬢への聞くに堪えない罵詈雑言つきだ。
アミィ嬢はピオーネ嬢に気づかわしげな視線を送り、エステルと殿下は青い顔をして押し黙る。
アッファーリとアルティストの表情も硬い。
……うん、あの罵詈雑言聞くと百年の恋も一瞬で冷めるよね。
「これでもアハシュロス公女がクリシュナン令嬢を階段から突き落としたり、ドレスを破いたとおっしゃいますか?」
「嘘よ……嘘……あたしを陥れるために悪役令嬢が小細工したんだわ……っ」
譫言のようにつぶやくエステルにコノシェンツァは容赦なく次の映像をつきつける。
校舎裏に呼び出したアミィ嬢を鬼のような形相のエステルがさんざんに罵る場面だ。
『なんなのよアンタは!?悪役令嬢のくせにイジメもしてこないし階段じゃ自分が落ちて邪魔するしっ!!』
『ただでさえお前のせいで攻略が進なくて大迷惑してるのにっ! っざっけんなっ!!
断罪パーティーで婚約破棄されて処刑されるためだけに存在する悪役令嬢のくせにっ!!!』
キンキンした喚き声は何度聞いても耳障りで、非常識な発言内容も相まって不愉快極まりない。
「これは不審者の侵入を防ぐために設置された記録球です。
撮影日時は十五日前のお昼休みで撮影場所は校舎裏。つまりクリシュナン令嬢が階段から落ちたとされるダンス授業の後の休み時間ですね。
クリシュナン令嬢ははっきりと『いじめをしてこない』『階段では自分が落ちた』と言っています。
これまでの『アハシュロス公女から繰り返しイジメられている』『階段から突き落とされて殺されそうになった』という訴えとは矛盾しますが、いったいどういう事でしょう?」
淡々と事実を羅列していくコニー。聞いているクセルクセス殿下は顔色を青くして黙ったままだ。
「な……なんでこんなにあちこち防犯カメラがあるのよ……っ!?
ここは乙女ゲームの中でしょっ!?こんなファンタジー世界に防犯カメラなんてあり得ないっ!!」
語るに落ちるとはこのことか。
エステルの叫びは、誰も見ていないし撮影されていないと確信していたからこその言動だと白状したようなものだ。
「なるほど、学園内に防犯用の監視装置があることを想定しないで被害を主張していたのですね。つまり、計画的に冤罪をでっちあげようとしていた。
それは詐欺罪や反逆罪に問われてもおかしくない犯罪行為だとわかっていますか?」
「犯罪だなんて……っ!? ひどい……っ!! あたしはただ愛されたくて……っ」
冷静に、あくまで丁寧な口調を崩さず念を押すコニーにエステルは涙を流しながらヒステリックな金切り声で答えにならない答えを返す。
「見損なったぞコノシェンツァ!! こんなに可憐なエステルを虐げる側に回るのかっ!?
お前はおとなしく生徒会の業務だけやっていればいいんだ!!
せっかくあの生意気な女を地獄に落とせるはずだったのに……っ」
「……まさか、殿下まで虚偽とわかっていてこんな茶番を?」
ああ、語るに落ちるのはクセルクセス殿下もか。これでは殿下自身がアミィ嬢の無実を知りながら陥れようと画策していたと白状しているようなものではないか。
「茶番とはなんだ、茶番とは……っあのいけすかない偽善者がこの国の王妃などという分不相応の地位につくことを防ぐ、崇高な戦いだぞ……っ」
どこが『崇高な戦い』だ。地位を嵩に着て無実の人を陥れ、理不尽な罰を与えようとするとは。
「やれやれ。
どうやら殿下もアハシュロス公女が無実だと言う事は実はわかっていたようですね。ならば、これ以上あなた方が公女の『悪行』とやらを並べたところで無駄だとおわかりいただけましたか?
無理に冤罪をきせようとしたことが公になれば、殿下も詐欺罪などに問われる可能性がありますよ」
「……ぐぅっ」
あ、ぐぅの音が出た。
義務や責任を嫌がって、逃げて遊んでばかりの殿下にとって、重すぎる期待にも生真面目に一つ一つ応えようと努力するアミィはまぶしすぎたのだろう。
コンプレックスの裏返しが彼女への粗略な扱いとなり、しかも彼女を蔑ろにすればするほど自分が彼女よりも上の存在だと優越感を得られるため、ますますやめられないという悪循環。
しかし、学園を卒業すれば正式な結婚に向けて準備に取り掛からねばならない。
そこから逃げるためにこのような茶番を打ったのだろうが……
一言で言えば、彼は成人間近の王族としては幼稚すぎるのだ。
「とにかく、これでアハシュロス公女の疑いは晴らせたようですね。ちょうど良いので、この機会にこちらからも殿下たちに伺いたい事がございます」
無事にアミィ嬢の嫌疑を晴らせたところで、ついにコニーが切り出した。
これからはこちらが詰問する側に回る番だ。
案の定、逆上した殿下は「そんなものがあるなら出してみろ」と喚きたてる。
それじゃ、お望み通り証拠を出して反論と行きましょうか。
「まず、アハシュロス公女がクリシュナン令嬢を突き落としたとされる件ですが……
その時アハシュロス公女はクリシュナン令嬢より数段下を歩いていて、突き落とすのは難しい状況でした。
しかも公女はクリシュナン令嬢の転落に気付いてすぐ令嬢を助けようとかばい、彼女を安全な踊り場に押し戻してから自分が落下しました」
「僕はちょうど階段の下にいたんですが、エステル……クリシュナン令嬢が自分で飛び降りたように見えました。その時撮影された記録球があるのでご覧ください」
コニーと代わる代わる説明して記録球を再生すると、立体映像でその場の状況が再現される。
何度見てもエステルはアミィ嬢の手が届かない位置から自分で飛び降りたように見えるし、アミィ嬢はエステルを助けようとして自分が落っこちている。
「……っ確かにこの映像ではそのように見えるが……」
「そんな……っこんな映像、きっと誰かの捏造よっ!!
ねえマイヒャ、誰がこんなひどいデマ映像作ったか調べてよ」
「失敬な。それは私が試作した記録球をテスト運用したときにたまたま映っていたものだが? つまり、君は私がこの映像を捏造したと言うのかい、クリシュナン令嬢?」
戸惑いながらもクセルクセス殿下が認めると、エステルが必死で否定する。
しかし、パラクセノス先生に同意を求めてかえって怒りを買ってしまった。
「そ……そんな……ひどい……っ!! コノシェンツァもマイヒャもあたしを裏切ったの…っ!?」
「我々を騙して他人を陥れさせようとする君の行為こそが裏切りだと思うが」
「それから、こちらは女子更衣室に仕掛けられた防犯記録球の映像です。
このところ女子更衣室で盗難や器物破損が相次いでいるという訴えがあったので試験的に運用されていました」
エステルは目にいっぱいに涙を浮かべて非難するが、冷たくあしらうパラクセノス先生と、無視して顔色一つ変えずに証言を続けるコノシェンツァ。
続けてエステルが女子更衣室で自分のドレスを破いている映像が再生される。もちろんピオーネ嬢への聞くに堪えない罵詈雑言つきだ。
アミィ嬢はピオーネ嬢に気づかわしげな視線を送り、エステルと殿下は青い顔をして押し黙る。
アッファーリとアルティストの表情も硬い。
……うん、あの罵詈雑言聞くと百年の恋も一瞬で冷めるよね。
「これでもアハシュロス公女がクリシュナン令嬢を階段から突き落としたり、ドレスを破いたとおっしゃいますか?」
「嘘よ……嘘……あたしを陥れるために悪役令嬢が小細工したんだわ……っ」
譫言のようにつぶやくエステルにコノシェンツァは容赦なく次の映像をつきつける。
校舎裏に呼び出したアミィ嬢を鬼のような形相のエステルがさんざんに罵る場面だ。
『なんなのよアンタは!?悪役令嬢のくせにイジメもしてこないし階段じゃ自分が落ちて邪魔するしっ!!』
『ただでさえお前のせいで攻略が進なくて大迷惑してるのにっ! っざっけんなっ!!
断罪パーティーで婚約破棄されて処刑されるためだけに存在する悪役令嬢のくせにっ!!!』
キンキンした喚き声は何度聞いても耳障りで、非常識な発言内容も相まって不愉快極まりない。
「これは不審者の侵入を防ぐために設置された記録球です。
撮影日時は十五日前のお昼休みで撮影場所は校舎裏。つまりクリシュナン令嬢が階段から落ちたとされるダンス授業の後の休み時間ですね。
クリシュナン令嬢ははっきりと『いじめをしてこない』『階段では自分が落ちた』と言っています。
これまでの『アハシュロス公女から繰り返しイジメられている』『階段から突き落とされて殺されそうになった』という訴えとは矛盾しますが、いったいどういう事でしょう?」
淡々と事実を羅列していくコニー。聞いているクセルクセス殿下は顔色を青くして黙ったままだ。
「な……なんでこんなにあちこち防犯カメラがあるのよ……っ!?
ここは乙女ゲームの中でしょっ!?こんなファンタジー世界に防犯カメラなんてあり得ないっ!!」
語るに落ちるとはこのことか。
エステルの叫びは、誰も見ていないし撮影されていないと確信していたからこその言動だと白状したようなものだ。
「なるほど、学園内に防犯用の監視装置があることを想定しないで被害を主張していたのですね。つまり、計画的に冤罪をでっちあげようとしていた。
それは詐欺罪や反逆罪に問われてもおかしくない犯罪行為だとわかっていますか?」
「犯罪だなんて……っ!? ひどい……っ!! あたしはただ愛されたくて……っ」
冷静に、あくまで丁寧な口調を崩さず念を押すコニーにエステルは涙を流しながらヒステリックな金切り声で答えにならない答えを返す。
「見損なったぞコノシェンツァ!! こんなに可憐なエステルを虐げる側に回るのかっ!?
お前はおとなしく生徒会の業務だけやっていればいいんだ!!
せっかくあの生意気な女を地獄に落とせるはずだったのに……っ」
「……まさか、殿下まで虚偽とわかっていてこんな茶番を?」
ああ、語るに落ちるのはクセルクセス殿下もか。これでは殿下自身がアミィ嬢の無実を知りながら陥れようと画策していたと白状しているようなものではないか。
「茶番とはなんだ、茶番とは……っあのいけすかない偽善者がこの国の王妃などという分不相応の地位につくことを防ぐ、崇高な戦いだぞ……っ」
どこが『崇高な戦い』だ。地位を嵩に着て無実の人を陥れ、理不尽な罰を与えようとするとは。
「やれやれ。
どうやら殿下もアハシュロス公女が無実だと言う事は実はわかっていたようですね。ならば、これ以上あなた方が公女の『悪行』とやらを並べたところで無駄だとおわかりいただけましたか?
無理に冤罪をきせようとしたことが公になれば、殿下も詐欺罪などに問われる可能性がありますよ」
「……ぐぅっ」
あ、ぐぅの音が出た。
義務や責任を嫌がって、逃げて遊んでばかりの殿下にとって、重すぎる期待にも生真面目に一つ一つ応えようと努力するアミィはまぶしすぎたのだろう。
コンプレックスの裏返しが彼女への粗略な扱いとなり、しかも彼女を蔑ろにすればするほど自分が彼女よりも上の存在だと優越感を得られるため、ますますやめられないという悪循環。
しかし、学園を卒業すれば正式な結婚に向けて準備に取り掛からねばならない。
そこから逃げるためにこのような茶番を打ったのだろうが……
一言で言えば、彼は成人間近の王族としては幼稚すぎるのだ。
「とにかく、これでアハシュロス公女の疑いは晴らせたようですね。ちょうど良いので、この機会にこちらからも殿下たちに伺いたい事がございます」
無事にアミィ嬢の嫌疑を晴らせたところで、ついにコニーが切り出した。
これからはこちらが詰問する側に回る番だ。
10
お気に入りに追加
551
あなたにおすすめの小説
【完結】名ばかりの妻を押しつけられた公女は、人生のやり直しを求めます。2度目は絶対に飼殺し妃ルートの回避に全力をつくします。
yukiwa (旧PN 雪花)
恋愛
*タイトル変更しました。(旧題 黄金竜の花嫁~飼殺し妃は遡る~)
パウラ・ヘルムダールは、竜の血を継ぐ名門大公家の跡継ぎ公女。
この世を支配する黄金竜オーディに望まれて側室にされるが、その実態は正室の仕事を丸投げされてこなすだけの、名のみの妻だった。
しかもその名のみの妻、側室なのに選抜試験などと御大層なものがあって。生真面目パウラは手を抜くことを知らず、ついつい頑張ってなりたくもなかった側室に見事当選。
もう一人の側室候補エリーヌは、イケメン試験官と恋をしてさっさと選抜試験から引き揚げていた。
「やられた!」と後悔しても、後の祭り。仕方ないからパウラは丸投げされた仕事をこなし、こなして一生を終える。そしてご褒美にやり直しの転生を願った。
「二度と絶対、飼殺しの妃はごめんです」
そうして始まった2度目の人生、なんだか周りが騒がしい。
竜の血を継ぐ4人の青年(後に試験官になる)たちは、なぜだかみんなパウラに甘い。
後半、シリアス風味のハピエン。
3章からルート分岐します。
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
表紙画像はwaifulabsで作成していただきました。
https://waifulabs.com/
愛を語れない関係【完結】
迷い人
恋愛
婚約者の魔導師ウィル・グランビルは愛すべき義妹メアリーのために、私ソフィラの全てを奪おうとした。 家族が私のために作ってくれた魔道具まで……。
そして、時が戻った。
だから、もう、何も渡すものか……そう決意した。
【本編完結】実の家族よりも、そんなに従姉妹(いとこ)が可愛いですか?
のんのこ
恋愛
侯爵令嬢セイラは、両親を亡くした従姉妹(いとこ)であるミレイユと暮らしている。
両親や兄はミレイユばかりを溺愛し、実の家族であるセイラのことは意にも介さない。
そんなセイラを救ってくれたのは兄の友人でもある公爵令息キースだった…
本垢執筆のためのリハビリ作品です(;;)
本垢では『婚約者が同僚の女騎士に〜』とか、『兄が私を愛していると〜』とか、『最愛の勇者が〜』とか書いてます。
ちょっとタイトル曖昧で間違ってるかも?
私は貴方を許さない
白湯子
恋愛
甘やかされて育ってきたエリザベータは皇太子殿下を見た瞬間、前世の記憶を思い出す。無実の罪を着させられ、最期には断頭台で処刑されたことを。
前世の記憶に酷く混乱するも、優しい義弟に支えられ今世では自分のために生きようとするが…。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
三年目の離縁、「白い結婚」を申し立てます! 幼な妻のたった一度の反撃
紫月 由良
恋愛
【書籍化】5月30日発行されました。イラストは天城望先生です。
【本編】十三歳で政略のために婚姻を結んだエミリアは、夫に顧みられない日々を過ごす。夫の好みは肉感的で色香漂う大人の女性。子供のエミリアはお呼びではなかった。ある日、参加した夜会で、夫が愛人に対して、妻を襲わせた上でそれを浮気とし家から追い出すと、楽しそうに言ってるのを聞いてしまう。エミリアは孤児院への慰問や教会への寄付で培った人脈を味方に、婚姻無効を申し立て、夫の非を詳らかにする。従順(見かけだけ)妻の、夫への最初で最後の反撃に出る。
【完結】悪役令嬢エヴァンジェリンは静かに死にたい
小達出みかん
恋愛
私は、悪役令嬢。ヒロインの代わりに死ぬ役どころ。
エヴァンジェリンはそうわきまえて、冷たい婚約者のどんな扱いにも耐え、死ぬ日のためにもくもくとやるべき事をこなしていた。
しかし、ヒロインを虐めたと濡れ衣を着せられ、「やっていません」と初めて婚約者に歯向かったその日から、物語の歯車が狂いだす。
――ヒロインの身代わりに死ぬ予定の悪役令嬢だったのに、愛されキャラにジョブチェンしちゃったみたい(無自覚)でなかなか死ねない! 幸薄令嬢のお話です。
安心してください、ハピエンです――
王子妃だった記憶はもう消えました。
cyaru
恋愛
記憶を失った第二王子妃シルヴェーヌ。シルヴェーヌに寄り添う騎士クロヴィス。
元々は王太子であるセレスタンの婚約者だったにも関わらず、嫁いだのは第二王子ディオンの元だった。
実家の公爵家にも疎まれ、夫となった第二王子ディオンには愛する人がいる。
記憶が戻っても自分に居場所はあるのだろうかと悩むシルヴェーヌだった。
記憶を取り戻そうと動き始めたシルヴェーヌを支えるものと、邪魔するものが居る。
記憶が戻った時、それは、それまでの日常が崩れる時だった。
★1話目の文末に時間的流れの追記をしました(7月26日)
●ゆっくりめの更新です(ちょっと本業とダブルヘッダーなので)
●ルビ多め。鬱陶しく感じる方もいるかも知れませんがご了承ください。
敢えて常用漢字などの読み方を変えている部分もあります。
●作中の通貨単位はケラ。1ケラ=1円くらいの感じです。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界の創作話です。時代設定、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる