幸福とは死者の群れの中に生者を見出すこと~セプテントリオの妖精姫~
私はかつてセプテントリオの妖精姫、と綽名されていたらしい。
未来の王太子妃として厳しい教育と公務に耐えながら、貼り付けた笑顔で愛想を振りまいていた、遠い時代の残滓だ。
今の私をそんな典雅な名で呼ぶものはいないだろう。
5年もの間ずっと泥の中を這いずり回って戦って、ようやく生還した私を待っていたのは、平和に浮かれる人々の空っぽの賛辞と、冷たい拒絶だった。
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「卑怯で臆病な僕は血塗れの聖女を受け入れることができない(https://www.alphapolis.co.jp/novel/127841768/516534973)」の中に出てくるフェレティングの手記です。
6人の戦友の思い出と、戦場で知り合った女性兵士たちのエピソードがフェレティングとプーブリスクスの視点で綴られます。
相変わらずのゆるふわ設定で、軍の組織や作戦などはものすごく適当です。
作者はミリタリー全くわからないので、何かおかしな点(特に戦車!!)ございましたらコメントにて教えていただけると泣いて喜びます<(_ _)>
関東軍の従軍看護師だった母の従姉の思い出や、今まで読んだり人から聞いたりした戦争体験がごちゃまぜに入っています。
どこかで聞いたようなエピソードがまじっていても生温かくスルーしてください<(_ _)>
登場人物のほとんどは戦死したり、戦後も差別や戦闘後遺症のため普通の生活が送れなくなるので、基本的にバッドエンドです。
苦手な方は回避してください。
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序
ヘパティーツァ・トヴェルトネ
エルシス・スカイスツ
マイプティア・ダルビニクス
キルシャズィア・パーヴァサリス
クメリーテ・アルスツ
ピオニーア・ヤオタス
結
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僕の身代わりとしてあの泥沼の戦場に彼女が行ってしまうまでは。
ようやく平和が訪れて、帰って来た彼女を僕は生理的に受け付けることができなかった。
何も映していないような虚ろな瞳。
周囲にピリピリとした空気をまき散らし、精神を削り取るような緊張を強いるあの眼光。
彼女の精神は今もあの戦場で泥の中を這いまわり、血と糞尿をすすってもがき続けているのだろう。
僕はそんな惨めな戦争の残滓を見たくなくて、その言葉に飛びついてしまった。
彼女を貶め、この世から消し去る事を正当化してくれる、あの根も葉もない噂に。
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作中に出てくるフェルティング・ポクリクペリの手記を別作品「幸福とは死者の群れの中に生者を見出すこと~セプテントリオの妖精姫~」として投稿しています。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/127841768/52537770
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