卑怯で臆病な僕は血塗れの聖女を受け入れることができない~セプテントリオの妖精姫~
僕の婚約者はかつてセプテントリオの妖精姫と呼ばれていた。
銀糸のような癖のない髪に透き通った碧玉の瞳。
儚げな美貌に柔らかな微笑をたたえ、誰にでも穏やかに接する彼女は理想の令嬢、いや姫君だ。
彼女は僕の自慢の婚約者だった。
僕の身代わりとしてあの泥沼の戦場に彼女が行ってしまうまでは。
ようやく平和が訪れて、帰って来た彼女を僕は生理的に受け付けることができなかった。
何も映していないような虚ろな瞳。
周囲にピリピリとした空気をまき散らし、精神を削り取るような緊張を強いるあの眼光。
彼女の精神は今もあの戦場で泥の中を這いまわり、血と糞尿をすすってもがき続けているのだろう。
僕はそんな惨めな戦争の残滓を見たくなくて、その言葉に飛びついてしまった。
彼女を貶め、この世から消し去る事を正当化してくれる、あの根も葉もない噂に。
---------------
作中に出てくるフェルティング・ポクリクペリの手記を別作品「幸福とは死者の群れの中に生者を見出すこと~セプテントリオの妖精姫~」として投稿しています。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/127841768/52537770
もしよろしければそちらも併せてご覧ください<(_ _)>
-------
全10話、完結保障。
1万字程度の短い作品です。
最終話まで執筆済み。
登場人物の感情を描いている作品なので、軍の組織や作戦などはものすごく適当です。
戦車などについても作者は全くの無知なので、あり得ない勘違いなどがあれば教えていただけると幸いです。
関東軍の従軍看護師だった母の従姉の思い出や、今まで読んだり人から聞いた戦争体験がごちゃまぜに入っています。
どこかで聞いたようなエピソードがまじっていても生温かくスルーしてください<(_ _)>
基本的にバッドエンドです。
苦手な方は回避してください。
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儚げな美貌に柔らかな微笑をたたえ、誰にでも穏やかに接する彼女は理想の令嬢、いや姫君だ。
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彼女を貶め、この世から消し去る事を正当化してくれる、あの根も葉もない噂に。
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Twitterで作品の紹介いただきありがとうございます。
良い点
・冒頭の惹き
→ プロローグの最後の文章が惹きつけている事
・読みやすい文章
→ 朗読させても違和感がなく、サクサク読みやすい文章
・没頭する物語
→ サクサク読めるので苦痛なく、物語に没頭させてくれる。
気になる点
・世界観が薄く感じる。
→ 魔法・王制・貴族制度・戦争が話で見えてくるが、冒頭で他の解説がない..
戦争でも近代的なのか? 中世的なのか? 中世以前のものなのか?
これが描かれていたら満点でした。
丁寧に感想ありがとうございます((ヾ(≧∇≦)〃))
読みやすくするために、投稿前に何度か音読したので「読みやすい」とおっしゃっていただけて嬉しいです。
世界観の薄さは確かにネックですね。
無駄を省こうと思って省きすぎたかもしれません。
今後改稿して別サイトのコンテストに出すつもりなので、アドバイス参考にさせていただきます<(_ _)>
こんにちは😊
こちらの作品
最初から最後まで一気に
拝読致しました。
とても心に迫る作品です!
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リアルに思い浮かべられて
聖女の最後の言葉は、とても
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一人称の主の心情描写も
大変お見事です。
感想ありがとうございますm(_ _)m
こちらは後書きにあるように従軍看護師だった母の従姉をイメージして描きました。
本当は大政翼賛会がやっていたメディアミックス戦略による情報統制も描きたかったのですが力不足で描ききれず、無念です。
戦争そのものは特定の個人が起こすものでは無いのですが、そのせいか自分の言動による結果に責任を感じにくいものでもあります。
今の日本は平和ですが、今後も平和であり続けますように。
いつも感想ありがとうございます((ヾ(≧∇≦)〃))
今回は短くまとめたかったので、きっちりおさまって良かったです。
関東軍に従軍していた人から聞いた話が基になっているので、物資の困窮も兵站線の破綻も嘘の報道でごまかしてしまいました。
ちなみにセプテントリオはピンク頭世界とは別世界になります。
……じゃないと、治癒魔法使うのものすごくハードル高りすぎて、衛生兵部隊を成り立たせるためにえんえん設定付け加えなきゃいけなくなるので(滂沱)
完結お疲れ様でした。
あちらのざまぁの話も心にくるものがありますが実体験に基づく、この物語による心労はさぞやと思われます。
お体ご自愛下さい。
おばさまの菩薩像に危うさが感じられたのは心を病んだ、壊れた方が描くものはどこか、人の心を揺さぶるものがあるからですかね。
この物語は『戦争は女の顔をしていない』を彷彿させるものがありました。
あれは従軍し、実際に銃を手にした女性の話もありますが普通の女性が最前線で戦争の牙の餌食となる悲壮な物語でもありました。
戦争の虚しさだけでなく、そこに存在する虚飾と現実の剥離の末の崩壊が本当にリアルでした。
結局、勝者は誰もいなかった、ただ戦争があったのだという…民衆も王家を打倒して、その先に平和があるとは限りませんしね。
いつも感想ありがとうございます。
「戦争は女の顔をしていない」を読んで、薔子おばさまや、親戚などの引揚者たちから聞いたり手記で読んだ話を共通するものが本当に多くて驚きました。
おばさま曰く、関東軍に従軍し、八路軍に投降した看護師の中ではおばさまはまだ恵まれていたのだそうで、仲間たちが無理やり八路軍の兵士と結婚させられたり、その邪魔になりそうな日本兵捕虜の恋人を惨殺されたり、と言った話がいたるところで聞こえる中、「性暴力も受けずひどい負傷もなく生き残った自分がいつまでも戦地を忘れられずにいるのが申し訳ない」というような事を言っていた記憶があります。
彼女は生き残った事自体をかなり後ろめたく思っていた節があり、阪神淡路大震災の時にも死ねなかった事で限界を超えてしまったのだと思います。
正直、子供の頃の私は彼女の独特の雰囲気が怖くてうわべだけのつきあいしかせず、心の闇に寄り添う事ができませんでした。
成人して何故あの方があのような砕けたガラスのような人だったのか理解して幼少時の振る舞いを悔いた頃には、彼女はもう人としては生きておらず、謝ることはできませんでした。
今でも悔いが残ります。
彼女の描いた菩薩像は、ぱっと見ると暖色系のとても可愛い絵なのですが、よく見るとあちこちの空間が歪んでいて、彼女の見ている世界はこのようにぐにゃぐにゃと歪にうねっていたのかと思うとやるせないです。
セプテントリオは王国が崩壊しただけでなく、かつて「なかったこと」にして無視してきた様々な問題があらわになったり、近隣諸国の都合に振り回されたりしてまともに国としての機能を保てないのでしょう。
国家のプロパガンダのために国民に虚飾を信じ込ませた結果の崩壊とも言えますが、さて、現実を見たくなかったのは国家なのか国民なのか。
誰だって悲惨な戦争の惨禍の残滓よりも、平和で希望に満ちた高度成長やバブルの夢をみたいものです。
こういった広告戦によるメディアミックスについてはもう少し工夫して描ければよかったな~と反省しつつ、大塚英志の「大政翼賛会のメディアミックス」を読み返してるのは内緒ですw
完結 お疲れ様でした
これだけの お話大変だったと思います
精神的にも かなりくるモノがあったと思います
お身体を大切にして下さい
改めて お疲れ様でした
いつも感想ありがとうございます(≧▽≦)
薔子おばさまの遺品を見ていて唐突に思いついて一気に書き上げたので、推敲も不十分だったかと反省しきりですが、何とか完結できました。
作中に出てきた「新聞に連載されたフェレティング公女の手記」を別作品として投稿しておりますので、そちらも併せてお楽しみいただければ幸いです<(_ _)>
フェレティングは自分一人だけ生き残ってしまったこと、自分が治療をすることで、楽に死ねたはずの兵士を何度も死地に追いやる羽目になったことに罪悪感を抱いていました。
それは戦場から離れて時間が経てば経つほど大きくなってきたようで、処刑されなければ自殺していたかもしれません。
ルーレルは明日、王太子は明後日の更新で今後どうなるかが明らかになります。
退会済ユーザのコメントです
感想ありがとうございます。
そして予約設定間違えて一話すっ飛ばしてました(平謝)
教えて下さってありがとうございます。
戦時中、最前線で地獄を見た人というのは独特の雰囲気を持つ人がいるようで……
実は母の従姉も、黙って上品に微笑んでいるだけなのに、近くにいるだけで精神をやすりで削られるような異様な緊張感のある人で、申し訳ないのだけど幼児期の私はものすごく苦手でした。
そして、戦地帰りの人たちのそういう雰囲気を、同じ戦地帰りの人も内地で待っていた人も忌避する傾向があったように思います。
戦地で恋人同士だった人が、戦後すぐ別れて全然違う人と結婚した、という話もよく聞きます。
前線の恐ろしい記憶を忘れたいが故に、それにまつわる人や物事を忌避してなかったことにしたかったのでしょう。
ふしだら云々の件。
母の従姉は戦後わりとまともな部隊に降伏して、そのままさらに従軍したので性暴力を受けずに済んだのですが、満州帰りの方々の中には開拓団の仲間を守るために身を犠牲にしなければならなかった人も珍しくなかったそうですね。
そして満州で従軍していた女性、というだけで一様に同じような事を言う人が少なくなかったようです。
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やはり戦争前後は陰惨な記憶を忘れたいが故に、特に酷い目に遭った人たちを忌避して都合の悪い事実をなかったことにしようとしたのでしょう。
広島や長崎の被爆者に対する差別にも通じるところがあると思います。
感想ありがとうございます"(ノ*>∀<)ノ
また優しいお気遣いありがとうございますm(_ _)m
母の従姉も戦後「従軍看護師はふしだらだ」という噂を立てられ婚約を破棄されてしまい、生涯独身でした。
同じ時代に生きていても、近衛の父親を持ち内地で飢えることなく生きていた母との体験や認識の差に驚くことが多かったです。
従軍経験者や引揚者と、内地しか知らない人の間での認識のギャップを描けたらな、と思います。
退会済ユーザのコメントです
はじめまして。
感想ありがとうございます((ヾ(≧∇≦)〃))
戦争について描くにあたって、軍事知識が足りないことと、若い人にも読みやすい形でお話を提供したいという願いからハイファンタジーの形で執筆しました。
毎日1回予約投稿済みですので、お時間のある時にお楽しみいただけますと幸いです。
お気に入り登録しました
挑戦者ですね
書いている方も 精神が ガリガリと削られていきそうな感じです
心して 読みます
完結済みとは 流石です 読者も 安心して読みますね
早速の感想ありがとうございます。
主人公のモデルにした母の従姉は、戦後50年以上経っても心は満州の土にまみれてもがいている人でした。
ただ黙って上品に微笑んでいるだけなのに、異様な緊張感を周囲にまき散らし、ただ存在するだけで周囲の人間の精神を削り取るような人だった記憶があります。
彼女は戦後 日本画家として活躍したのですが、暖色でふっくらとした可愛らしい菩薩像を描いているのに、見ていると鳥肌が立つような禍々しいものを感じるという、なんとも不思議な作品が印象に残っています。
戦争を直接知らない私に彼女の闇が描ききれるかわかりませんが、できる限りの筆を尽くす所存です。
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