言の葉のかけら

歌川ピロシキ

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怠惰な天使、あるいは散漫な死神

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ああもう、人間ってなんでこう、じたばたと忙しないんだろう?
どうせ短い間しか生きられないのに、あれも欲しいこれも欲しいと駄々をこねてばかり。
やかましくって、つきあいきれない。
ずっと見守ってなんかいられるもんか。
ああもう、うるさいねぇ。
あんたの寿命はもう終わりだって言うのに。
そうギャンギャン泣き喚かれたら頭に響くだろ。これがあんたに定められた運命なんだから、大人しく諦めなよ。
もう、黙っててくれないと手元が狂って生命を刈り取れないじゃないか。
もう知らない。どうせすぐ喚く元気もなくなるんだから、とりあえずあんたの生命を刈るのは後回しね。

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