言の葉のかけら

歌川ピロシキ

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いびつな天使、或いはちぐはぐな死神

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白と黒、いずれの色もその身に帯び
己が色も未だ定まらぬまま
富も名声も何一つ求めることなく
ただ善き者であることのみを望む
人を救うには人の醜さに憤り
人を裁くには人の弱さを慈しむ
天使と呼ぶにはいびつに歪み
死神と呼ぶにはちぐはぐに脆い
それでも君が世の闇に迷う時
信念は光となりて道を照らすだろう
願わくばこの清廉な魂が
人の欲に喰らわるることなかれ
今ここに戦乱の炎の中を征く
君の行く末に幸いあれ

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