言の葉のかけら

歌川ピロシキ

文字の大きさ
上 下
31 / 59

闇夜の蝶

しおりを挟む
ふふ、闇に舞う蝶は珍しいかい?
彼らは花の蜜ではなく、屍肉をすするんだよ。
そうやって、生命の終わったものが、土に還るのを助けてやっているんだ。 
恐ろしいけど、美しい?
そうだね。死して朽ちるのは恐ろしいことかも知れない。今の生命の終わりだから。
でもね、それは新たな生命に生まれかわるとも言える。つまり、新たな生命の始まりだね。
だから、恐ろしいけれども美しい。
みんな、こうやって廻っていくんだ。
物質も、生命も……おそらくは、魂さえもが。

しおりを挟む

処理中です...