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127話

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腰が揺れる。腰が跳ねる。
自分の指が慣れないけれど、気持ちいいと感じる部分を刺激して声を漏らした。
シルフェ様の部屋だから、駄目だと思いながら手は止まらない。
どのくらいそうしていたか、それとも刹那の時間だったかわからないが、俺の身体は跳ねて最後を迎えたが、体内の熱は引く気配は無い。
ヒートだから仕方ない。
頭はわかっていても、身体が追い付かない。
「シルフェ様……シルフェ様……」
俺は無意識にシルフェ様の名前を呼んでいた。
苦しい……
「ルーカス、ヒート……か」
「シルフェ様、薬……を、くださ……」
「ルーカス、薬だが効くまでに時間がかかる……」
飲みなさいと口に入れられた錠剤。それと同時に口内に流し込まれた水。
ごくりと飲み込んだが、直ぐに効く筈もなく。
俺は敷布を握り締めながらその辛さに耐えていたが、途中意識を失った。

☆☆☆

目を覚ました時にはそこは見慣れた寝室だった。
「……此処……は」
シルフェ様の寝室だった。
声を出すと、喉がカラカラで掠れた声しか出ない。
そっと隣を見ると、そこにはシルフェ様がいた。
「ルーカス、目が覚めたか?少し喉を潤そう。冷たい蜂蜜レモン水だ」
そう言ってグラスを差し出してくれたシルフェ様は全裸だった。
グラスを受け取りながら慌てて俺は自分の身体を見ると、俺も全裸。
何があったかわかるようで、あらぬ場所に違和感があるのと、身体中に散った赤い痣。
「シルフェ様……申し訳ありません」
恐らく……いや、絶対シルフェ様は俺のヒートに付き合ってくださったのだ。
「謝る事はない……ルーカスを抱いたのは私の意思だ。無理をさせてしまったから数日間は寝台からは出てはいけないよ、もしかしたら子供ができてしまったかもしれないし。それはまた話し合わなければならないが、まずは飲みなさい」
俺は促されて蜂蜜レモン水を口にした。
さっぱりとした中に甘い風味もあり、グラスに注がれた全部を一気に飲み干してしまった。
「落ち着いた?」
「はい、ありがとうございます」
「もっと飲む?」
「大丈夫です」
ピッチャーを手にしていたシルフェ様は、俺の大丈夫。に、そっとサイドボードにピッチャーを置いた。
「無理をさせてしまったが、ルーカス一つ言っておく。拒否反応のような反応は起こらなかったように見える」
シルフェ様の言葉に俺は驚いた。
番の絆は切れていないと思っていたのだ。
確かにヒートでシルフェ様を呼んだけれど、あの辛さをどうにかしてくれるのはシルフェ様だけで、シルフェ様なら拒否反応が出ても何とかしてくれるだろうと思い込んでいた節もある。
「でも……」
「あの男の事を調べさせているから、報告待ちだ……だが、ルーカス……これで一縷の望みが持てるかもしれないな……」
シルフェ様が言葉を選ぶ。
俺はグラスを置くとシルフェ様に抱きついた。
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