完結【BL】紅き月の宴~Ωの悪役令息は、αの騎士に愛される。

梅花

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123話 グロ話注意⚠️

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「シルフェ様、俺……何があってもシルフェ様を愛していますから」
そっとシルフェ様の膝に手を乗せて、チュッとシルフェ様の唇を奪った。
「だから、俺の知らないところで動かないでくださって、ありがとうございます……見届けます……」
「大丈夫か?」
心配そうに俺を見下ろしてくるシルフェ様に、笑みを向けた。
自分の願いだけで他人の命を奪う事に躊躇いがない訳では無い。
この国の法律で禁止されている訳では無いけれど。
「大丈夫です……その代わり、シルフェ様……ずっと手を握っていてくれますか?」
「勿論」
俺はギュッとシルフェ様に抱きつく。
本当なら拒絶反応が出てもおかしくないシルフェ様との触れ合いに拒絶反応が全く出ない事に俺はその時は気付かなかった。
それから数日後、朝からシルフェ様と馬車に乗ってある場所へ向かっていた。
捕らえた敵兵の処分が決まったのだった。
半数は自決を選び、残りは……。
騎士団の訓練所の傍らに集められた人々。
これから起こる事を俺は目に焼き付けなければならない。
耐えられるだろうか。
「ルーカス、無理はしなくていい」
「いえ……」
円形に作られた闘技場のような場所。
その一角に椅子が二脚置かれている。その場所に俺はシルフェ様に手を引かれながらその椅子に座った。シルフェ様も隣に座ると、どこからがアサド様が現れた。
手には大刀を構えている。
「始めろ」
シルフェ様が手を上げると、一人の男が連れられてくる。
あの、男だった。
口には猿轡。
二人の騎士に背中側で拘束されたままの腕を掴まれて半ば引き摺られるようにしながら。
そして、俺達からかなり離れた場所でその拘束を解かれた。
膝から崩れるようにして座らされた男がこちらを向き目が合った。
だが、その男からは何も感じない。
番だと言うのにだ。
何か喋りたいのに喋れない、左右に身体を揺すって訴えかけようとしてくる男。
「アサド」
「かしこまりまして」
良く通る声。
アサド様が鞘から大刀を引き抜くと、きらりと刃が太陽の光を浴びて光る。
男の目にはハチマキがされて、逃げ出せないようにと拘束される。
「ひと思いにされたいなら、動かぬ事だな。下手に動けば痛い思いをするだけだ」
アサド様が声を潜めて男に囁くのが、本来この距離では聞こえないはずなのに良く聞こえた。
そして振り上げられる大刀。
俺はそれを静かに見ていた。
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