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47話
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「ほら、脱がせるからね?」
なんだかんだで食事を終えると、シルフェ様は俺に湯あみをさせると言う。
自分で出来ると言うも、髪を洗いたいだろうと言われ馬車の中でぐしゃぐしゃになってしまった髪を解きたいと思ってはいたけれど。
脱衣場で服を脱がされ、そのまま俺はバスルームに入れられた。
腕まくりをしたシルフェ様にバスタブに入るように言われ、タオルを巻いた姿で湯に浸かった。
ふわりと香る甘い香りは入浴剤だろうか。白く濁ったお湯のため、自分の裸体がシルフェ様に晒されないのを安心しながら仰向けになると、シルフェ様は濡れるのも構わずに椅子を引き寄せ俺の傍に座る。
「シルフェ様、濡れてしまいますよ」
「構わない」
「でも」
「ぬれたら、直ぐに湯に浸かるから大丈夫だ。ほら、目を閉じてくれ髪を濡らす」
仰向けになるよう促され、風呂の縁に首を預けると、たっぷりとお湯を入れた桶の中にシルフェ様は俺の髪を浸ける。
「本当に綺麗な髪だな……淡い色が良く似合う」
髪に気を使ってきた俺にはそれは嬉しい言葉だった。
修道院に入る時に切ろうと思っていたその髪は、ある意味俺の財産なのだ。
「ありがとうございます。シルフェ様は長い方がお好きですか?」
シルフェ様の好みに合わせたい。そう思いながら聞くと、シルフェ様は石鹸を泡立てながら笑う。
「長くても短くても、ルーカスに似合うだろうからどちらでもいい」
優しい言葉に涙が出そうになった。
「私はルーカスだから好きなのであって、外見は気にしないよ?ルーカスが可愛いおじいさんになっても愛せる」
その言葉でふとスチルが浮かんだ。
騎士団のベンチで主人公に膝枕をしながら、主人公の髪を撫でるシルフェ様。
そのスチルを見た時に、どれだけの人が主人公になって髪を撫でられたいと思っただろうか。
それは、その前のイベントでさらわれた主人公を助け出す際に、ざっくりと髪を切られてしまった主人公に対しての後悔を吐露するシーンだった。
「……っ、ありがとうございます……」
あの時、主人公はどう答えたか。
俺に選択肢のコマンドなんて見えるわけがない。
「いや、本心だから……早く自宅に戻って婚姻式をしよう?」
「え?」
「嫌かな」
俺の顔を覗き込んでくるシルフェ様。
「お望みのままに」
流石に本当の婚姻は難しいだろうけれど、真似事でもしてくれるのなら嬉しい。
「婚約もまだなのに気が早いな……できるだけ早くするつもりだから……ルーカスの意見も聞きたいし、どうしたい?盛大に行いたいかい?」
シルフェ様の髪を洗う指が気持ちいい。
「え?いえ、シルフェ様だけがいらっしゃれば」
ひっそりと誰にも知られずシルフェ様のお傍にいられれば幸せなのだから。
「欲が無いね。全て私に任せてくれるだろうか?」
「はい、シルフェ様のお心のままに」
俺はそっと目を伏せた。
なんだかんだで食事を終えると、シルフェ様は俺に湯あみをさせると言う。
自分で出来ると言うも、髪を洗いたいだろうと言われ馬車の中でぐしゃぐしゃになってしまった髪を解きたいと思ってはいたけれど。
脱衣場で服を脱がされ、そのまま俺はバスルームに入れられた。
腕まくりをしたシルフェ様にバスタブに入るように言われ、タオルを巻いた姿で湯に浸かった。
ふわりと香る甘い香りは入浴剤だろうか。白く濁ったお湯のため、自分の裸体がシルフェ様に晒されないのを安心しながら仰向けになると、シルフェ様は濡れるのも構わずに椅子を引き寄せ俺の傍に座る。
「シルフェ様、濡れてしまいますよ」
「構わない」
「でも」
「ぬれたら、直ぐに湯に浸かるから大丈夫だ。ほら、目を閉じてくれ髪を濡らす」
仰向けになるよう促され、風呂の縁に首を預けると、たっぷりとお湯を入れた桶の中にシルフェ様は俺の髪を浸ける。
「本当に綺麗な髪だな……淡い色が良く似合う」
髪に気を使ってきた俺にはそれは嬉しい言葉だった。
修道院に入る時に切ろうと思っていたその髪は、ある意味俺の財産なのだ。
「ありがとうございます。シルフェ様は長い方がお好きですか?」
シルフェ様の好みに合わせたい。そう思いながら聞くと、シルフェ様は石鹸を泡立てながら笑う。
「長くても短くても、ルーカスに似合うだろうからどちらでもいい」
優しい言葉に涙が出そうになった。
「私はルーカスだから好きなのであって、外見は気にしないよ?ルーカスが可愛いおじいさんになっても愛せる」
その言葉でふとスチルが浮かんだ。
騎士団のベンチで主人公に膝枕をしながら、主人公の髪を撫でるシルフェ様。
そのスチルを見た時に、どれだけの人が主人公になって髪を撫でられたいと思っただろうか。
それは、その前のイベントでさらわれた主人公を助け出す際に、ざっくりと髪を切られてしまった主人公に対しての後悔を吐露するシーンだった。
「……っ、ありがとうございます……」
あの時、主人公はどう答えたか。
俺に選択肢のコマンドなんて見えるわけがない。
「いや、本心だから……早く自宅に戻って婚姻式をしよう?」
「え?」
「嫌かな」
俺の顔を覗き込んでくるシルフェ様。
「お望みのままに」
流石に本当の婚姻は難しいだろうけれど、真似事でもしてくれるのなら嬉しい。
「婚約もまだなのに気が早いな……できるだけ早くするつもりだから……ルーカスの意見も聞きたいし、どうしたい?盛大に行いたいかい?」
シルフェ様の髪を洗う指が気持ちいい。
「え?いえ、シルフェ様だけがいらっしゃれば」
ひっそりと誰にも知られずシルフェ様のお傍にいられれば幸せなのだから。
「欲が無いね。全て私に任せてくれるだろうか?」
「はい、シルフェ様のお心のままに」
俺はそっと目を伏せた。
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