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32話
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シルフェ様が気を放ってから少し休憩しながらもう2回交わると、空が少し明るくなり始めた。
「ルーカス嬢、眠っていいですよ」
寝台の上でシルフェ様に抱き締められている。
眠っていいと言われて、気だるく疲れた身体の瞼か重くなっている。
「夜が開けたらお見送りを……」
掠れた声でそう告げたが、シルフェ様からは気にしなくていいと言われた。
そうもいかないだろうと思うのに、身体は眠気に逆らえなかった。
「少しだけ……」
「構いませんよ、ゆっくりお眠りください」
温かい他人の体温が気持ちよくて、直ぐに意識を手放してからどのくらいたったのか、目を開いたその先にシルフェ様がいた。
「っ!」
声を上げそうになって慌てて口許を押さえると、その動いてしまったことでシルフェ様の睫毛が震えてそっと瞳が開いた。
「おはようございます、ルーカス嬢?身体は辛くはありませんか?」
「お、おはようございます……はい、大丈夫……そう?」
疑問系なのは、今は痛みはないけれど、倦怠感が酷いのだ。
「今日はゆっくりしてください」
優しく髪を撫でられると、その指先が気持ちいい。
「シルフェ様……お支度を!」
そう言えば何時だろうかと、時計を探すともう昼近くだった。
どれだけ眠ってしまっていたのだろうかと恥ずかしくなり、身体を起こそうとしてあらぬ場所が痛み起き上がることが出来ずに寝台に沈み込んだ。
「大丈夫でしょうか、私はもう2泊お邪魔しますから……お腹が空いてはいませんか?食事をいただいて来ましょうか。その前に綺麗にはしましたが、身体を拭いますか?」
「だ、大丈夫ですから……シルフェ様こそ、お食事にされるならいただいて参りますから」
「ルーカス嬢、動けないときには動けないと言ってください」
「では、シルフェ様お願いします」
「はい」
寝台から降りたシルフェ様は、手早く脱いであった服を身につけ始める。
しっかりとした筋肉に見惚れてしまっていた自分に気付くと、慌てて目を逸らす。
はしたないと、赤くなっただろう頬に手を当てた。
「パンなら食べられそうですか?」
ふと、声を掛けられて視線を上げると、すぐ傍にシルフェ様の顔があった。
「な、何でも大丈夫です」
上擦ってしまった声に、そうですかと微笑み離れていったシルフェ様は昨夜より少しだけ艶めかしく見えたのは気のせいでは無いと思う。
降りている髪型のせいかもしれない。
「では、行ってきますね」
そう言ったシルフェ様の顔が近付いてきてチュッと額にキスをされた。
まるでそれは物語の中に出てきた恋人たちのようだと思ってしまった。
「ルーカス嬢、眠っていいですよ」
寝台の上でシルフェ様に抱き締められている。
眠っていいと言われて、気だるく疲れた身体の瞼か重くなっている。
「夜が開けたらお見送りを……」
掠れた声でそう告げたが、シルフェ様からは気にしなくていいと言われた。
そうもいかないだろうと思うのに、身体は眠気に逆らえなかった。
「少しだけ……」
「構いませんよ、ゆっくりお眠りください」
温かい他人の体温が気持ちよくて、直ぐに意識を手放してからどのくらいたったのか、目を開いたその先にシルフェ様がいた。
「っ!」
声を上げそうになって慌てて口許を押さえると、その動いてしまったことでシルフェ様の睫毛が震えてそっと瞳が開いた。
「おはようございます、ルーカス嬢?身体は辛くはありませんか?」
「お、おはようございます……はい、大丈夫……そう?」
疑問系なのは、今は痛みはないけれど、倦怠感が酷いのだ。
「今日はゆっくりしてください」
優しく髪を撫でられると、その指先が気持ちいい。
「シルフェ様……お支度を!」
そう言えば何時だろうかと、時計を探すともう昼近くだった。
どれだけ眠ってしまっていたのだろうかと恥ずかしくなり、身体を起こそうとしてあらぬ場所が痛み起き上がることが出来ずに寝台に沈み込んだ。
「大丈夫でしょうか、私はもう2泊お邪魔しますから……お腹が空いてはいませんか?食事をいただいて来ましょうか。その前に綺麗にはしましたが、身体を拭いますか?」
「だ、大丈夫ですから……シルフェ様こそ、お食事にされるならいただいて参りますから」
「ルーカス嬢、動けないときには動けないと言ってください」
「では、シルフェ様お願いします」
「はい」
寝台から降りたシルフェ様は、手早く脱いであった服を身につけ始める。
しっかりとした筋肉に見惚れてしまっていた自分に気付くと、慌てて目を逸らす。
はしたないと、赤くなっただろう頬に手を当てた。
「パンなら食べられそうですか?」
ふと、声を掛けられて視線を上げると、すぐ傍にシルフェ様の顔があった。
「な、何でも大丈夫です」
上擦ってしまった声に、そうですかと微笑み離れていったシルフェ様は昨夜より少しだけ艶めかしく見えたのは気のせいでは無いと思う。
降りている髪型のせいかもしれない。
「では、行ってきますね」
そう言ったシルフェ様の顔が近付いてきてチュッと額にキスをされた。
まるでそれは物語の中に出てきた恋人たちのようだと思ってしまった。
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