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25話
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「ルーカス嬢、すみません」
「いえ、ようこそお越し下さいました」
急いで来たのだろうか、シルフェ様の髪が少し乱れている。
「お待ちしておりました、お疲れでしょうお茶をどうぞ」
ぬるめにいれておいたハーブティーを差し出してからシルフェ様を座るように促す。
俺は早く触れて欲しい衝動を堪えて笑みを浮かべた。
もてなすことも大切であり、少しの駆け引きでもあるらしい。
「あぁ、ありがとうございます。こちらをどうぞ」
シルフェ様から差し出されたのは手のひらより少し大きな小箱。
薄い黄緑に塗られたそれには青く綺麗なリボンがかけられている。
「ありがとうございます、今までも沢山いただいてしまって……俺から何を用意したらいいかわからなくて、シルフェ様が嫌でなければこちらを」
自分も用意していた物を机の上に置いておいた箱から取り出した。
白いハンカチにアルメリアの花を1輪だけ刺繍したものと、紅色の飾り尾。
スチルで見たことのある、シルフェ様の剣に付いた飾り尾が風に靡く様子が素敵だったのを思い出したからだ。
ただ、そのタッセルは艶やかな朱と白で贈ったのは主人公だった。
その人の無事を願って作ったものだと、何かで聞いたような気がするようなしないような。
上手いとは言えないが、楼主から貰った少しの給金と月に1度あるお休みで街へと出て買った糸とガラス玉。
作り方を教えてもらって初めて作ったものの中で一番良く見えるものだったのだが、シルフェ様は此処に来たときは腰に剣を下げていない。
だが、その剣の鞘の色味からしてもそれほど悪くは無いだろうと思ったのだ。
「綺麗な色ですね、私がいただいてしまってもいいのですか?」
「はい、初めて作ったものなので、売っているものと比べられると困りますし、式典の時には専用のがあるのは知っているのですが、どうしても作りたくなってしまって……ご迷惑ではなかったでしょうか」
自分では丁寧に作ったつもりだったが、いざ渡すとなるとかなり恥ずかしくなり、やはり返して貰いたくなって手を伸ばしたがシルフェ様が丁寧に持ってきていたハンカチで包む方が早かった。
「いつも持ち歩く剣に付けさせていただきます。ルーカス嬢は器用なのですね」
にこにこと微笑むシルフェ様は直ぐにでも付けたい素振りを見せたが、腰に剣が無いのに気づくと、帰ったら直ぐにと言う。
「もっと、上手くなってからとは思ったのですが……」
「いえ、また何かの時にはいただけると嬉しいです。飾り尾は好きな人へ贈るものと言われていますから」
シルフェ様の言葉に動きを止める。
『好きな人へ』……そんな話、聞いてない!
「いえ、ようこそお越し下さいました」
急いで来たのだろうか、シルフェ様の髪が少し乱れている。
「お待ちしておりました、お疲れでしょうお茶をどうぞ」
ぬるめにいれておいたハーブティーを差し出してからシルフェ様を座るように促す。
俺は早く触れて欲しい衝動を堪えて笑みを浮かべた。
もてなすことも大切であり、少しの駆け引きでもあるらしい。
「あぁ、ありがとうございます。こちらをどうぞ」
シルフェ様から差し出されたのは手のひらより少し大きな小箱。
薄い黄緑に塗られたそれには青く綺麗なリボンがかけられている。
「ありがとうございます、今までも沢山いただいてしまって……俺から何を用意したらいいかわからなくて、シルフェ様が嫌でなければこちらを」
自分も用意していた物を机の上に置いておいた箱から取り出した。
白いハンカチにアルメリアの花を1輪だけ刺繍したものと、紅色の飾り尾。
スチルで見たことのある、シルフェ様の剣に付いた飾り尾が風に靡く様子が素敵だったのを思い出したからだ。
ただ、そのタッセルは艶やかな朱と白で贈ったのは主人公だった。
その人の無事を願って作ったものだと、何かで聞いたような気がするようなしないような。
上手いとは言えないが、楼主から貰った少しの給金と月に1度あるお休みで街へと出て買った糸とガラス玉。
作り方を教えてもらって初めて作ったものの中で一番良く見えるものだったのだが、シルフェ様は此処に来たときは腰に剣を下げていない。
だが、その剣の鞘の色味からしてもそれほど悪くは無いだろうと思ったのだ。
「綺麗な色ですね、私がいただいてしまってもいいのですか?」
「はい、初めて作ったものなので、売っているものと比べられると困りますし、式典の時には専用のがあるのは知っているのですが、どうしても作りたくなってしまって……ご迷惑ではなかったでしょうか」
自分では丁寧に作ったつもりだったが、いざ渡すとなるとかなり恥ずかしくなり、やはり返して貰いたくなって手を伸ばしたがシルフェ様が丁寧に持ってきていたハンカチで包む方が早かった。
「いつも持ち歩く剣に付けさせていただきます。ルーカス嬢は器用なのですね」
にこにこと微笑むシルフェ様は直ぐにでも付けたい素振りを見せたが、腰に剣が無いのに気づくと、帰ったら直ぐにと言う。
「もっと、上手くなってからとは思ったのですが……」
「いえ、また何かの時にはいただけると嬉しいです。飾り尾は好きな人へ贈るものと言われていますから」
シルフェ様の言葉に動きを止める。
『好きな人へ』……そんな話、聞いてない!
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