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2章

16話

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あれから、1日の作業は早朝か日の入りの1日2回数時間ずつとカミーユに決められてしまった。
しかも、その時間はセラフィナの持つ砂時計の砂が落ちるまでだ。
だから俺はどうしたら効率良く作業ができるかを考えなければならないし、畑の状態を見てやらなければならないことを決めなければならない。
時折、何をしているのかと農夫に聞かれることもあり、作業を見せながら話をすることもある。
収穫できるものができた日は、手伝って貰いながら収穫をすると、こんなに沢山できるなんて。とか、こんなに大きく実るなんて。とか、嬉しい声が聞こえてきて1人2人と手伝ってくれる人が増えていった。
「お疲れ様、沢山あるから1人1つそのままで食べてみて、もぎたて取れたてが一番美味しいから」
俺の言葉に慣れた人はぱくりとかぶり付く。初めての人はそれを見てから口に入れた。
俺もセラフィナと一緒に食べてから、冷たい果実水で嚥下した。
「セラフィナもお疲れ様」
「いえ、ミオリ様……今日は念入りにケアをしませんと、炎天下の中で長時間いらっしゃいましたので」
「うん、水風呂入りたい……汗だくだよ」
襟の辺りを指で掴み、ぱたぱたと扇ぐように風を入れると、慌ててセラフィナが小さな団扇を取り出した。
団扇と言うか、扇子と言うかサトイモの葉っぱに似た大きな葉を使う。
風は来るが折れやすいらしく、何か他にいいものがあればと俺は考えている。
「お風呂ですね、用意しておきます」
「昨日のお湯があればそれでいいよ!どうせ俺かカミーユしか入ってないんだろ?わざわざ少ない水を無駄にしな……あ、その風呂の水を蒔けばいいじゃん!」
俺はふと思い出した。
確かに此処の国は雨が少ない。
だから水を大切にしているのだが、俺が風呂好きと知ったセラフィナ達はいつでも入れるように用意をしてくれていて、しかも王族が入った後のお湯は全部捨てていると言うのだ。
「な、何を仰っているのですか、ミオリ様!」
あり得ないとばかりに目を見開いたセラフィナ。
「エコだよ、エコロジー。朝に蒔いたら蒸発しちゃうけど、夕方にたっぷり蒔けばいいから!セラフィナ汗を流してから、夕方に手伝って!」
俺は慌てるセラフィナを従えて、さっさとお風呂だと石畳の廊下を自室に戻っていくのだった。
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