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2章

11話

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「美味いな」
少し香辛料が強いが、肉を中心とした食事で食べられないわけではない。
むしろ、いつもよりは食事の食べている量が多い気がする。
「それは良かった」
「でさ、こんなところで聞くことじゃないんだろうけど、あまり堅苦しいのが好きじゃないし……俺、此処で何をしたらいい?此所の事は何も知らないから」
流石に生け贄と言われたら困ってしまうのだけど。
「何もしなくていい」
「そんなわけにはいかないだろ?働かざる者食うべからずって言うだろう?」
「は?何だそれは」
あ、そうか……知らない言葉なのだろう。
「俺の世界にはそう言う言葉があるの。食事をするには働いてその対価として受け取れるもので、何もない者には無料で食事は提供されないってこと」
そう言うと、カミーユは何かを考えるように動かしていた手をそっと握った。
先程見せてもらった鏡は、映りの悪く曇ったもので顔より少し大きいものだったが明らかに俺の記憶の中にある自分の顔じゃない。
面影はあるし、俺の顔なんだけど若返った感じで、なおかつちょっと美形に見えたのは映りが悪く鏡に歪みがあったからだろうか。
「俺ができるのって、プログラミングか農業くらいなんだけど、プログラミングなんてこっちの世界じゃ使わねぇだろうし……やるとすれば野菜を育てるくらいなんだけど……」
きっと、こちらの世界の野菜なんて俺が育ててきた野菜たちとは全く違う気がする。
「だから、時間があったら畑とか見たいんだけど……どうかな」
俺の申し出に不思議そうにしたカミーユ。
「畑など行ったことがないのだが」
「何それ。自分が食べてるものがどうやって誰が作ってるか知らないのかよ」
呆れた。
流石に俺も肉の解体とかできないけれど、野菜がどうやって育って収穫、料理になるかはなんとなくわかっている。
「じゃあ、誰でもいいから案内できそうな人を教えてくれたら嬉しい。今日これからって言うわけにいかないだろうから、早いうちに頼める?」
カミーユに頼み、俺は少しずつ料理を食べながら自分の知っている食材が使われているだろうか考えていく。
「ミオリ」
「ん?別にカミーユは忙しいだろ?俺はやることないんならさ今までやってきたことをやりたいんだよ。それがカミーユの迷惑にならないなら、わがまま言って悪いけどな……頼んだぜ?」
そうカミーユにお願いすると、カミーユは眉間に皺を寄せながらも仕方ないと頷いてくれた。
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