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2章

10話

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ったく、しょうがねぇな。
俺はぶつぶつ言いながらも、用意されたワンピースみたいな服を着ると、タオルを借りてカミーユの髪を拭いた。
身体も髪も洗いさっぱりすると、風呂から出て恐る恐る脱衣場に向かったか、女性たちはおらず。
服に着替えようとしたが自分が着ていた服は既に何処かに片付けられていて仕方なく手近にあったワンピースに袖を通した。
少しごわごわしていたが仕方ない。
ないよりましだと思いながら髪も拭いていると、後からのっそりとカミーユがやってくる。
ポタポタと水滴を落とし、床が濡れるのも気にしない男は室内を見回してから俺をちらりと見た。
あ、俺が女性たちを下がらせたからかと苦笑して手招きをすると、そのまま近寄ってきたカミーユの頭にタオルを掛けてやる。
そして力任せにわしゃわしゃと拭いてやった。
「何をする!」
「拭くんだよ、そのままにしたら風邪引くだろ?」
「……っ!」
何かを言いたそうにしていたが、カミーユは途中諦めたように脱力した。
「座れるか?」
「床にか?」
「あぁ、椅子なんか無いし床を汚したら掃除が大変だろ?自分じゃやらないかもしれないけど、誰かがやらなきゃならないんだからその手間を考えてやれよ。ほら」
直に座るのを躊躇っているのだろう。身体を軽く拭いてから髪を軽く包んでやり、自分が借りた服と同じものを着せかけてやる。そして、布を置くとその上に座れと促した。
何か考えている風のカミーユだったが、その上に胡座をかく。
「此処の布は吸水があまり良くないな……少しごわごわしているし……まぁ、しょうがないか」
良くわからない世界のようだから不満を言っても仕方ない。
丁寧に水気を取ると満足したとカミーユの肩を叩いた。
「このくらいで、後は自然に乾くだろ……で、俺の服とか知らないか?あれ、一張羅だからさ無いと困るんだ」
「イッチョウラ?」
あれ、そんな単語は無いのか。そりゃそうかと笑うとカミーユを立たせる。
「あぁ、値段が高くて大切な時に着る服なんだ」
少しニュアンスは違うが、そう説明すると洗ってから返すと言われた。
そう言えば俺の身体は記憶よりも小さくなっているのを思い出し、立ち上がりついでに聞いてみる。
「カミーユ、鏡とか無いか?」
「鏡か?どのくらいのが欲しい?」
「顔だけ確認できりゃいいんだけど……?」
「待て」
カミーユが手を打ち鳴らすと先程の女性がやってきて、カミーユは鏡を持ってくるように言う。
「用意をさせるから、それまで待つのに食事でもどうだ?」
鏡を持ってくるのに時間がかかるのかと不安になりなからも空腹を感じた俺は頷いたのだった。
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