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2章
4話
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確かに口は動いている。
だが、聞こえてきたのは俺の声では無かった。
そもそも此処は何処なのだろうか。
最後に見たのは電車のライトだったはず。
俺、死んだ?
にしては見たこともない場所だが、思い描く天国や地獄といった場所とはかけ離れているようだ。
自分を取り巻く人達は見慣れた日本人よりは肌色が黒く、鮮やかな髪色をしていた。
赤、緑、水色。
コスプレ会場かと言うくらい様々な色が視界に入ってくる。
「お前は何処から来た」
一番手前にいた錫杖を持つ金に緑が混ざる不思議な髪色をした屈強な男性が聞いてくる。
「何処から……って」
「聞いた事に答えろ」
「先ずは此処は何処なんだよ」
相手の言葉に流石にイラッとして語尾が強くなってしまう。
「此処はフィナシェ国の王宮だ」
「そんな国、聞いたこともない」
そんなやりとりに俺と目の前の男以外がざわざわとしはじめる。
「名前は?」
「名前を聞くなら先ずは自分が名乗るものだろ?」
名乗ってやっても良かったが、自分よりかなり年下に見える男の言い方にカチンときたのだ。
確かに大柄で威厳がありそうには見えるが、どう見ても20代半ば。
自分の半分くらいしか生きていないのだ。
「カミーユだ」
生意気そうに眉を潜めた男は、ぽつりとそう名乗った。
「へぇ、いい名前じゃないか。俺は水織……で、何なんだよこいつらは」
よいしょと俺は立ち上がった瞬間、ストンと履いていたズボンが腰から落ちた。
くたびれていたシャツは長くなっており、どう考えてもサイズが合わない。
だが、好みの色と生地から作ったオーダースーツなのだ。
このスーツだけは捨てられず実家に帰るときに持ち帰った。
それが合わない訳がない。
どうしてだ?さっきまで着ていたから間違いは無いだろう。
ふと自分の手に視線を落とす。
其処にあったのは節くれだった皺のある手ではなく色白で綺麗に爪も整えられている細く綺麗な指をしていた。
その手をまじまじと見ながらふと、親指の関節に仏眼がある。
左右にあるのを確認すると、自分の手だななんて納得した。
「誰か着替えを」
カミーユがさっと、手を上げた。
ざわざわとしていた人達が一斉に静まる。
視線が俺に集中するのがわかった。
「大丈夫だけど、俺はどうしたらいいんだ?」
誰か今の状況を上手く説明してくれないかなぁ。
俺は困ったようにカミーユを見上げた。
だが、聞こえてきたのは俺の声では無かった。
そもそも此処は何処なのだろうか。
最後に見たのは電車のライトだったはず。
俺、死んだ?
にしては見たこともない場所だが、思い描く天国や地獄といった場所とはかけ離れているようだ。
自分を取り巻く人達は見慣れた日本人よりは肌色が黒く、鮮やかな髪色をしていた。
赤、緑、水色。
コスプレ会場かと言うくらい様々な色が視界に入ってくる。
「お前は何処から来た」
一番手前にいた錫杖を持つ金に緑が混ざる不思議な髪色をした屈強な男性が聞いてくる。
「何処から……って」
「聞いた事に答えろ」
「先ずは此処は何処なんだよ」
相手の言葉に流石にイラッとして語尾が強くなってしまう。
「此処はフィナシェ国の王宮だ」
「そんな国、聞いたこともない」
そんなやりとりに俺と目の前の男以外がざわざわとしはじめる。
「名前は?」
「名前を聞くなら先ずは自分が名乗るものだろ?」
名乗ってやっても良かったが、自分よりかなり年下に見える男の言い方にカチンときたのだ。
確かに大柄で威厳がありそうには見えるが、どう見ても20代半ば。
自分の半分くらいしか生きていないのだ。
「カミーユだ」
生意気そうに眉を潜めた男は、ぽつりとそう名乗った。
「へぇ、いい名前じゃないか。俺は水織……で、何なんだよこいつらは」
よいしょと俺は立ち上がった瞬間、ストンと履いていたズボンが腰から落ちた。
くたびれていたシャツは長くなっており、どう考えてもサイズが合わない。
だが、好みの色と生地から作ったオーダースーツなのだ。
このスーツだけは捨てられず実家に帰るときに持ち帰った。
それが合わない訳がない。
どうしてだ?さっきまで着ていたから間違いは無いだろう。
ふと自分の手に視線を落とす。
其処にあったのは節くれだった皺のある手ではなく色白で綺麗に爪も整えられている細く綺麗な指をしていた。
その手をまじまじと見ながらふと、親指の関節に仏眼がある。
左右にあるのを確認すると、自分の手だななんて納得した。
「誰か着替えを」
カミーユがさっと、手を上げた。
ざわざわとしていた人達が一斉に静まる。
視線が俺に集中するのがわかった。
「大丈夫だけど、俺はどうしたらいいんだ?」
誰か今の状況を上手く説明してくれないかなぁ。
俺は困ったようにカミーユを見上げた。
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