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バレンタインデー2 カイテト
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昨夜、激しく抱き合った次の日の朝
なにやら明け方にもぞもぞとテトが動き出した気配がした。
いつも気を使わせるからと、テトより遅く起きるふりをしているが、実は目が覚めていることが多い。
寝台の隙間から何かを取り出しているのか?
俺が身動ぎを見せても一向に気にした様子は見せずになにやら作業をしている。
「テト…どうした?」
声をかけると、動きが止まりわたわたし始める。
「カイル様…怒らないでくださいね」
目を開いた先にあったのは深紅のリボン。
俺の左手の小指と。テトの左手の小指を結んでいた。
「華やかな形に結んだな」
「練習しました」
座ったらままのテトを抱き寄せると唇にそっとキスをしてくれる。
「これは?」
小指に結ばれたリボンを引く。
「今日は…恋人の日なんです…俺の故郷じゃ恋人同士の小指は赤い糸で結ばれているって話があるので、カイル様の指とつながっていたらいいなぁって…ごめんなさい」
なんだろう…この可愛い生き物は。
どれだけ俺を魅了したら気が済むのだろうか。
それも、無意識だからタチが悪い。
「じゃあ、今日はこのままでいるか?」
幸い公務はない。
1日こうして寝台の中にいるのもいいだろう。
「はい!」
嬉しそうに笑ったテトを俺は遠慮なく1日かけて抱き潰した。
もう、こんなことしません。
そうテトが呟いたのを俺は聞かなかったことにした。
☆☆☆☆☆☆☆
カイル視点で、バレンタインデー別の話です。
なにやら明け方にもぞもぞとテトが動き出した気配がした。
いつも気を使わせるからと、テトより遅く起きるふりをしているが、実は目が覚めていることが多い。
寝台の隙間から何かを取り出しているのか?
俺が身動ぎを見せても一向に気にした様子は見せずになにやら作業をしている。
「テト…どうした?」
声をかけると、動きが止まりわたわたし始める。
「カイル様…怒らないでくださいね」
目を開いた先にあったのは深紅のリボン。
俺の左手の小指と。テトの左手の小指を結んでいた。
「華やかな形に結んだな」
「練習しました」
座ったらままのテトを抱き寄せると唇にそっとキスをしてくれる。
「これは?」
小指に結ばれたリボンを引く。
「今日は…恋人の日なんです…俺の故郷じゃ恋人同士の小指は赤い糸で結ばれているって話があるので、カイル様の指とつながっていたらいいなぁって…ごめんなさい」
なんだろう…この可愛い生き物は。
どれだけ俺を魅了したら気が済むのだろうか。
それも、無意識だからタチが悪い。
「じゃあ、今日はこのままでいるか?」
幸い公務はない。
1日こうして寝台の中にいるのもいいだろう。
「はい!」
嬉しそうに笑ったテトを俺は遠慮なく1日かけて抱き潰した。
もう、こんなことしません。
そうテトが呟いたのを俺は聞かなかったことにした。
☆☆☆☆☆☆☆
カイル視点で、バレンタインデー別の話です。
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