15 / 31
初夏 セラフィリーア⑤
しおりを挟む
暑い…
太陽が空に輝くと一気に暑さが厳しくなる。
飛竜達は思ったよりも平気なのか、離宮の庭にある池の中で楽しそうにしていた。
離宮も温度調節の魔石で外気よりは涼しいが、それでも肌を射すような陽射しは暑い。
作物の成育にはこの暑さも必要だとわかっているが、やはり苦手で、こんな気温で騎士服など着たくない。
アルトリアの騎士達は慣れているらしく平然としていた。
アイヴィス様に騎士団の夏服を申請しよう。
暑さのせいか、少しだけ…少しだけイラッとしながら、白騎士の夏服(簡易服だよ!)を紙に書き上げると、セラフィリーアは離宮から出た。
アイヴィスに直訴!と思いながら、水浴びをしているルディアスに近付くと話し掛ける
「ディア、アイヴィス様はどちら?王宮かな?騎士団?」
『うむ?セラ、こっちにむかっているようだぞ?』
「え、ありがとう!ディアとシュクラにも氷を用意するからね?」
ラッキーと思いながら、セラフィリーアは建物に入る。
アスランが日に焼けるのを嫌うのだ。
アイヴィスが来ると聞くと、姿見で全身をチェックする。
いくら今日がセラフィリーアの休日だと言っても、だらしなく見られるのは嫌だから。
今日は、ファレナスから持ってきていたノースリーブのマキシ丈ワンピース。
それにシースルーの長袖カーディガンを羽織っている。
珍しくワンピースは薄ピンクから濃ピンクになるグラデーションに、赤いサンダル。
カーディガンは白で袖には赤いラインが入っている。
胸元をタックで寄せて、腰の辺りもリボンで結んであるお気に入りなのだ。
「セラ、暑いな」
建物に入ってきたアイヴィスに頭を下げてから応接間に案内する。
今日も美丈夫だ。
「こちらにどうぞ、ミントティーが冷えていますよ?」
最近のアイヴィスのお気に入り、アイスミントティーをアスランが運んでくるのを待って話を始める。
「アイヴィス様、騎士の夏服を作ってもよろしいでしょうか」
書き上げた下書きを見せると、考えているようで
「作っても構わないけれど、公に許可されるかは今は何とも言えないが、それでいいなら」
アイヴィスの困ったような回答に、そうだよねとセラフィリーアは肩を落とす。
簡単には変えられないけれど、暑いのは暑い。
しかし、勝手に作った騎士の夏服が、飛竜に騎乗するとき及び式典以外での着用を認められたのは直ぐだった。
やっぱり騎士だって暑いんじゃん。
必要だよねクールビズ!
太陽が空に輝くと一気に暑さが厳しくなる。
飛竜達は思ったよりも平気なのか、離宮の庭にある池の中で楽しそうにしていた。
離宮も温度調節の魔石で外気よりは涼しいが、それでも肌を射すような陽射しは暑い。
作物の成育にはこの暑さも必要だとわかっているが、やはり苦手で、こんな気温で騎士服など着たくない。
アルトリアの騎士達は慣れているらしく平然としていた。
アイヴィス様に騎士団の夏服を申請しよう。
暑さのせいか、少しだけ…少しだけイラッとしながら、白騎士の夏服(簡易服だよ!)を紙に書き上げると、セラフィリーアは離宮から出た。
アイヴィスに直訴!と思いながら、水浴びをしているルディアスに近付くと話し掛ける
「ディア、アイヴィス様はどちら?王宮かな?騎士団?」
『うむ?セラ、こっちにむかっているようだぞ?』
「え、ありがとう!ディアとシュクラにも氷を用意するからね?」
ラッキーと思いながら、セラフィリーアは建物に入る。
アスランが日に焼けるのを嫌うのだ。
アイヴィスが来ると聞くと、姿見で全身をチェックする。
いくら今日がセラフィリーアの休日だと言っても、だらしなく見られるのは嫌だから。
今日は、ファレナスから持ってきていたノースリーブのマキシ丈ワンピース。
それにシースルーの長袖カーディガンを羽織っている。
珍しくワンピースは薄ピンクから濃ピンクになるグラデーションに、赤いサンダル。
カーディガンは白で袖には赤いラインが入っている。
胸元をタックで寄せて、腰の辺りもリボンで結んであるお気に入りなのだ。
「セラ、暑いな」
建物に入ってきたアイヴィスに頭を下げてから応接間に案内する。
今日も美丈夫だ。
「こちらにどうぞ、ミントティーが冷えていますよ?」
最近のアイヴィスのお気に入り、アイスミントティーをアスランが運んでくるのを待って話を始める。
「アイヴィス様、騎士の夏服を作ってもよろしいでしょうか」
書き上げた下書きを見せると、考えているようで
「作っても構わないけれど、公に許可されるかは今は何とも言えないが、それでいいなら」
アイヴィスの困ったような回答に、そうだよねとセラフィリーアは肩を落とす。
簡単には変えられないけれど、暑いのは暑い。
しかし、勝手に作った騎士の夏服が、飛竜に騎乗するとき及び式典以外での着用を認められたのは直ぐだった。
やっぱり騎士だって暑いんじゃん。
必要だよねクールビズ!
1
お気に入りに追加
147
あなたにおすすめの小説
女装男子の俺と...変態カメラマン?
日向 ずい
BL
冬月 琉架 (ふづき るか)
高校2年生 (16歳)
モデルをやっているが...彼には、ある秘密が...。いつもは、健全な男子高校生だが、モデルをしている時は...。
モデルの時の名前は、姫崎 るか (ひめざき るか)
八神 亜衣希 (やがみ あいき)
社会人 (26歳)
写真家。普段は、商業カメラマンをやっている。だが、琉架にあるものを見られ、変態呼ばわりされる。
彼の素性は、訳ありみたいだが...??
あらすじ
琉架は、モデルの仕事を終えるといつも帰り道の途中にあるコンビニで、甘いものを買って帰るのが日課なのだが...最近、雑誌コーナーに長身の男の人が立ってて...毎回、琉架の事務所の雑誌を買っては、店を出ていく。
琉架の最近のマイブームは、紙パックのミルクティー。いつものように仕事を終え、コンビニでミルクティーを買い、店を出ようとした時「ちょっと...いいですか?」と言って声をかけてきたのは、最近見かける雑誌コーナーの男だった。仕方なく店の外に出て、琉架は、目の前にいる男に目を向けると、その男はいきなり「...その...姫崎 るかさんですよね...??なぜ、男装を...??」と言って訝しげな表情で琉架を見つめた。...これは、琉架と変態カメラマンの史上最悪の出会いだった...。
婚約破棄された悪役令息は従者に溺愛される
田中
BL
BLゲームの悪役令息であるリアン・ヒスコックに転生してしまった俺は、婚約者である第二王子から断罪されるのを待っていた!
なぜなら断罪が領地で療養という軽い処置だから。
婚約破棄をされたリアンは従者のテオと共に領地の屋敷で暮らすことになるが何気ないリアンの一言で、テオがリアンにぐいぐい迫ってきてーー?!
従者×悪役令息
くっころ勇者は魔王の子供を産むことになりました
あさきりゆうた
BL
BLで「最終決戦に負けた勇者」「くっころ」、「俺、この闘いが終わったら彼女と結婚するんだ」をやってみたかった。
一話でやりたいことをやりつくした感がありますが、時間があれば続きも書きたいと考えています。
21.03.10
ついHな気分になったので、加筆修正と新作を書きました。大体R18です。
21.05.06
なぜか性欲が唐突にたぎり久々に書きました。ちなみに作者人生初の触手プレイを書きました。そして小説タイトルも変更。
21.05.19
最終話を書きました。産卵プレイ、出産表現等、初めて表現しました。色々とマニアックなR18プレイになって読者ついていけねえよな(^_^;)と思いました。
最終回になりますが、補足エピソードネタ思いつけば番外編でまた書くかもしれません。
最後に魔王と勇者の幸せを祈ってもらえたらと思います。
23.08.16
適当な表紙をつけました
転生したらBLゲーの負け犬ライバルでしたが現代社会に疲れ果てた陰キャオタクの俺はこの際男相手でもいいからとにかくチヤホヤされたいっ!
スイセイ
BL
夜勤バイト明けに倒れ込んだベッドの上で、スマホ片手に過労死した俺こと煤ヶ谷鍮太郎は、気がつけばきらびやかな七人の騎士サマたちが居並ぶ広間で立ちすくんでいた。
どうやらここは、死ぬ直前にコラボ報酬目当てでダウンロードしたBL恋愛ソーシャルゲーム『宝石の騎士と七つの耀燈(ランプ)』の世界のようだ。俺の立ち位置はどうやら主人公に対する悪役ライバル、しかも不人気ゆえ途中でフェードアウトするキャラらしい。
だが、俺は知ってしまった。最初のチュートリアルバトルにて、イケメンに守られチヤホヤされて、優しい言葉をかけてもらえる喜びを。
こんなやさしい世界を目の前にして、前世みたいに隅っこで丸まってるだけのダンゴムシとして生きてくなんてできっこない。過去の陰縁焼き捨てて、コンプラ無視のキラキラ王子を傍らに、同じく転生者の廃課金主人公とバチバチしつつ、俺は俺だけが全力でチヤホヤされる世界を目指す!
※頭の悪いギャグ・ソシャゲあるあると・メタネタ多めです。
※逆ハー要素もありますがカップリングは固定です。
※R18は最後にあります。
※愛され→嫌われ→愛されの要素がちょっとだけ入ります。
※表紙の背景は祭屋暦様よりお借りしております。
https://www.pixiv.net/artworks/54224680
会社を辞めて騎士団長を拾う
あかべこ
BL
社会生活に疲れて早期リタイアした元社畜は、亡き祖父から譲り受けた一軒家に引っ越した。
その新生活一日目、自宅の前に現れたのは足の引きちぎれた自称・帝国の騎士団長だった……!え、この人俺が面倒見るんですか?
女装趣味のギリギリFIREおじさん×ガチムチ元騎士団長、になるはず。
帝国皇子のお婿さんになりました
クリム
BL
帝国の皇太子エリファス・ロータスとの婚姻を神殿で誓った瞬間、ハルシオン・アスターは自分の前世を思い出す。普通の日本人主婦だったことを。
そして『白い結婚』だったはずの婚姻後、皇太子の寝室に呼ばれることになり、ハルシオンはひた隠しにして来た事実に直面する。王族の姫が19歳まで独身を貫いたこと、その真実が暴かれると、出自の小王国は滅ぼされかねない。
「それなら皇太子殿下に一服盛りますかね、主様」
「そうだね、クーちゃん。ついでに血袋で寝台を汚してなんちゃって既成事実を」
「では、盛って服を乱して、血を……主様、これ……いや、まさかやる気ですか?」
「うん、クーちゃん」
「クーちゃんではありません、クー・チャンです。あ、主様、やめてください!」
これは隣国の帝国皇太子に嫁いだ小王国の『姫君』のお話。
王子様のご帰還です
小都
BL
目が覚めたらそこは、知らない国だった。
平凡に日々を過ごし無事高校3年間を終えた翌日、何もかもが違う場所で目が覚めた。
そして言われる。「おかえりなさい、王子」と・・・。
何も知らない僕に皆が強引に王子と言い、迎えに来た強引な婚約者は・・・男!?
異世界転移 王子×王子・・・?
こちらは個人サイトからの再録になります。
十年以上前の作品をそのまま移してますので変だったらすみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる