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132話
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「サハル居る?」
「ん?」
付与するのは、部屋だと寂しいからとミゲル様の執務室のソファーで作業をしていたところ、ノックがあって騎士が二人箱を持ってやってきた。
「届け物」
「わぁ……こんなに?」
箱の中身は革紐と布の袋。
石を入れて持ち運ぶためのものだ。
「ありがとう、持ってきてくれた人は」
「帰ったけど、何してんだ?」
興味津々とばかりに、俺の手元を覗き込んでくる二人に、寄り分けた石を見せた。
「今度、魔獣討伐があるから、そのための用意だよ。参加する騎士分は作らなきゃって……俺、剣の方はからっきしだからさ……この位は」
「待てサハル……これ、全部やるのかよ」
「付与って、すげー大変なんだろ?一人でやるなって……」
心配そうにする二人に大丈夫だよと笑った。
「大丈夫、ミゲル団長にも一定数以上は駄目だって言われてるし、俺も無理したら討伐に連れて行って貰えないんだって」
困るよねーと、言うと、二人は複雑そうに苦笑した。
「それでもさ、一人でやるの大変だろ? 誰か他に付与の手伝い出来るやついねぇの?」
「うーん……軍医様なら付与できる騎士を知ってるかもだけど、あちらはあちらで忙しいだろうし……軍医じゃなきゃ聖女様がやっても良いんだよ……むしろ、聖女様の仕事なんだよね」
本来なら聖女の作ったものの方がいい。何故なら石がしっかりと研磨されているからだ。
俺は裸石を買うしか出来なかった。
石によっては付与内容の向き不向きがある。
そんな事を思いながら俺は立ち上がる。
「お茶でも飲んでく?」
「いいのか?」
「もちろん。ただ、付与が終わった石を詰めてもらう作業をお願いしたいんだ」
「いいぜ、暇だから」
二人をソファーに促して俺はお茶をいれに向かう。
無難なミルクティにしようかなとお湯を沸かし始めた。
「甘いのは苦手?」
俺の問いかけに二人共が大丈夫だと答えた。
昨日夕方に届いたペアのマグカップは、ミゲル様が戻ってきて二人になったら使おうと洗ってある。
それを見ながら同じティーカップを取り出して俺はカップをあたためて作ったミルクティを注ぐ。
砂糖は好きなだけ入れてもらおうと、角砂糖を用意した。
「お待たせ、どうぞ。甘さは自分で好きなだけ入れて」
「すげぇな、サハルお砂糖好きなだけって、高級品だぞ?」
そう言われて首を傾げた。
ミゲル様と一緒にいるようになって、俺は金銭感覚が麻痺してしまったのかもしれない。
危ない!と、思いながら俺は砂糖を入れるのをやめたのだった。
「ん?」
付与するのは、部屋だと寂しいからとミゲル様の執務室のソファーで作業をしていたところ、ノックがあって騎士が二人箱を持ってやってきた。
「届け物」
「わぁ……こんなに?」
箱の中身は革紐と布の袋。
石を入れて持ち運ぶためのものだ。
「ありがとう、持ってきてくれた人は」
「帰ったけど、何してんだ?」
興味津々とばかりに、俺の手元を覗き込んでくる二人に、寄り分けた石を見せた。
「今度、魔獣討伐があるから、そのための用意だよ。参加する騎士分は作らなきゃって……俺、剣の方はからっきしだからさ……この位は」
「待てサハル……これ、全部やるのかよ」
「付与って、すげー大変なんだろ?一人でやるなって……」
心配そうにする二人に大丈夫だよと笑った。
「大丈夫、ミゲル団長にも一定数以上は駄目だって言われてるし、俺も無理したら討伐に連れて行って貰えないんだって」
困るよねーと、言うと、二人は複雑そうに苦笑した。
「それでもさ、一人でやるの大変だろ? 誰か他に付与の手伝い出来るやついねぇの?」
「うーん……軍医様なら付与できる騎士を知ってるかもだけど、あちらはあちらで忙しいだろうし……軍医じゃなきゃ聖女様がやっても良いんだよ……むしろ、聖女様の仕事なんだよね」
本来なら聖女の作ったものの方がいい。何故なら石がしっかりと研磨されているからだ。
俺は裸石を買うしか出来なかった。
石によっては付与内容の向き不向きがある。
そんな事を思いながら俺は立ち上がる。
「お茶でも飲んでく?」
「いいのか?」
「もちろん。ただ、付与が終わった石を詰めてもらう作業をお願いしたいんだ」
「いいぜ、暇だから」
二人をソファーに促して俺はお茶をいれに向かう。
無難なミルクティにしようかなとお湯を沸かし始めた。
「甘いのは苦手?」
俺の問いかけに二人共が大丈夫だと答えた。
昨日夕方に届いたペアのマグカップは、ミゲル様が戻ってきて二人になったら使おうと洗ってある。
それを見ながら同じティーカップを取り出して俺はカップをあたためて作ったミルクティを注ぐ。
砂糖は好きなだけ入れてもらおうと、角砂糖を用意した。
「お待たせ、どうぞ。甘さは自分で好きなだけ入れて」
「すげぇな、サハルお砂糖好きなだけって、高級品だぞ?」
そう言われて首を傾げた。
ミゲル様と一緒にいるようになって、俺は金銭感覚が麻痺してしまったのかもしれない。
危ない!と、思いながら俺は砂糖を入れるのをやめたのだった。
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