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122話召集

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「団長、お帰りですか良かった......王宮から召集が」
矢継ぎ早にそう告げた騎士。
ミゲル様の顔付きが変わった。
「何があった」
「疫病だと、国境の村が......」
「わかった、直ぐに行く、サハル支度を」
「はい!すみません、今日いくつか団長宛に荷物が届くので、部屋にお願いしますと当直の方にお伝えください」
これも、皆で食べてくださいと買ってきた食事を押し付けてミゲル様と速歩で執務室に向かう。
「略装でいい」
「畏まりました」
俺はクローゼットの中から、騎士服を取り出していく。
「俺の着替えは自分でする。サハルも来い、疫病なら出てもらう事になる」
「勿論です」
癒しとしての力はある。ただ疫病ならば解毒なども使わなければならないが、そんな悠長な事は言っていられない。
もう、男で聖女の振りをしていたとバレて極刑となってもいい。
ミゲル様に制服を渡してから、俺も着替えに向かう。
「お待たせしました!」
着替えを終えてからミゲル様の元に向かうと、ちょうど手首のカフスを留めている所だった。
「ミゲル様、させてください」
「サハル悪いな......」
「いえ、ミゲル様少し屈んでください」
髪を軽く撫で付けてジャケットを着せた。
「行くか」
「はい」
ミゲル様の後を追い部屋を出た。
「馬で行く」
馬小屋へ向かうと、ミゲル様の愛馬が待っていた。
「急ぐからな、サハル一緒に乗ってくれ」
先に跨ったミゲル様にグイッと、引き上げられてミゲル様の前に抱き締められる形で座る。
馬小屋から出たミゲル様は、軽く馬の腹に足を当てると馬は意図を汲んで早足で歩き出した。
「ミゲル様......」
「敷地を出たら駈けさせる。舌を噛むぞ?」
「は、はい」
ミゲル様に言われ、俺は口を噤む。走り始めた馬が王城に着くのはあっという間だった。
「騎士団長ミゲルだ、騎士団員サハルも来ている。王に目通りを頼む」
「伺っております、どうぞこちらへ」
ミゲル様は俺を下ろしてから馬を預けると、先導する文官の後を着いていく。
「サハル来なさい」
着いていっていいのか悩んだ俺に、こちらを向かずに告げたミゲル様の背中を追った。
「騎士団長ミゲル様いらっしゃいました」
文官が入口で告げると、入れと返事がある。
扉が開いた中には円卓とそれに並んで座した人達が一斉にこちらを向く。
「遅くなりました」
ミゲル様が軽く頭を下げて、空いた席に座る。
俺はその椅子の斜め後ろに立った。
「では、疫病の発生したとみられる場所は、此処です」
大きな地図で印が付けられているところが患者が出た所だろう。
昔みた、地図の印と同じ場所に印があった。
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