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94話
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「そろそろ戻るか。身体が冷えただろう?」
「はい」
暫く静かに夜空を見上げていた。
触れている部分が暖かくて、離れるのが少し残念に思う。
「ミゲル様……お疲れですね」
「大丈夫だ。ちょうど忙しい時期だからだろう…部隊編成をしなければならない時期だからな」
そう言われると、そんな時期になるのだとサハルは思い出した。
新人として入ってきた見習いが部隊に別けられる。
得意、不得意を加味されて特技が活かせるように配置をするのが上層部の判断に委ねられている。
「俺には疲れを癒すことしか出来ませんが、無理をしないでくださいね?」
「ありがとう」
重ねた手から力を流す。
少しでも良くなりますようにと。
「サハル、少しで大丈夫だから……無理をするな」
繋いでいない方の手で優しく髪を撫でてくれるミゲル様に笑みを返せば、何故か戸惑ったような表情を浮かべられた。
「無理はしていません。ミゲル様こそ……ぁ、マッサージしましょうか、ミゲル様の部屋に行って良ければ……俺の部屋でいいならそちらでもいいですが、終わったらそのまま眠れますから」
行きましょうとミゲル様の手を引いて建物に向かう。
冷たかった指先が熱くなる。
少しでもこうしてミゲル様と一緒にいたい。
ふたりでいる空間はとても気持ちが良くて安心できているのだ。
「サハルが疲れてしまうだろう?」
「そこは気にしないで下さい。俺は大丈夫」
ミゲル様が使う部屋の前に辿り着くとミゲル様が扉を引いてくれた。
音も全くしないそれは、するすると開いて自分のとは違う室内が現れる。
客間なのだろうけれど、今まで入ったことがない部屋で、その室内をサハルは見回した。
「どうかしたか?」
「いえ、他の部屋には入ったことがなくて」
「この部屋は俺が来るといつも泊めてくれる部屋だからな……つい使い勝手が良くて」
「ミゲル様は頻繁に此処に?」
「そうだな、最近は公務があるからあまり来ることがないが、サハルのお祖父様が、団長だったときは可愛がって貰って良く泊めて貰った」
そんな過去がと、驚きながらミゲル様は自分よりもかなり年上なのだからと、納得した。
「あ、ミゲル様マッサージしましょうか、出来れば足の裏も解したいので香油を貰ってきますから、ミゲル様は眠るだけの格好になって待っていてください」
サハルは香油を取りに自室に向かうのだった。
「はい」
暫く静かに夜空を見上げていた。
触れている部分が暖かくて、離れるのが少し残念に思う。
「ミゲル様……お疲れですね」
「大丈夫だ。ちょうど忙しい時期だからだろう…部隊編成をしなければならない時期だからな」
そう言われると、そんな時期になるのだとサハルは思い出した。
新人として入ってきた見習いが部隊に別けられる。
得意、不得意を加味されて特技が活かせるように配置をするのが上層部の判断に委ねられている。
「俺には疲れを癒すことしか出来ませんが、無理をしないでくださいね?」
「ありがとう」
重ねた手から力を流す。
少しでも良くなりますようにと。
「サハル、少しで大丈夫だから……無理をするな」
繋いでいない方の手で優しく髪を撫でてくれるミゲル様に笑みを返せば、何故か戸惑ったような表情を浮かべられた。
「無理はしていません。ミゲル様こそ……ぁ、マッサージしましょうか、ミゲル様の部屋に行って良ければ……俺の部屋でいいならそちらでもいいですが、終わったらそのまま眠れますから」
行きましょうとミゲル様の手を引いて建物に向かう。
冷たかった指先が熱くなる。
少しでもこうしてミゲル様と一緒にいたい。
ふたりでいる空間はとても気持ちが良くて安心できているのだ。
「サハルが疲れてしまうだろう?」
「そこは気にしないで下さい。俺は大丈夫」
ミゲル様が使う部屋の前に辿り着くとミゲル様が扉を引いてくれた。
音も全くしないそれは、するすると開いて自分のとは違う室内が現れる。
客間なのだろうけれど、今まで入ったことがない部屋で、その室内をサハルは見回した。
「どうかしたか?」
「いえ、他の部屋には入ったことがなくて」
「この部屋は俺が来るといつも泊めてくれる部屋だからな……つい使い勝手が良くて」
「ミゲル様は頻繁に此処に?」
「そうだな、最近は公務があるからあまり来ることがないが、サハルのお祖父様が、団長だったときは可愛がって貰って良く泊めて貰った」
そんな過去がと、驚きながらミゲル様は自分よりもかなり年上なのだからと、納得した。
「あ、ミゲル様マッサージしましょうか、出来れば足の裏も解したいので香油を貰ってきますから、ミゲル様は眠るだけの格好になって待っていてください」
サハルは香油を取りに自室に向かうのだった。
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