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61話

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討伐に来てから今日で3日め。
まだまだ騎士達は元気に動いている。

「なぁ、何だろう…身体が軽いんだよな…」
「夜の見回りしていても朝になれば興奮は落ち着いて直ぐに眠れるし…」
「飯も上手い」

今日も1日頑張ろうぜという声が上がっている。
良かった。

「お茶いかがですか?」

声を掛けて飲む人には配っていく。
朝の食事は1日を作る。
聖女の時に学んだこと。

「頑張ってください」
「サハル…これを貰ってもいいか?」

俺はある1人の騎士に呼び止められた。
聞いたところによると、先見隊のひとりでドライアドの奇襲を受けて体力が削られたところ、ペンダントで一気に体力が回復して何とかなったのだと。
良かったですと微笑み掛ければ、ありがとうと頭を下げられた。
ペンダントは、一度の使用で中の石にヒビが入り、もう魔石としては使うことはできないが、そのままペンダントとしては使えるから。

「どうぞ。お役に立てて光栄です」
「それで…もう1つ…お守りに欲しいのだが…」
「あ…今は石がないのでできませんが、魔石やアクセサリーを買って持ってきていただければ、大丈夫ですよ?ただ、この遠征が終わったらになりますけれど…」
「そうか!それは助かる」

石を選んだりするのもそうだけど、これ以上ミゲル様に借金をしたくない。
アクセサリーは案外高いのだ。
今回だってカットしていなくても石の大きさから、それなりの金額の物になっている。
数名だったから良かったもののあれが一小隊だったら無理だ。
それでも役にたてたなら良かったと笑みを溢した。
それを見ていたのは、周りの騎士で、あのペンダントはどうしたのだとこそこそと囁きが交わされる。
もちろん副団長や小隊長等は知っているのだが、他の一般騎士には特別に何かを渡したように写ってしまっているのを俺は気づくことが無かった。
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