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54話
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「おい、あれ…やっぱりそうだったみたいだな…」
ザワザワとする食堂の中をすり抜けて食事の配膳を終える。
また、上層部は会議をしながらの食事だろう。
昨夜、最初の通信が入り、今朝には魔方陣が組み上がるとの事であった。
魔方陣が組み上がれば転移できるため、あっという間にあちらに到着する。
ただ、この魔方陣は面倒なことに一方通行なのだ。
俺も訓練したら逆の魔方陣を書けば行き来できるようになるんじゃないだろうか。
そうすれば、食事も現地調達しなくていいし。
流石にスタンピードの時は時間を掛けて魔方陣を絵描き行き来できるようにしていたらしいのだが。
昔はどうだったのだろう…上手く思い出せないけれど、もしかしたら魔方陣を手直しできればやれるかもしれない。
ささっと食事を終えると、手慣れた様子でバットにお皿を返すようになってくれた騎士達以外の置いていった皿を片付け始める。
出立の支度は終えていた。
「さて…と、今日は洗い物までできるかな」
「サハル少し休めよ」
声を掛けて来てくれたのは、いつぞやのノア。
「あ、うん…でも、このあと行かなきゃならないからさ?やれるところまでやろうかなって…俺、ほかの隊には所属してないからこんなことやらないと友達できなくてさ…ミゲル様におんぶに抱っこじゃ不味いだろ?」
友達いないからさ。
気づかないよね…
「だから、ありがとうノア」
掴まれそうになった手を無意識に引いて、バットを片付けようと厨房へ歩き出そうとしてその腕を強く掴まれた。
「俺を避けるのかよ」
「ノア、何を?」
先日のにこやかな表情は何処へ行ったのか。
「これ、作業しちゃわなきゃ」
まだ食事中だった騎士達がなんだなんだと見てくるのを感じながら困ったなぁと苦笑した。
「サハル、悪いがお茶を」
食堂の向こうから良く通る声で呼ばれた。
「はい、団長!」
大きめの声で返事をすると、ノアの手がパッと離れる。
少しホッとして逃げるように片付けながら言われたようにお茶をもって会議室に入ると、既に会議は終わっていた。
「悪かったな、ありがとう…部屋で一緒に飲もうか」
ミゲル様の優しさにホッとした。
「先程、魔方陣が繋がったようだ…」
そう言われると、いよいよかと気持ちが引き締まっていく。
出陣。
それは快晴の空の下、暖かな日の事だった。
ザワザワとする食堂の中をすり抜けて食事の配膳を終える。
また、上層部は会議をしながらの食事だろう。
昨夜、最初の通信が入り、今朝には魔方陣が組み上がるとの事であった。
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ただ、この魔方陣は面倒なことに一方通行なのだ。
俺も訓練したら逆の魔方陣を書けば行き来できるようになるんじゃないだろうか。
そうすれば、食事も現地調達しなくていいし。
流石にスタンピードの時は時間を掛けて魔方陣を絵描き行き来できるようにしていたらしいのだが。
昔はどうだったのだろう…上手く思い出せないけれど、もしかしたら魔方陣を手直しできればやれるかもしれない。
ささっと食事を終えると、手慣れた様子でバットにお皿を返すようになってくれた騎士達以外の置いていった皿を片付け始める。
出立の支度は終えていた。
「さて…と、今日は洗い物までできるかな」
「サハル少し休めよ」
声を掛けて来てくれたのは、いつぞやのノア。
「あ、うん…でも、このあと行かなきゃならないからさ?やれるところまでやろうかなって…俺、ほかの隊には所属してないからこんなことやらないと友達できなくてさ…ミゲル様におんぶに抱っこじゃ不味いだろ?」
友達いないからさ。
気づかないよね…
「だから、ありがとうノア」
掴まれそうになった手を無意識に引いて、バットを片付けようと厨房へ歩き出そうとしてその腕を強く掴まれた。
「俺を避けるのかよ」
「ノア、何を?」
先日のにこやかな表情は何処へ行ったのか。
「これ、作業しちゃわなきゃ」
まだ食事中だった騎士達がなんだなんだと見てくるのを感じながら困ったなぁと苦笑した。
「サハル、悪いがお茶を」
食堂の向こうから良く通る声で呼ばれた。
「はい、団長!」
大きめの声で返事をすると、ノアの手がパッと離れる。
少しホッとして逃げるように片付けながら言われたようにお茶をもって会議室に入ると、既に会議は終わっていた。
「悪かったな、ありがとう…部屋で一緒に飲もうか」
ミゲル様の優しさにホッとした。
「先程、魔方陣が繋がったようだ…」
そう言われると、いよいよかと気持ちが引き締まっていく。
出陣。
それは快晴の空の下、暖かな日の事だった。
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