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45話

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「サハル、こっちだ」

来いよとノアに手招きされてそちらに向かうと、騎士達が汗を流すための簡易シャワールームだった。

「あー、俺いいよ…ミゲル様の執務室で浴びた方が並ばなくていいって言われたから、着替えを持ってきてないんだ。だから、今度誘ってくれよ」
「お、おう。そうか」

何故かたじろぎをみせた。
でも、食事くらいは一緒に食べたいと提案してみる。
昼は、各自自由らしい。
食べなくてもいいし、食堂で食べても食堂から受け取ったお弁当を外で食べてもいいらしい。
ノアとピクニック風に外で食べたいと思いながら、ミゲル様の支度をしてから聞いてみようと、まずはミゲル様の執務室にと向かった。

「戻りました!」

ノックをして中に入ると、ミゲル様が頭を抱えている。
何か悩み事だろう。

「あぁ、サハル戻ったか…初めての座学とかはどうだった?」
「楽しかったですが…あれは聖女のせいだったのですか?」
「いや、それも無いとは言えないが、我々自衛の為でもある。聖女の力はありがたいが、頼りすぎるのも良くはないからな」

ミゲル様の考えに、頭を下げるしかない。
確かに前世の時も頼ってくれるのは嬉しかったが負担もあったのはその通りだ。

「でも、ミゲル様…俺がいる間くらいは頼ってくださいね?やれることなら頑張りますから…っと、ミゲル様はお昼はどうしますか?こちらで食べますか?」
「あぁ、まだ書類が終わらないからな…サハルは外に行くか?行くならシャワーを浴びたらそのまま行っていいぞ?」

ミゲル様はゆっくりするなら早くシャワーを浴びて行けと行ってくれた。
俺はお茶だけでもと、お湯を沸かしながら自分の着替えを用意すると、淹れた紅茶をテーブルに置いてからシャワーを借りに行った。
少し広くバスタブまである浴室は、それなりに綺麗にしてはるが、アメニティか少ない。
自分で持ってきたアメニティを置かせて貰いながら汗を流してから着替えを済ませる。
今度、ミゲル様にお願いして使わせてもらおうと思いながら出てから、ミゲル様の食事だけでもと声をかける。

「ミゲル様はこちらで食べますか?よろしければお持ちしますが…」
「いや、自分で行こう食堂まで一緒にな?」

椅子から立ち上がったミゲル様はのびをして身体を解す。
そしてそのまま食堂に向かった。
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