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37話☆

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軟膏入れを手にしながら俺は扉を叩く。

「サハルです、戻りました」

声を掛けると、中から開いていると低い声でミゲル様の返事かあった。

「簡単な説明を受けてきました」
「御苦労様、喉が渇かないか?お茶をいれよう」

扉を開けるとミゲル様が奥の簡易キッチンに姿を消すところだった。

「俺がやります!」

慌てて室内に入るとミゲル様の後を追う。
寝室の反対側が簡易キッチンになっており、簡単なお茶くらいがいれられるようになっている。
お茶をいれるのは慣れているが何がどこにあるのかがわかっていない。

「ミゲル様は何を飲みますか?あと、ミゲル様のカップはどれでしょうか?」

何を好むのだろう。
少しの茶葉なら持ってきているため、俺は後でそれにしようかと思っている。

「俺はいつも、このカップだな。この部屋で会議をするときはこっちに茶器のセットかある。20セットまではあるから必要な個数を使ってくれ。
紅茶は茶葉は此処だ色々な種類が置いてあるが香りのとんでいるものもあるかもしれない……最近の好みはハーブのお茶だな……」

青いリボンの缶を取り出すと、中からは爽やかな薄荷の香りがした。

「わかりました、いつもどのくらい飲まれますか?食事の時や休憩の時……いれるときは必ず言ってくださいね?」

ちらりと見上げると、ミゲル様は苦笑していた。
聞いたところによると、ミゲル様には弟騎士はいなく、自分の身の回りの事は全てご自分でやれるとのこと。
それは楽でいいが威厳に欠ける。
俺も聖女になったときは最初は戸惑ったくらいだもんな。
それに、ミゲル様だって、弟騎士だったこともあるだろう。

「ミゲル様、これからは俺がやらなければならないことは俺に任せてくださいね、慣れるまでは粗相をしてしまうかもしれませんが、俺頑張りますから!」

まずはお茶をいれなければ。
俺は簡易キッチンからミゲル様を押し出してからお茶を用意するのだった。
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