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31話☆
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あり得ない……。
爆発してしまいそうな怒りを圧し殺して、俺はゆっくりと深呼吸する。
この渦巻く気持ちをどうしたらいいかわからない。
「ミゲル様、俺、やっぱり騎士になりたいです……俺1人でどうにかなるかはわからないけど、騎士の中にも治癒の能力がある人間がいないよりはましでしょう?」
医師や聖女以外が治癒の能力を使ってはいけないという法律はない。
「そうだが、騎士になれるかはわからないぞ?」
ミゲル様の心配もわからなくはない。何せ俺は剣を握った事などほぼ無いのだから。でも、やりたい……。
「年齢はまだギリギリ入れますから」
「本気か?」
「本気です!!」
「なら、騎士団長権限で見習いにしてやる。ただ、厳しいぞ?」
「大丈夫、ありがとうございます!やった!」
俺はぴょんと飛び上がった。
「詳しいことは後日通達させるから、当分は軍医見習いでいてくれ」
はぁ……と、盛大な溜め息を吐かれて俺はミゲル様を見る。
ミゲル様が凄く疲れた顔をしているけれど、俺のせい?
違うよね。
「サハル殿……」
「あ、サハルでいいですミゲル様」
「ならサハル……先に言っておく。お前を俺の弟にする。
兄弟がいるかと、聞かれたら俺が兄だと言っておけ。必ずだ。
それが守れなきゃ騎士団の入団はさせない」
全力で入団を潰すと言われて俺は意味もわからずに頷いた。
何が兄弟なのだろう……
わからないと首を傾げると、今夜はもう休めと言われて頭を撫でられた。
爆発してしまいそうな怒りを圧し殺して、俺はゆっくりと深呼吸する。
この渦巻く気持ちをどうしたらいいかわからない。
「ミゲル様、俺、やっぱり騎士になりたいです……俺1人でどうにかなるかはわからないけど、騎士の中にも治癒の能力がある人間がいないよりはましでしょう?」
医師や聖女以外が治癒の能力を使ってはいけないという法律はない。
「そうだが、騎士になれるかはわからないぞ?」
ミゲル様の心配もわからなくはない。何せ俺は剣を握った事などほぼ無いのだから。でも、やりたい……。
「年齢はまだギリギリ入れますから」
「本気か?」
「本気です!!」
「なら、騎士団長権限で見習いにしてやる。ただ、厳しいぞ?」
「大丈夫、ありがとうございます!やった!」
俺はぴょんと飛び上がった。
「詳しいことは後日通達させるから、当分は軍医見習いでいてくれ」
はぁ……と、盛大な溜め息を吐かれて俺はミゲル様を見る。
ミゲル様が凄く疲れた顔をしているけれど、俺のせい?
違うよね。
「サハル殿……」
「あ、サハルでいいですミゲル様」
「ならサハル……先に言っておく。お前を俺の弟にする。
兄弟がいるかと、聞かれたら俺が兄だと言っておけ。必ずだ。
それが守れなきゃ騎士団の入団はさせない」
全力で入団を潰すと言われて俺は意味もわからずに頷いた。
何が兄弟なのだろう……
わからないと首を傾げると、今夜はもう休めと言われて頭を撫でられた。
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