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第1章 転生
15話★
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最初はポツリポツリと降っていた雨だったが、黒雲が現れたかと思うと一気に雨足が強くなった。
遠雷の音がする。
「雷雨だから、すぐに止むと思うけど、雨宿りするか」
鶯の手を掴むと、道から外れた農機具小屋の軒先で雨をやり過ごそうとしたが、横殴りの雨に小さな軒は役に立たない。
駄目元で引いた扉は鍵が壊れていたのかギギッと軋み音を立てながらも開いた。
「鶯、入ろう?ほら」
借りまーすと、居ない主に勝手に断ると中を見る。
小屋は広くはなく、置いてあるのは農機具と藁。
1段上がった板の間は作業場なのだろう。
小さいが囲炉裏があった。
「あー…冷たい。服が搾れそうだなぁ」
呟くと鶯が、くしゃみをする。
風邪ひかれたら困る…そこまで寒くないけれど。
「鶯、脱いで。着物搾ろうか」
先に自分が脱いで軽く着物を搾ると、乾かすのに囲炉裏を借りようと火を起こす。
藁を借りて炭に火を移す。
時間がかかるが、まだ雨は上がらない。
「ほら、鶯?どうした?」
こちらを見ながら固まる鶯を呼びながらも、俺は何か無いだろうかと辺りを見回すも、作業小屋なら何かあるはずもなく、火が起こせただけでもいいかと諦めた。
「ほら、着物…やってやるから…」
手招きをしても動かない鶯に近寄ると飛び上がるようにして逃げられる。
風邪をひかれたら困るからと何とか宥めすかして着物を剥ぎ取る。流石に下履きまでは仕方ないかと着物を搾ったらやはりかなり濡れていた。
囲炉裏の火ではなかなか乾かないだろうが、少しでもと着物を広げておくと、更に鶯が1つくしゃみをした。
「鶯、風邪引くからもっとこっち」
人ひとりぶん開いた距離を膝でつめて俺はぎゅっと鶯に抱き付いた。
冷えた身体。
「ごめんな?俺なんかじゃ困るだろうけど、雨が上がるまで寒いからくっつかせて」
壁に押し付けて逃げられないようにしながら俺は互いの身体で温め合う。
鶯の鼓動がずいぶんと早いと思う。
それに、下肢に当たる熱は…
「鶯、違ったらごめんな?」
先に謝りながら俺はそっとその部分へと手を這わせると濡れた下着の奥で、それは兆している。
「…鶯、してやるよ」
何を思ったか、俺は指先でくいっと下履きを引き下ろす。
ふるりと現れたそれを俺は手で包む。
鶯の身体には似合わないサイズ。
上手くは無いだろうけれど、一人でさせたり我慢よりはいいだろうと俺は指を絡めた。
「と、鴇…大丈夫だ…から」
腰は引けているがそれでも手を払われることはなくて、俺はゆっくりと手を動かしてやる。
ぎゅっと目を瞑る鶯の姿を見ながら声を漏らす部分を探し攻めてやる。
「…っは、鴇…」
ぎゅっと手を掴まれると鶯の身体が震えて白濁がぱたぱたと散った。
「鴇…ありがと」
鶯に抱き締められて暖かいなと笑う。
ちょっとだけ暖まろうと鶯を抱き締め返しながらパチパチと木が爆ぜる音を聞いていた。
遠雷の音がする。
「雷雨だから、すぐに止むと思うけど、雨宿りするか」
鶯の手を掴むと、道から外れた農機具小屋の軒先で雨をやり過ごそうとしたが、横殴りの雨に小さな軒は役に立たない。
駄目元で引いた扉は鍵が壊れていたのかギギッと軋み音を立てながらも開いた。
「鶯、入ろう?ほら」
借りまーすと、居ない主に勝手に断ると中を見る。
小屋は広くはなく、置いてあるのは農機具と藁。
1段上がった板の間は作業場なのだろう。
小さいが囲炉裏があった。
「あー…冷たい。服が搾れそうだなぁ」
呟くと鶯が、くしゃみをする。
風邪ひかれたら困る…そこまで寒くないけれど。
「鶯、脱いで。着物搾ろうか」
先に自分が脱いで軽く着物を搾ると、乾かすのに囲炉裏を借りようと火を起こす。
藁を借りて炭に火を移す。
時間がかかるが、まだ雨は上がらない。
「ほら、鶯?どうした?」
こちらを見ながら固まる鶯を呼びながらも、俺は何か無いだろうかと辺りを見回すも、作業小屋なら何かあるはずもなく、火が起こせただけでもいいかと諦めた。
「ほら、着物…やってやるから…」
手招きをしても動かない鶯に近寄ると飛び上がるようにして逃げられる。
風邪をひかれたら困るからと何とか宥めすかして着物を剥ぎ取る。流石に下履きまでは仕方ないかと着物を搾ったらやはりかなり濡れていた。
囲炉裏の火ではなかなか乾かないだろうが、少しでもと着物を広げておくと、更に鶯が1つくしゃみをした。
「鶯、風邪引くからもっとこっち」
人ひとりぶん開いた距離を膝でつめて俺はぎゅっと鶯に抱き付いた。
冷えた身体。
「ごめんな?俺なんかじゃ困るだろうけど、雨が上がるまで寒いからくっつかせて」
壁に押し付けて逃げられないようにしながら俺は互いの身体で温め合う。
鶯の鼓動がずいぶんと早いと思う。
それに、下肢に当たる熱は…
「鶯、違ったらごめんな?」
先に謝りながら俺はそっとその部分へと手を這わせると濡れた下着の奥で、それは兆している。
「…鶯、してやるよ」
何を思ったか、俺は指先でくいっと下履きを引き下ろす。
ふるりと現れたそれを俺は手で包む。
鶯の身体には似合わないサイズ。
上手くは無いだろうけれど、一人でさせたり我慢よりはいいだろうと俺は指を絡めた。
「と、鴇…大丈夫だ…から」
腰は引けているがそれでも手を払われることはなくて、俺はゆっくりと手を動かしてやる。
ぎゅっと目を瞑る鶯の姿を見ながら声を漏らす部分を探し攻めてやる。
「…っは、鴇…」
ぎゅっと手を掴まれると鶯の身体が震えて白濁がぱたぱたと散った。
「鴇…ありがと」
鶯に抱き締められて暖かいなと笑う。
ちょっとだけ暖まろうと鶯を抱き締め返しながらパチパチと木が爆ぜる音を聞いていた。
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