【BL】幸せは四葉のクローバーと共に。

梅花

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11話

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「わからなくて……ティオは綺麗だと思う。美人だし……」
そう言うけれど、ティオの言う欲情の意味がわからない。
でも、ティオには触れたいと思った。
「じゃあ、ジルは私が触りたいとか言うのは気持ち悪いと思う?」
「思わない」
慌てて頭を振ると、安心したようにティオは笑った。
「じゃあ、もう少し先に進んでみよう……ジルこっちきて?」
手招きをされ寝台に座るように促されて、俺は促されるまま寝台に座る。
二人分の体重を受けて、少しだけ寝台が沈んだ。
ティオに手を取られて、そっとティオの身体に触れさせられる。
滑らかな肌なのにしっかりとした軟らかい筋肉が掌に触れた。
「ジル、誰かを触ったこととか触られたことは?」
「こんな意味の触れ合いは無いよ?」
「そっか、じゃあ先ずはお互いに触ってみようか……ジルが気持ちいい所は私も気持ちいいからね?」
俺の手を握っていない方のティオの手がさらりと俺の胸を撫でた。
その瞬間、ぞわっとえもいえぬ感覚が湧き上がる。
「首とか、胸とか……擽ったいところがきっと気持ちよくなるから」
さらりと羽のように軽やかに触れていくティオの手にぞわぞわした感覚が這う。
だけど、その感覚は嫌な感覚では無い。
俺もティオに触れたらティオも同じように感じてくれるのだろうか。
「うん……俺もティオをもっと触ってもいい?」
お互いにと言われて、俺も触りたいと言ってみるとティオはどうぞと艶やかな笑みを浮かべた。
そして、好きな所を触ってみてと促される。
「何処でも触って?」
何処でもと言われても、ティオの肌が綺麗すぎて触るのが少し怖い。
傷を付けてしまったらと思ってしまう。
自分の手の爪が伸びて居ないことを確認する。
「ん……ジル……」
俺はそっと爪を立てないように気を付けながらティオの肌を撫でる。
綺麗に染まったピンク色の突起に指が触れると、ティオが一瞬動きを止めた。
「ティオ、これが気持ちいいの?」
鼻に掛かるティオの甘い声に、ゾクゾクっと背中に電気が走り全身が総毛立った。
「ティオ……俺、身体が熱い……」
「うん?もしかして発情来ちゃった?」
俺が触っているのを邪魔しないようにティオが手を動かして、俺に触れた部分が擽ったくもあり、そこから与えられた刺激は今まで得た事がない感覚だった。
「はつ、じょう?おれが?」
「うん、呼吸が早くなってるし……そうかも。全身が敏感になって特にこっち……苦しくない?」
ティオが触ったのは俺の身体の中心、一番弱い部分を布越しに触られて俺はびっくりして腰を引いた。
中心に熱が集まっている。
触られて刺激されると布を圧迫する苦しさに息が乱れた。
「これ、発情?」
「きっとそう……大丈夫、私がしてあげるから」
優しく囁くティオの声が擽ったく感じたが、俺は知ってる。
発情って、互いに発情していないと、交わる時に発情していない方は辛いこと。
だからそんな時には無理やり発情を興す薬があって、それを飲むんだってことを……。
「ティオ、俺……きっと、酷いことしちゃうかも……俺、薬持ってない……から」
ティオが発情している感じは無いし、ティオのことは好きだから、これからする行為を自分が加減が出来るとは思えず、だからティオに酷いことをしてしまい、嫌われたくないと優しく抱きついてくるティオを押し返すが、ティオは動く気配がない。
「ジル、もしかして……私を心配してくれてるの?大丈夫だよ、ウサギ族はね、常に発情してるんだから」
ふわりとティオから香っていた甘い香りが強くなったと思った瞬間、唇同士が触れる。
軟らかくてしっとりとした感覚。
無意識に口を開くとぬるりと入り込んできたのがティオの舌だと気づいたのは少し後だった。
「んっふ……は」
こんな事をしたのは初めてで息ができない苦しさと、湧き上がる気持ち良さ。
ティオに抱き締められている温かさ。全てが気持ち良くて力が抜けた。
どのくらいそうしていたのか、ティオの舌が俺の口内を縦横無尽に動き、やがてちゅくっと水音がして舌が離れると、銀糸が糸を引いた。
「は……ティオ……なに、これ……」
唇を併せていたのは少しの時間だった筈なのに、唇だけでは無い自分の色々な場所が熱を帯びて熱くなっている。それはティオに触れられた場所だけじゃない。
「前身が電流が走ったみたいにピリピリするよね?私も発情すると、そうなるし……ほら、触って?ジルのも同じでしょ?」
今度は、ティオが俺の手をティオの股の間……敏感な部分に触れさせると、掌にはかなりの熱い硬さを持ったモノがあった。
「私の、もうこんなになってるんだよ……それをね、こっち……お尻に入れるんだけど、凄く気持ちいいんだよ?ジル」
俺の手が、ティオのお尻を撫でている。軟らかな丸みを帯びたその部分。
小さな丸く白い尻尾がプルプルと震えていた。
「入れるの?」
「うん」
確かに、雌雄のまぐわいの時にはその部分を交えていた気がするし、ティオがそう言うのだから……。
「ね、ジル。しよ?」
「う、うん」
気持ちいいと聞かされ、ティオに導かれれば頷くしかない。
早くこの集まった熱を吐き出したくて仕方無かった。
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